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2019年4月30日 (火)

エアコンのアース接続

エアコンにはアースが必要だということは皆さんご存知のことと思います。
これは"アースを付けたほうがいいですよ"という推奨の意味ではなくて法的に義務付けられています。

室内機のアース接続端子の例
室内機のアース接続端子の例
熱交換器にアース端子がある

なお、多くの室内機は熱交換器にアース線をつなぐ必要はなく、ここからあらかじめ線が延長されて室内外機を結ぶ連絡線の端子台にアース端子が付けられています。
(施工性向上と施工ミスによる水漏れ、故障の防止のため)

室外機のアース接続端子の例
室外機のアース接続端子の例
端子台そば、もしくは室外機外板部にアース接続端子があります。

でも実際には共同住宅などでアースが近くにないとか、いろいろな理由で接続できないこともあります。
そこでエアコンは設置できません、なんて言ったら真夏などは別の危険が・・・

"乾燥した場所(内線規程での定義)"にエアコンを設置する場合はアースを付けなくてもOKなのですが、一般家庭においてそのような設置条件はほぼないといっていいでしょう。

一般的に室内機は部屋の中で乾燥した場所に該当するところへ取り付けるのでアースは必要なく、室外機は屋外の雨にあたる"水気のある場所(内線規程での定義)"に取り付けるのでアースを接続しなければならない。と考えられるのではないでしょうか。

そのためアースは室外機に接続する、と思われるでしょう。

いまではエアコン専用に設けられたコンセントにアース端子(アースターミナル端子)が付いているのが普通。それを室外機まで線を延ばしてつなぐのは配線が増えて面倒です。
この場合そんなことはせず、室内機に接続して室外機にはつないでないと思います。

「えっ、どういうこと?室内機につないでも意味ないのでは?手抜き工事かよー!」と聞こえてきそうです。

いえ、これで室外機にもアースが接続されました。べつに室内機と室外機をアース線でつないだわけではありません。

どういうことかというと・・・冷媒管です。

昔からエアコンのガスが流れる冷媒管は銅管です。銅は電気を流しやすく電線も同じく銅が使われてますね。
この室内機と室外機を結んでいる冷媒管が屋内と屋外にある機器を電気的に一体化させているんです。

室内機の冷媒管接続例
室内機の冷媒管接続例
室内機の熱交換器からきた銅管と室外機へ向かう銅管が真鍮の接続部でつながっている。

室外機の冷媒管接続例
室外機の冷媒管接続例
室内機からきた銅管が室外機の真鍮製バルブに接続されている。

バルブから室外機の金属筐体や熱交換器、コンプレッサーに至るまで鉄、銅、アルミニウムなどで電気的に接続されています。

真鍮は銅よりも抵抗率が高いため比較すると電気を通しにくい性質がありますが、接続部は太く断面積が大きい(抵抗が低くなる)ので問題になりません。

アースという観点から見ると室内機と室外機は一体のものということがわかりますね。
なので室内機または室外機のどちらか片方へ接続すればすべてアースに接続されたことになります。配管された冷媒管も本体の一部ということです。

また室内機はコンセントのアース端子につないで、室外機は地面に別の接地極を埋めて双方でアースを接続することは一見完璧に思えますが、意味がありませんし思わぬ弊害が出ることもあります。
どちらか片方で接続するようにしましょう。

コンセントにアース端子がある場合はそこに接続するのが基本です。

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http://kato-aircon.com/

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