リモコン受光部をテスト
先日組み立てた直流安定化電源
これを使用してエアコンのリモコンの受光部がどのように反応するか見てみようと思います。
転がっていた(⁉)富士通さんの表示基板
運転ランプやタイマーランプなどが一緒になっていて、その中に受光モジュールがあります。
リモコンから発する赤外線を受ける部分です。
エアコンのリモコンが利かなくなる症状の原因にこの受光モジュール不良ということがあるんです。
正常な場合はどのような反応をするか調べます。
プラスチックのケースから基板を取り出して受光モジュールの各極にワニグチクリップをつなぎます。
ショートしないように・・・これでよしっと。
+5Vはショートの危険があるので基板裏のつなぎやすいところを探して接続。
極性はメーカーによって違うことがあります。
安定化電源から5Vで供給します。(仕様書から電圧は確認しました)
リモコンと受光部は別のメーカーですがその辺はどうでもいいです。
オシロスコープ(以下オシロ)というものがありますが、これは波形を見るものです。
まあ、ナンチャッテオシロとでもいいましょうか、これは安物です。
エアコンの場合、本体に基板などを付けたままコンセントから電源供給してオシロをつなぐのは危険行為です。
エアコンに対地電圧(大地と電線の間にかかる電圧)がかかるので、弱電回路といえども思わぬところを回り込んでショートする危険があります。
なのでエアコンからコンセントを抜いて(今回は基板を外した状態ですが)、商用電源から絶縁された直流安定化電源などから部品へ電気を供給すれば安心。
オシロの画面を撮影してもよく見えないのでオシロ本体で保存した画像を貼ります。
まず受光モジュールの電源を切った状態です。
真ん中を水平に水色の線が見えますがこの高さが0Vで、なんの信号も入っていないことを表示しています。
では安定化電源のスイッチを入れて5Vを供給すると
水色の線が上に上がりましたね。
受光モジュールの出力からは約4Vの直流が出ました。
ちょっと見えにくいのですが点線グリッドの縦ひとマスが2Vです。
これはまだなにも受信していないのでエアコンのコンセントを差しただけの待機状態と同じです。
ではリモコンを操作してみます。"ポチッ"
デコボコとした波形が現れました。
リモコンから発せられた赤外線に反応した瞬間に4Vから0Vへ電圧が変化しています。
正常ですね。赤外線信号を電気信号に変換する、これが受光モジュールの役割です。
上の画像でオシロに表示されている時間幅はグリッド横ひとマスで0.2ms(0.2ミリセカンド=0.0002秒)です。
もう少し時間幅を長くして0.5msにすると
中央にある山(4V)の部分が長いですね。
山の長い部分と短い部分は信号の違いを表していて2進数で1とか0とかの羅列だったりします。
もっと時間幅を長くして2msにすると
だいぶ全体が見えてきました。
リモコンを操作するとこの信号で運転切替(冷房、暖房、ドライ)、温度設定、風量、風向、タイマー、その他などを一挙に受信して本体の制御基板に電気信号として送ります。
使用したリモコンではその信号の長さ約250ms(約0.25秒)。
これらを見てお気づきかと思いますが、赤外線式リモコンの受光部(エアコン、照明、テレビ、その他)は関係のない信号でも反応して制御基板へ電気信号を送り続けています。もちろん関係のない信号はスルーしています。
今回リモコンの赤外線発光部を手で覆って操作することもしましたが、受光部に近いと手を透過してほぼ完全に受信していました。距離を置くとある程度受信しますが完全な波形ではないので機器からは無視されることでしょう。
http://kato-aircon.com/
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