真空ポンプを替えました。
当店のブログをいつもご覧いただいているかたは「え、また・・・」とお気づきかもしれません。
昨年6月より使用していたこの真空ポンプ
このポンプは音がうるさくて振動も大きいという欠点がありました。
こちらの記事で紹介しています。
一応メーカーさんに問い合わせると「2ポールモーターなのである程度は仕方ない」と返事をいただきました。
2ポールモーターというのは電動機の極数のことで大きなポンプになると4極(4ポール)となり同じ電源周波数でも回転数が半分となって音が静かになります。
ある程度の音はやむを得ないと思っていますが、このポンプははっきり言って近所迷惑なレベル。
真空引きを始めると「ガーーー!!!、ブーーー!!!、ブオン、ブオン、ブオン・・・・・」、なんだなんだどうしたとお客さんが見に来る始末。
べつに現場で“ボク真空引きしてます”なんてアピールは必要ありません。
夜寝ながらふと考えて買い替えを決めました。
購入した真空ポンプ
アサダの1.8CFM・Eco。やっぱりこのポンプに回帰。
というのも去年ポンプを買い替える前まで使っていたものと同じです。
同じ2ポールモーターでも音が静かで振動も小さい。
今回はアマゾンではなく、いつもの資材店で取寄せてもらいました。
5HP(馬力)まで対応。
エアコンの馬力?ってなりますよね。昔から業務用エアコンは馬力で冷房能力を表すことが多いのですが、1HPは冷房能力2.8kW(ルームエアコンだと10畳用)。したがって5HPは14kWです。
ルームエアコンには十分すぎるポンプ能力です。
2ポールモーター
真空度25ミクロン
問題ありません。
排気速度は電源周波数60Hz(ヘルツ)地域で50l/min(毎分50リットル)。50Hzだと42l/min。
周波数によってモーター回転数が決まるので50リットルに5/6(50/60[Hz])を掛けた値。
これだけ小型でこの速度は立派なものです。
いままでのは重くて(6.5㎏)しかも持ち手のハンドルがプラでのっぺりしていて滑る。以前同じものを使ったときは滑って落とし壊れて処分しました。
新しいほうは鉄パイプにゴムハンドルなので落とす心配がありません。
もちろん2ステージポンプ(ポンプが内部で2段)
やはり新冷媒R32ともなると真空の質も高くないと・・・いえいえ違います。
前回の記事でも触れましたがR32にはわずかですが燃性があります。そこにスイッチング始動回路の付いたモーターは火花で引火の可能性もあるためです。
“コンデンサモータ採用”などと書かれていることもありますが、同じコンデンサモーターでもスイッチング回路のあるもの(コンデンサ始動形)も存在するので、おそらくは“コンデンサ運転形単相誘導モータ”のことを指しているのではと思います。
どうでもいいか。
オイルはメーカーによって粘度が異なり、アサダさんはトロッとして少し粘りがある感じ。タスコさんのは水みたいにサラサラです。
以前使っていた同じポンプを点検調整に出すか迷って取ってあったので
並べてみました。
まったく同じです。
でも中身は仕様変更されています。
古いほうはこのポンプの初期型ですがモーターの始動性がよくない。冬の寒い日は一回のスイッチオンで回らず、入れ直すとゆっくり回り始めるという感じでした。
これはオイルが硬くなることが主な原因です。なので始動時は必ず無負荷(大気を吸わす)にしていました。
新しいほうはカタログに「新型モータで低温・低電圧時の能力強化」となって、試運転したところ確かに改善されてました。
うん、これは心強い。
この画像見て「針が動いてないじゃん。」と思った方、この真空計はゼロ(大気圧)が右側で今指しているのは-0.1MPa。真空到達(ポンプ能力の真空到達度)です。
ポンプの振動で針がブレることもなし。
やっぱりこれだなー。
価格も安くてこの能力と静粛性。多少オイルの入手性に難はありますがそれを吹っ切るほどの安心感。
この真空ポンプは傑作だと思います。
一方、うるさいポンプはムリしてガンバってる感が半端ないですから。壊れるんじゃないかと心配になるし音で疲労が増します。
うるさいほうは処分せずに汚れの多い配管用(古いシステム、配管など)に使おうかなと思います。
http://kato-aircon.com/
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