室内テープ巻き仕上げ
マンションは配管用の壁穴が室内機より下にあってパイプが室内に露出しますね。
上の方に穴を開ければいいのにと思われる方もいると思いますが、そこには建物の重要な梁があってしかも室内機の穴の高さにスリーブ(穴を設けるための管)を入れるのは強度の問題や梁の下近くに配置される主筋(太い鉄筋)に阻まれて難しいんです。
もちろんこのスリーブは建築時コンクリートを打設する前に入れるもので、建物が建ってからダイヤモンドコアで抜くものではありません。
エアコン設置にあたり、見た目を重視し配管化粧カバーを取り付ける施工方法もありますが今回はテープ巻き仕上げです。
室内機を取り付け、配管し終わったところ。
穴のパテはまだです。
穴の付近を見ていただくと
手前にふくらますように曲げ加工しています。
なぜこんなことをしていると思います?
見た目を考えれば真っ直ぐ下ろして穴方向に曲げたほうがいいと思いませんか?
でも見た目を重視してそのようにしてしまうとドレン排水管の勾配が壁の穴の中で逆になってしまうんです。
この設置のように室内機本体の左横からパイプを取り出すと設計上、どこのメーカーでもドレン管は本体向って手前にくるようになっています。
(そのほかに断熱材の被った銅管2本と電線(ケーブル)が1本あります。)
そしてそのパイプが下方向へ曲がって次に穴の方向へ曲がると手前にあったドレン管は下部分に位置するようになります。
穴に勾配が付いていればいいのですが、マンションでは通常水平の穴で室内側と室外側にはツバが付いて中間に比べ少し穴径が細くなっています。
そこで穴の室内側ではパイプ全体を上に配置させて屋外側では下にしてドレン勾配を確保するわけです。
この室内側を上に位置させるには穴径が大きく余裕があれば別ですが今回のような場合は手前にふくらませないとできません。
一度室内機から下がってるからちょっとくらい逆勾配でも大丈夫じゃないの?と安易に考えがちですが穴の中の勾配は結構大切。
マンションでよくあるポコポコ音の一番の原因なんですよ。
しかしここをしっかりやらない(見もしない)施工者が多いこと。
それでもって音止めの逆止弁を施工前から売り込んできますからね。どうなんでしょ
ただし施工で努力してもダメだったなら逆止弁もアリです。
ドレン排水が出たことを確認したら次に窓を閉め切ってキッチンの換気扇を最大風量で回していただきポコポコ音が出ないことも確認。
逆止弁は必要ありません。
入居時から付いていた(オプション?)というリビングのエアコンは毎年冷房時期になるとポコポコ音が出るそうです。そのうち点検に伺うかもしれません。
アース線がよく見えませんがちゃんとつないでありますよ。
なお、撤去する前に付いていたエアコンは
これを撤去してから今回の新品を設置しました。
引っ越しの下請け業者さんで付けてもらったそうです。
パイプの仕上がり具合からすると室内機を下に置いた状態でパイプを加工して最後に引っ掛けた施工方法です。
仕上がりがイマイチでドレンが一部逆勾配。縦部分は斜めになっています。
わたしも余程の理由がなければ滅多にやらないこの方法は、緻密さと正確さを要求されそれなりの熟練の人でなければきれいに付きません。
この下請け業者さんがなぜそんな方法をあえて行うかというと仕上がりさえ気にせずテキトーにやれば速くて楽だから。
カッコ悪いのはもちろんですが、時間が経つと樹脂のツバに色ムラができてしまうのでやめていただきたい。
ツバにこびりついたパテはスクレーパーではがしました。
わたしが会社員で下積みのころはこんなパテ埋めしたら「なんだこれは!」と何度でもやり直しさせられたものです。
http://kato-aircon.com/
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