電気の交流って?
よく電気には直流と交流があるって聞きますよね。
電力会社などから一般の家庭に来ている電気は交流です。
直流は電池などと一緒で+極と-極が変化しないものを言います。
電圧100Vの直流を図(波形)で表すと
こんな感じになります。
何の変化もない一定の線です。
波形を見る場合、ある片方の線を基準(0V)にしてもう片方(この場合100V)の電圧をみます。
たとえこの線が脈打っていたとしても0Vより下のマイナス側へ行かなければ直流です。(脈流)
電圧レベルの一定な直流は計算などが単純で学校の授業などでもオームの法則と共に習うことがあります。
でも電力会社から来ている電気は交流。
プラスとマイナスが常時入れ替わります。
単純にそう聞かされるとこんな感じを想像するのでは・・・
たしかに交流100Vです。
このような形の波形を方形波とか矩形波(くけいは)と呼び、実際にコンセントに来ている電気はこれではありません。
もしこのような形をしていると返って扱いが大変なことになります。
正弦波交流と言います。
0Vからプラス側へいって0Vに戻り、次にマイナス側へいってまた0Vに戻ったところを1サイクルといいます。
この波形図では2サイクル繰り返しているので50Hz(1秒間に50サイクル)の地域の場合で横軸の長さが1/25秒(0.04秒)となります。
なんでこんな形をしているのかというと発電所の発電機が回転体だから。
水力では水車を回します。火力や原子力では発生させた水蒸気でタービンを回します。
その軸出力で発電機を回しているんですね。
ちなみに水車といっても小屋に付いている木造のあれとはちがいますよ。もっと効率のいい水車です。
この正弦波のかたち、何かに似てませんか?
押しバネのコイルスプリングを真横から見た形と同じです。
コイルスプリングもくるくると巻いたものですね。発電機も回転して発電しているので波形がこのようになります。
滑らかに時間と共に常に変化し続けています。
じつはこれが大事なところなんです。
たとえば家庭に来ている100V、近くの電柱までは6600Vの高圧です。
それを変圧器を使用して降圧(電圧を下げる)します。
変圧器の構造は6600V側にある一次側コイル、磁束(磁力線の束)の通る鉄心、100V側の二次側コイルというようになっています。
理科の実験でコイルに電気を流すと強い磁界が発生して磁石になること、さらに発電実験ではコイルの中の磁界を変化(磁石を動かす)させると電気が生まれることを習ったことと思います。
この一連のコイル(一次側コイル)に磁界を発生させて、その磁界から再度コイル(二次側コイル)に電気を生み出すことが変圧器の役目です。
そして二次側コイルに電気を発生させるためには磁界が常に変化し続ける必要があります。実験でも手を止めると発電しませんね。
そこでこの正弦波交流は常にコイルから発生する磁界が変化するため、そこから一次側と同一波形の電気を取り出し続けることができるわけです。
一次側と二次側の電圧比はコイルの巻数比で調整しています。
逆に電圧を上げる昇圧も可能です。
その他にもいろいろ良い面がありますがこのへんで。
でもよく見ていただくと山の頂点と谷の底(ピーク、最大値)は100Vを超えてます。
141.4Vもありますよ。こわいですね。
”1414”どこかで聞いたことがあるような・・・”ひとよひとよにひとみごろ”そうです√2です。
一般に100Vと言われてますが最大値は√2倍の141.4V。
なぜそれが100Vと呼ばれるのか・・・次の機会に触れてみたいと思います。
なお波形図の作成には十進BASICを使わせていただきました。
http://kato-aircon.com/
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