ボードアンカーさえも確実に
室内機を取り付けるときに使うボードアンカー。
ボードファスナーと呼ぶ場合もあります。
どういうものかご存知ない方はこちらもどうぞ。
壁材は防火のため木材ではなく石膏の粉を固めたようなもので出来ています。そしてそれだけでは強度が全くないので紙でサンドして形状を保っています。
エアコンの室内機を取り付ける場合、柱や合板など頑丈に固定できる部分以外は壁材である石膏ボードにボードアンカーを使用します。
わたしがボードアンカーを取り付ける場合、
まず下穴
このように細いドリルで開けてから、次にアンカーにあったドリルで穴を広げます。
いきなり太いドリルで開けてしまうと芯がずれて室内機の据付板の穴と合わなくなってしまうから。
内部に何かあるかもしれないので鋭利な刃先は使用せずしかも力を入れてはいけません。
これをドライバーでぐりぐりして開ける人がいますがダメですよ。
それほど石膏ボードというのは柔いものですが、これをやると裏側の紙が大きく破れて石膏も崩れてしまいアンカーの強度が弱くなります。
また近頃ではボードアンカーの先が鋭利なドリルになっていて電動ドライバーだけで下穴からセッティングまでできてしまうものが出てますが、これも内部に電線や稀にあるフレキシブルのガス管などが入っていると刺さってしまう危険があります。
"楽"で"速い"方法というのは見方を変えると"雑"で"危険"
「保険に入ってるから」とか「元請けや販売店が何とかしてくれる」なんて甘い考えで工事を請負ってはいけません。
おっとまた話がそれましたか?😅
この時点で内部に電線など障害がないか、ボードアンカーのネジが地付きしてしまわないか(地付きすると壁をはがそうとする力が働くので危険)、そして石膏ボードの厚みを測って最適なアンカーの長さを選定します。
条件によってネジをカットすることもあります。
そして取り付け
専用のツールを使用して壁の中でアンカーを広げてセットします。
このときも力いっぱい広げたりするとアンカーが変形してボードが崩れ保持力が低下します。
手の感覚でアンカーがどうなっているか感じ取れないといけません。
ネジを締めるときも同様に回し過ぎるとアンカーが変形します。
インパクトドライバーで締めこむなどはもってのほか。
室内機が落下してしまう事故の多くはボードアンカーの施工不良や、石膏ボードの壁に重い室内機をボードアンカーだけで取り付けてしまう安易な工事によるものです。
工事を教えてくれた師匠がそうやっていたからと何も考えずマネをしていては進歩はありません。ある程度覚えたらそれを超える方法を自身で編み出すようでなければならないと思います。
実はこれ、わたしが駆け出しのころ見習いとして工事に行った先のお客さんに「先輩のマネだけではだめだよ。自分なりの方法でそれを超えていかないと。」と言われたことの受け売りです。
30年以上経っても忘れられません。
逆にもっと楽な方向へ退化しちゃう人もいますけど・・・😅
http://kato-aircon.com/
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