マンション大規模修繕後にガス漏れ
マンションの大規模修繕工事に伴い室外機を脱着したあとに冷えなくなったとの依頼で修理に伺いました。(川崎市中原区)
脱着工事をしたのは修繕工事会社の関連業者のようです。
去年工事を行ったらしくその時は冷えていたとのこと。暖房は少し弱かったようです。
そしてとうとう冷えなくなって”点検を”と依頼をいただきました。
長く使用されていたようでそれまでは問題はなく、ほぼ修繕工事の脱着で施工不良があったと推測できますが点検を行います。
一番怪しい室外機から。
パッと見でカバーが変形していていかにも施工の雑さがうかがえます。
うーん・・・経験不足?
このオイル付着量からしてガスはほとんど残ってないでしょう。
一応圧力計でガス圧を見ます。
コンプレッサー停止時で0.1MPaです。
ほぼ空(カラ)ですね。
詳しく漏れ箇所を調べるためリークチェッカーの液体をかけます。
やっぱりこれか・・・
高感度です。銅管接続部で漏れ。
お客さんに費用を説明してその場で修理することになりました。
パイプを接続し直すため外して見ると
糸状に切れた銅が見えます。
これはおそらく取り外したものをそのまま再使用して締め付けたためにできたもの。
この銅管を広げることをフレア加工といいますがそれを怠ったと思われます。
切り取ったフレアを並べてみました。
表面がガタガタ。こりゃ漏れますわ。
修繕工事で取り外し後に養生もせず放っておいたのでしょうか?ゴミが挟まったような凹みもあります。
室外機のバルブ側にも凹みがないか確認して大丈夫そう。
フレア加工をして接続。
珍しくバルブコアがダメになっていたので交換しました。
これはガス圧を測ったり、ガスを入れるためのサービスポートに付いているチェックバルブ(逆止弁)です。
これでガスを入れれば完了!というわけにはいきません。
ガス漏れを起こした冷媒サイクルには空気が混じって入っているので室外機内部も含め真空引きを行います。
これがちょっと時間がかかるんですよ。
その間にこれ
電線の差しは足りないわバンドやねじも無くなってるわと・・・
電線は先端を切断して皮むきをし直してから接続しました。
端子台カバーを固定しました。
もとはカバーを引っかけてあっただけ。
どうしてこのねじが無くなるのか理解できませんが付けるのめんどくさかったんですかねぇ。
バンドは紛失しているので仕方ありません。
このクラスでは多いほうですね。
圧力でガスがどれだけ入っているかわかると思っている方、残念ながらわかりません。
なので圧力計を見てガスを規定量充填するのは不可能です。
必ず秤を使って重さで充填します。
昔の一定速(インバーター制御ではない)のコンプレッサー、ファンモーター、そして冷媒流量の制御も単純であれば詳細判定法といって冷媒の温度と圧力(過熱度、過冷却度)などから冷媒の過不足を判断することは可能でしたが今のエアコンではおそらく難しいでしょう。
そろそろ全廃になるオゾン層を破壊するフロンR22の時代はシリンダーというガス(実際は液)の量を目で見て計量する器具を使用していました。当時は今みたいに安価で正確なデジタル秤がなかったですからね。
業務用など何キロ、何十キロと補充する必要がある場合は古風な上皿はかりなんかを使ってましたから。
おっとまた話が別の方へ・・・
絶縁抵抗を測定して運転開始。
問題ありません。
温度測定も正常値。
各所リークディテクタでチェックして漏れはなく完了しました。
http://kato-aircon.com/
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