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2019年10月 9日 (水)

室内機より異音

室内機から”カン、カン”と音がすると点検依頼をいただきました。
場所は川崎市高津区のマンション(他店施工)

マンションということもあり、この音の表現からおそらくドレン管の中を空気が流れるときに水が弾けて生じるポコポコ音と思ったのですが・・・

到着して運転していただくと
室内機からカン、カンと音がする
カン、カン、と音が聞こえてきました。

でもドレンのポコポコ音とは明らかに異なります。

音がしていたと思ったら少しの間消えて、また少し経つと音が出る。

よく見ていると上下風向ルーバーがスイングしていてそれに合わせて音がしているようです。

その音の出どころは
ルーバーの左側付け根あたりから異音が出ている
ルーバーの左軸辺りからです。

2枚あるうちの奥側のルーバーを手で上下させるとカン、カン、と同じ音が聞こえました。

この機種のルーバー軸部分は
上下風向ルーバー軸にあるスプリング
スプリングが入ってます。

どうやらスプリングと周囲の樹脂がこすれて音が出ているようです。

小さな音でも室内機の筐体などに響いて増幅され大きく聞こえてくるんですね。

なんのためにスプリングがあるかというと、ルーバーが上方向(持ち上げる方向)に動くときにモーターの補助やその軸の負担軽減。

また運転停止したときにはルーバーが閉まりますが通電が止まった際、少し戻って半開きになるのを防止しています。

多くの機種にはスプリングは付いていないと思いますがこちらのメーカーは昔からこれを付けるのがお好きなようで。

写真を撮っていませんがルーバーとスプリングを取り外して
シリコングリス
シリコングリスを塗りました。

近頃あまり使用しないのですっかり表面がくたびれてますね。
でも中身は大丈夫です。

なぜシリコン?

スプリングは金属ですが、それをはめ込んでいる周囲の素材は樹脂です。

そこに金属用の潤滑剤を使用すると樹脂を劣化させてルーバーの軸が折れてしまうこともあるので潤滑用シリコンを使いました。

ちなみに同じシリコングリスでも”潤滑用シリコングリス”と”放熱用シリコングリス”は用途が異なります。

当方が基板交換などでパワーモジュールやダイオードスタックに使用しているのは放熱用です。
これを塗らないと熱で壊れてしまいますよ。

中身の見た目はおなじですからねえ。
知らずに使いまわしてる人いたりして・・・

元に戻して動作チェック
ルーバー軸からの音が消えた
音が消えました。

これで完了。

簡単な処置で直りました。

エアコンの室内機の可動部は年数が経つとキシミ音などが大きくなってきます。

厄介なのはルーバーなど可動部がモーターダイレクトではなくギアを介しているタイプ。
これらは劣化でギアがかみ合わなくなり”ガタンッ、ガタンッ”と大きな音を立てて動作がギクシャクしたり、しまいにはルーバーがぶらぶらになってしまうなど問題が多く発生します。

高機能で高価なほど部品点数が多くて壊れやすいものです。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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