専用回路の増設(漏電遮断器付き)
賃貸住宅にエアコンを設置しました。
(東京都小金井市へエリア外出張)
でも電源がないので電気工事をしなければなりません。
エアコンは専用回路と言って、ブレーカーから単独で配線したコンセントが昔から必要なんです。
数年前までは電器店で購入したり、引っ越しでエアコンを取り付けると"内線規程"ならぬ"エアコン屋規程"で専用回路を設置せず最寄りのコンセントから延長したりすることが横行していました。
そもそもエアコン工事に携わる者が電気に関して無知だったことが原因です。
現在では電気工事士の資格を所持する者が増えていますが昔はほとんど無資格で行っていたのです。
それによって火事になってしまうことがたびたび発生して経産省などからの指導で今ではほぼ全店で専用回路を設けなければエアコンは設置できないようになっています。
それはさておき本題の専用回路増設工事です。
賃貸住宅なのでお客さんに不動産屋さん(大家さん)へ相談してみてはどうかとお話ししましたが、こちらで施工することになりました。
退去された後も専用回路はそのまま残す条件で設置するのでケーブル露出配線ではなくモールを使用しします。
このケースの中に電線を収めます。
コンセントのボックスを付けてモールの受けを分電盤(ブレーカーのところ)まで取り付けます。
お部屋が広く分電盤まで距離があって時間がかかります。
受け側を付け終わったら配線します。
VVF2.0mm(ケーブル)を使用。
ケーブルが余裕をもって収まるサイズのモールを使用しています。
途中には壁があるので穴を開けて通します。
この壁を貫通するので電線はケーブルを使用しました。
電線を収めてフタをします。
分電盤までトータル14mほどありました。
エアコンで配管化粧カバーを付けるのと似てますね。
コンセントを取り付けます。
エアコンでちょっと付けにくい・・・😂
コンセントは20A125V。もちろん今回付けたエアコン15Aの普通のプラグ形状も差さります。
プレートはコンセントのボックスに合わせてスクエア形状を使いました。
コンセントを取り付け
電源が交流と言っても極性があるので間違えてはいけません。
エアコン工事屋さんにはこの極性をわかっていない人が割と多いのです。
電線の色だけでなく検電できないとだめ。
次に分電盤
昭和の香りがする盤です。(カバーを開けてあります)
余談ですがもっと古いと盤が板でブレーカーなどが露出してますからね。もうないでしょうがブレーカーではなく碍子の安全器(ヒューズ)なんてのも30年前は結構ありました。
空きスペースに新たにブレーカーを付けて増設します。
しかし幹線に漏電遮断器が付いてません。
エアコンは規定上"水気のある場所"に該当するのでアース(接地)と合わせて漏電遮断器を付けなければなりません。
いくら乾燥した場所に付けたとしてもエアコン自体から結露水が出てきます。
専用回路が元からあったとしてもエアコンを取り付ける際には漏電遮断器を付けなければなりません。
とはいえ、主幹に漏電遮断器が付く分電盤ではありません。
他の小ブレーカーと同じ形状です。
ブレーカーというと過電流遮断器の機能がメインという印象ですが、これは漏電遮断器に過電流遮断器(配線用遮断器)の機能がプラスされているというものです。
モノによっては漏電保護のみで過電流保護がないタイプがあります。
取り付けるのは2P2E(ツーピー・ツーイー、ツーポール・ツーエレメント、2極2素子 などと読みます)20A、漏電保護は30mA高速型。
このことをもう少し詳しく書こうかと思いましたが難しくなるので省略。
赤が2本あってどちらを使用するか少し考えて接着されていないほうを使うことにしました。
どちらでもいいというわけではなく電気の使用バランスを考えます。
赤2本だと200Vも使用できます。
もちろんここでも極性を間違えないように接続。
ここで帳簿保存用のデータを取ります。
電気工事は数年の間、帳簿保存の義務があって県など管轄機関から提出を指示された場合は従わなければならない決まりがあります。
分電盤のカバーを付けて
ブレーカーのレバーがカバーと干渉しないか確認します。
付けたブレーカーには
付属していた定期的に動作確認を促すシールを貼りました。
レバーの下にある丸いボタンを押すと漏電遮断器が正常に動作するか確認することができます。
設置後に確認はしています。ただ、この先このボタンが押されることはほぼないでしょう。押す人いるのかな?
ただしこのブレーカーのボタンは指で押さないほうがいいです。レバーが落ちると当たって結構痛いので。
これで専用回路増設は完了。
おっとエアコンのアースを忘れてはいけません。
室外機そばの地面にD種接地を行いました。
塩ビ管(VE管)が排水管のように見えますがアース線が入っています。
これで完了です。
近頃、専用回路の増設工事はかなり少なくなりました。
エアコンが生活必需品となってどこでもほぼあらかじめ施設されています。
http://kato-aircon.com/
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