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2019年5月20日 (月)

エアコンの再取り付けで・・・

引っ越しの下請け業者が取り外したエアコンを賃貸住宅に設置のご依頼いただき工事に伺いました。
(川崎市宮前区)

取り付ける場所は
室内機の取り付け場所
公団ボルトとも言いますが、室内機固定用ボルトが出ていて壁強度の心配はありません。

しかしボルトを確認すると
室内機固定用ボルトが傾いている
あらま、だいぶ傾いてますね。

ボルトを抜いて中を見ると
壁の中の躯体にアンカーが見える
中はアンカーでした。

これはどこかのエアコン工事屋さんが打込んでますね。ドリルを使い慣れてないため斜めに構えてしまうんです。

ナットを締めてもしっくりとはいきませんがアンカーが施工不良で抜けることはないと信じて取り付けます。(信じるしかありません)

100Vのコンセントがありますが、取り付けるエアコンは200V用なので交換と電圧切替が必要です。
エアコンの能力が部屋に対して大きすぎることをお客さんに説明してそれでも取り付けをご希望されたので設置します。

そしてこの配管用の穴
配管用の穴の周りにパテを盛られている
どうですかこれ・・・

どうやら以前エアコンを工事した際にスリーブのつばが外れてそれを隠すためにパテ盛りしたようです。

慎重にパテをはがしてつばを外します。
配管用穴のつばを外して
スクレーパーなどでこのパテを取り除きます。

こびりついているのでちょっと手間がかかります。

元に戻して
穴のつばを元に戻して
周囲の壁に付いたパテはもう取れません。

一方エアコン本体は
取り外され運ばれてきたエアコン室内機
いかにも下請け業者さんの施工ですね。

室内機と室外機を結ぶ電線が付いたままです。電線の接続が信用できないのでつなぎ直します。

据付板を外すと
冷媒管接続部がテープ止め
冷媒管の接続部がテープ止めされてます。

これをしてはいけないことを知らないんですね。残留しているオイルとテープの粘着剤が混じって接続部のシール面に固着しガス漏れの原因になります。

今回は短期間だったようでオイルを付けてこすったら取れましたが、固まってしまうと簡単には取れません。

この部分はオイルで劣化しないキャップを付けたほうが確実です。

据付板にはオイルがべっとり
据付板に漏れ出したオイルがべっとり
大量に出てます。

周囲もあちこちにオイルが付いています。軍手もオイルがしみ込んでくるほど。

このオイルは冷媒ガスと一緒に循環している(というかしてしまう)コンプレッサーの焼き付き防止やシールとなる潤滑油です。

こりゃほとんど予備運転などせずいきなりポンプダウン(室外機にガス回収)してますね。

さて電線は・・・
室内外連絡線が1.6mm
おっと1.6mm(テンロク)

いまどき1.6mmを使う業者がいたとは珍しい。いまでは量販店ですら2.0mmを使用するところがほとんどです。

以前このエアコンメーカーは2.0mm指定だったのですが、現在では長さが10m以内(未満かな?)であれば1.6mmも使用可能となりました。
そのことについてメーカー技術部に確認したところ、あくまでも基本は2.0mmを使用すること。1.6mmはどうしてもやむを得ない場合に使用可。と返答をいただいています。

ただしこの見解はメーカーごとにまちまちで断熱材に直に接してテーピングされる条件下では電線(ケーブル)の温度係数による許容電流の低下などを考慮すると2.0mmを使うのが妥当です。

お客さんと相談しここは2.0mmに交換することになりました。

まず不要になる電線を外します。
差しのあまい端子台
端子台のふたを開けたところですが赤だけ奥まで差さっていません。

賢い方はなぜこうなっているのか想像できると思いますが、3本の心線を同じ長さで切断してあるので端子台に合わせてその線を放射状に広げると相対して真ん中の白だけ長くなって左右の2本は短くなるためです。

こういうところが信用できないのでつなぎ直す必要があります。
(今回はどのみち2.0mmに交換なのでつなぎ直しです)

2.0mmの電線でつなぎ直しました。
2.0mmの電線で端子台に接続
端子台の幅に合わせて電線を曲げてから3本の長さを合わせて切断、皮むきしているのでしっかり接続できます。

この後室内機を引っかけてからパイプの加工を行います。

パイプは断熱材がさけてます。
パイプの断熱材がさけている
取り外しの時にテープを巻き取るのが面倒なのでカッターナイフで切り裂いた跡です。

これが下請け業者さんにやたらと多い。こういう工事が当たり前と思っています。

フレア加工をしようとするとまたオイルがでるわでるわ。こちらのフレアツールまでオイルが垂れてきます。

オイルをふきふきしながらなんとか室内機と接続完了して外壁の配管作業へ・・・

と思ったらパイプに手を添えた瞬間、嫌な手ごたえが・・・
パイプが折れていた
パイプが折れてました。

これ以上曲げようとするとポッキリいきます。

これ、専門業者なら取り外すときに普通は気が付きますよ。
修正不能なのでパイプを切断して室内機の接続からやり直しです。

ほかも折れているところがないか一通り確認しました。とりあえず無事。

パイプの長さが短くなり、室外機の位置がご希望とはずれましたが使用することはできました。

室外機の接続準備に入ります。

やっぱりこちらもテープ止め
室外機のバルブがテープ止め
これもさっきと同じで粘着剤が固着したり、テープがはがれてむき出しになったりするのでだめなんですよね。

接続し終わって真空引きまで完了。

サービスポートからホースを外すと
バルブコア不良
このバルブコアと呼ばれる逆止弁の不良でガスが漏れています。

まだバルブは完全に開けてないので漏れ出る量はわずかでガス不足にはなりませんが。

サービスポートのキャップの内側を見ると
キャップの内側にもオイル
ここにもオイルがあります。

ということは以前からバルブコアがだめになっていたということです。

この場合、キャップを強く締めても微量にガス漏れしてしまうことがあるのでバルブコアを交換するほかありません。

車へ行って探しましたが切らしていました。滅多に使う部品ではありませんからね。
仕方ないので資材店へGO。

その前にコンセントを交換したのですがそれは後で。

戻って壊れたバルブコアを外しました。
不良のバルブコア
パッキンがはみ出してます。

こりゃだめだ。

新品に交換して再度真空引き
真空引き
ふぅ、ようやくここまできた。

穴のパテ埋めをして
穴のパテ埋め
先ほどのつばの周りは白色パテを使って仕上げました。

途中行ったコンセント交換・・・

これを見た時に予感がしました。
既設の100Vコンセント
アース端子がなく、いかにもエアコン屋さんが取り替えたような雰囲気を感じます。

プレートを外すとやっぱり・・・
コンセントのプレートを外したところ
案の定、アース線があります。

それなのにアース付きコンセントを取り付けていません。

電気工事士すらもっていないエアコン工事屋さんですね。なぜアース付きコンセントを付けないかというと、部品代を安くするため、そしてコンセントにアース端子がなければエアコンのアースを接続しなくて済むため一石二鳥。とんでもない発想です。

コンセントを外すと
コンセントを外したところ
はいこのとおり!

エアコン屋さんお得意のアイボリー色のビニルテープでアース線の先を絶縁しているつもりです。

"つもり"というのはこの巻き方では電気工事士は失格なので。

私はエアコン工事にはもちろんアイボリーのビニルテープを使いますが電気工事では使いません。いかにも素人っぽくなってしまうので。

コンセントの背面を見ると
コンセントの背面
はいこんどは逆接続!

接地側と非接地側が逆につながれてますね。お粗末

知らないというのはこういうもんです。検電の仕方も知らないのでしょうね。

今度はアース線もつないで
コンセントに電線接続
これでよし。

なんやかんやでコンセント完了
コンセント交換完了
このあと電圧を200Vに切り替えて絶縁抵抗測定等、必要なデータを記録しておわり。

エアコンの試運転も問題ありませんでした。

あー、やっと終わった😅
今回はいろいろあり過ぎでした。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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