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2019年7月 8日 (月)

まだあった・・・日立の4心

先日、エアコンの撤去を依頼されたのですが久しぶりに日立の接続電線4心タイプを見ました。

おぉ、まだ生き残ってたか・・・
日立の内外接続電線4心タイプ
室内機と室外機を結ぶ連絡電線が4本です。

拡大してみます。
4心端子台
接続がちょっとアレですが・・・それはさておき

エアコンの仕様を見ると
エアコン室外機に貼られた仕様
2000年製。しかもフロン22です。

フロン22はこの頃が末期。オゾン層を破壊する物質が含まれているのでもうすぐ全廃になります。
修理もできなくなりますよ。

インバーターエアコンですが製造から20年近くとよくここまで持ったものです。ちなみにまだ壊れていませんでした。

いまエアコンは日立も含めどのメーカーもほぼ3心。

でもその昔、冷暖房エアコンと言えば4心だったんですよ。
まだインバーターがない時代はローテクな制御方式だったのでリレーを介して室外機のコンプレッサー、ファン、四方切替弁(冷暖房切り替えの弁)を4本の電線で電源供給して制御していました。

その後、今から30年以上前に東芝からインバーターエアコンが出されて当初4心だったものが次第に3心へと変わっていきます。

中には三菱電機が5心や6心なんて接続間違いを誘発するもの(これでよく壊す人がいました)があったり、2心+コネクターケーブルでつなぐメーカーもありました。

余談ですが三菱電機は昔、室内機の連絡電線接続端子台が本体の背面に付いていて設置したら見ることができずメンテ性が非常に悪かったものです。

そしてどのメーカーも3心へと移行しましたが、日立だけがいつまでも4心にこだわり続けました。

3心の方が材料費の節約、接続間違いの低減、施工性の向上などいいことがたくさんあります。

でも、10数年前だったでしょうか。ようやく3心に切り替わります。

さすがに時代の流れには逆らえなかったのでしょうか?
マンションなどで建築時に壁に先行配管され埋め込まれたパイプには電線も3心が多く使用されるようになり、これでは4心のエアコンは付けられませんね。

なぜそこまで4心にこだわったのかメーカーさんの考え方はわかりませんが、施工側からみると・・・

室外機の端子台の電気の流れは
室外機端子台の電気の流れ
このようになっています。

このエアコンではコンセントからプラグコードを通ってきたAC100Vの電気が室内機へは供給せず連絡線(ケーブル)を通ってそのまま室外機の端子台(A、B)に入ります。
ここからして3心タイプと異なります。(3心タイプはまず室内機にも電源供給)

そして室外機の制御基板から室内機用の電源とそこに制御信号を乗せて端子台(C、D)から室内機へ向かいます。

これはどういうことかというと、室内機側から電源を取らなくても室外機(A、B)に電源直結することも可能ということです。
その場合、室内機のプラグコードは取り外す必要はありますが、室内側、室外側のどちらからでも電源が取れるということですね。

室外機に電源直結すれば室内機と室外機の連絡線は2心(C、D)だけで済みます。

建物によっては室外機側にエアコン電源があったり、電源を増設する場合に室外機側へ配線したほうが効率が良い場合などにはうってつけの方式と言えます。
現在、室外電源機を探すと少なくて機種が限定されてしまいます。

また室外機1台に対し2、3台の室内機を取り付けるマルチエアコンの場合でも、それ用に室内機を開発する必要はなかったと思われます。
プラグコードを外せばマルチ用の室内機に変身。
しかも1台の室内機のプラグコードからマルチ室外機へ電源供給することも可能。
室内の専用コンセントから取っても良し、室外機に直結しても良しと融通の利く設計だったのです。

ちょっと専門的な話になってしまいました。

4心にもそれなりにメリットがあったということです。
3心タイプではそうはいきません。

そういえば日立のマルチエアコンは10数年前に付けてからお目にかかってません。マルチは他に強いメーカーがありますからね。

ということで撤去は完了。また一台消え去りました。

たまに室外電源機が欲しい場面ではこの日立の4心を思い出します。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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