エアコンの中は○○○○天国!
横浜市港北区にて素人が付けたようでエアコンが冷えないとのことで点検に伺いました。
もらったエアコンを移設してきたとのことで取り付けたのは便利屋さん。
去年設置したときは冷えていたものが暖房時は弱い感じで今年はとうとう冷えなくなってしまったそうです。
問題のモノはこちら
この時点で本職の施工でないことがわかります。
ドレンホース(排水管)も2本地面に長く転がってますね。このままだとどうなるか・・・基本的なこともなにも知らないのでしょう。
とりあえずバルブのカバーを開けます。
このブログはエアコン技術者の方もご覧いただいているようなのですが、これを見ればガスが漏れているとわかりますね。
気温からして1.6~1.9MPaはあってもいいはずがこれではほとんど空っぽです。
念のためリークディテクタ(赤外線式ガス漏れ検知器)を使用し先ほどのバルブ接続部を調べたところやっぱり漏れ反応がありました。
この漏れを直してガスを入れれば修理完了するかといえば答えは「No!」
パッと見でこれは室内機を含め全体的に問題が潜んでいると判断しました。
室内機にパイプがつながったまま運ばれてきたそうで、中間にあるジョイントの漏れの可能性は低いと思いますが、つながったまま運ぶ行為が別の問題を起こしかねません。
いったん全部取り外して、取り付けなおしてからガスチャージする手順となります。
ただし他の問題が発覚して高額になると判断した場合は買い替えを検討していただくことも視野に入れなくてはなりません。
指定は2.0mmなのでこれも取り替えです。これは移設する前(新品を購入した約3年前)から使われていたものです。
バルブから銅管を外すと
2分管(細管)側は傷だらけでこれでは漏れて当然です。
取り付けた人はフレアツールという銅管を画像のように広げる工具を持っておらず、このフレア部分はそのまま再利用して付けてしまったとのこと。
この部分は再利用できません。締め直しもできません。都度フレアツールで加工し接続するものです。
ここで心配になるのはバルブ側。接続面に傷が付いていたら最悪の場合ここで終了(エアコン買い替え)になります。
フレアが接する面は多少の傷はありますが大丈夫そうです。
ふと室外機の反対側を見ると
室外機にアースが接続されているようです。
でもここはアース接続端子ではなく外板を固定しているねじですよ。
室内機のコンセントにアース端子がありますが使われていません。そこにはつながずアース棒を打ち込んだのかな?
余計なものが室外機についてます。
地面に置くのにこれを付けてはいけません。
説明は省きます。
途中の銅管を触っていくと・・・
こりゃ銅管も交換ですね。
通常は室内用の断熱を被ったホースが出るはずですが・・・
長年エアコンの施工をしている人はわかりますね。この中間ジョイントに巻かれた防湿テープをみれば移設前は左配管されていたと。
ということは室内機のドレンホースが左に接続されたまま設置したことがわかります。
屋外用は室内用とちがい柔らかいのでこのようになってしまいます。
そのうち水漏れします。
中間ジョイントは
ここは外さず移設したそうなのでガス漏れはありません。
室内機を下ろしたら本体の銅管に折れやつぶれがないか調査します。
3分管(太管)側にスプリングを差し込んで調べます。
問題なさそうです。安心しました。
白色の室内用ドレンホースが左側(画像奥)から出てます。これは本来右側(画像手前)に差し替えて冷媒管と共に屋外へ出るようにするものです。
室内機据付板の固定は杜撰でそのうち落ちると思いますが、これも付け直せば大丈夫。(撮り忘れました)
内外連絡線も外します。
こ、これはゴキブリのウ○コ・・・
移設前のお宅が古く取り壊し前に外したそうで、それまでに室内機に住み着いていたようです。
こちらに移設後に小さな赤ちゃんのようなゴキブリが出るようになったということで、卵付きでもらってきてしまったんですね。
室内機の近くの壁にもウ○コがポツリと付いてます。
この時点でお客さんと相談しエアコンの処分が決定しました。
エアコンの室内機は冬でも基板の付近が通電されて暖かいのでゴキブリが住み着きます。中には基板上で感電死しているのもいますので。
エアコンにとどめをさしたのがゴキブリだったとは何とも・・・
http://kato-aircon.com/
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