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2019年8月27日 (火)

エアコン冷房時の吸気不足

エアコンの効きが弱く、今年は去年より更に効きが悪いとの点検依頼をいただきました。(横浜市南区)
ありがとうございます。

ガス漏れの典型的な症状に似ているので一応冷媒も準備して伺いました。

現地到着
冷えの弱いエアコン室内機
こちらです。

まずは手で冷風を受けてみます。

冷たい風ですが全体にムラがあってサージング(吸ったり吐いたり)を起こしている感じがします。

続いてファンをみます。
室内機ファンの状態
きれいですね。

(実際は高速に回転していますがカメラのフラッシュの閃光で止まって見えます。)

この状態なら風はスムーズに吹き出すはず。
フィルター詰まりの可能性が高くなりました。

ここで室外機を見に行きます。

カバーを外して
冷えの弱いエアコン室外機のカバーを開けて
あら珍しい・・・

専門の方はおそらく気が付きましたね。

これ、
ガス管側バルブに霜つき
ガス管側のバルブに霜が付いています。

バルブが凍るとガス不足とどこかで聞いたことがある方もいるかもしれませんが今回はその逆の症状です。

冷媒のオーバーチャージや室内機の熱交換不足、その他でこのようになることがあります。

でも近頃のエアコンでガス管側が凍るのは滅多にみません。

液管側バルブ(細い管)の温度は
液管側バルブの温度12℃
12℃

まずまずの温度

そしてガス管側バルブ(太い管)は
ガス管側バルブの温度マイナス8℃
マイナス8℃

ひっくーい

これそのまま放置しておくとどんどん凍ってダンゴみたいになっちゃいます。

湿り運転といって、場合によってはコンプレッサーが液圧縮をして故障し高額修理もしくはエアコン買い替えとなるおそれがあります。

ということでとりあえず室内機のフィルターを外してみます。
室内機のフィルターが詰まっている
詰まってますね。

詰まっているように見えないかもしれませんがばっちり詰まってます。

このエアコンはフィルター自動掃除機能付き。
やはりフィルター掃除はしなくていいと思っていたそうです。

どこかのメーカーさんの”十年間手間いらず”の影響がここにも・・・

フィルターを洗剤できれいにお掃除していただき戻しました。

吹き出し風量も上がって力強く感じます。

室外機のバルブの状況は
ガス管側バルブの霜が溶けた
霜が溶けました。

続けて温度も測ります。

液管側
液管側バルブ温度15℃
15℃

先ほどより少し上がりました。

ガス管側
ガス管側バルブ温度4℃
4℃

こちらは大幅に上がりました。

ただなんか低めです。

室内機のカバーを開けると
室内機の前面に空気の吸い込み口なし
なんと前面には空気の吸い込み口がありません。

多くのエアコンは前面と上面から吸い込むようになっていますが・・・変わった設計ですね。

上面からのみの吸い込みで先ほどのフィルター2枚しかありません。

これでは吸気量が確保できず吹き出しも弱くなるので室内機の熱交換量もそれに伴い減ります。
しかも室内機と天井の間は5cm程度なので余計です。

そのためガス管側の温度が低めなのでしょう。(湿り運転気味)

ガス管側バルブが凍ったのはフィルター詰まりに加えこれらも原因だと思います。

室温も下がってきてだんだんと快適になってきました。
点検が終了した室内機
これで点検終了です。

ヒートポンプサイクルはバランスを保って機能しています。それが崩れると効かなくなるだけではなくエアコンの心臓部と言われるコンプレッサーにもダメージを与えることがあります。

たかがフィルターと侮れませんね。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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