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2018年10月12日 (金)

パイプ補修と思ったら大事に(2)

前回に引き続き修理を行っていきます。

パイプが2ヶ所折れている部分を切断撤去し、新しい銅管を用いて曲げ加工。
銅管をベンダー加工
手曲げでは大変なのでパイプベンダーを使用しました。

とくに雨樋をかわす部分は手曲げでは確実に折れます。

寸法や曲げ方向を間違えないように他のパイプとの並びを頭でイメージしながら行います。
失敗すると再加工できないため高価な材料が無駄になっちゃいます。

使用したベンダーは
使用したパイプベンダー
先日購入したばかりの新品です。

このベンダーはこちらで紹介しました。

加工したパイプを溶接接続します。
銅管を溶接接続
配管化粧カバーは下にずらしました。排水勾配が不十分で逆勾配のところがあったのでそれを直すため。

壁の塗装のはがれているところはシール材を塗布しました。もうすぐ建物の塗装をするそうなので見た目は問題ありません。

溶接作業はすぐに終わるのですが準備に時間がかかります。可燃性ガス(ブタンガス)、支燃性ガス(酸素)、窒素、各種ホース類、各種レギュレーター、拡管器(スウェージング)、水バケツ等。

そして溶接の温度が高いので管には冷めていく段階でススが付きます。
外側は問題ありませんが管の内側はできるだけきれいな状態に保つため窒素置換しました。
今回窒素を使ったのはこのためです。

ススは管内を窒素で満たせば防ぐことができます。(窒素ブローとも言います)

写真撮影は忘れてました。

たいへんだったのはこっち
銅管溶接
お隣との間隔が少なく外部から梯子でアクセスできません。

お隣に許可をとっていただき梯子をかけて右足だけのせて、ベランダの手すりに腰かけ身を乗り出す態勢で溶接しました。

ムリな姿勢で溶接し始めたら股関節が痛くなって途中で中断。 一度下りて足を伸ばしてから再開し今度は完了。
運動不足です。

溶接時パイプの裏側は見えず勘で付けてるので
鏡で裏側の溶接を確認
ロウののり具合を鏡で確認。

バッチリです。

溶接の時は火炎で周囲を焼いたり断熱材を溶かしたりしないように濡れ雑巾で養生して作業しています。

断熱材をかけてテーピング。
断熱材をかけてテーピングしたところ
ドレンホースも耐候性のものに取り替えました。

取り付けられている配管化粧カバーは紫外線に弱いようで劣化がかなり進んでいます。ジャバラのカバーを交換してもまたすぐ劣化するので今回はテープ仕上げにしました。

このほうが劣化してもテープなので補修が簡単です。

外したカバーをかけて
配管補修完了
補修完了です。

右側面も
補修完了、右側面
こうなりました。

カバーの端末はパテ埋めしました。

地上から見ると
地上から見上げたパイプ
こんな感じの仕上がりです。

真空引きなど諸々の作業が終わり試運転。

修理前の温度測定は吸い込み22℃→吹き出し13℃=9℃差。
修理後は吸い込み24℃→吹き出し12℃=12℃差。

同じ設定温度、風量で測定していますので能力が向上しました。

立ち上がりも速くなって潰れていた銅管からの“シュー”という冷媒通過音も消えました。

配管化粧カバーに隠された施工不良。
はじめは断熱材やドレンホースを補修すればOKと思っていたものがとんでもないことになってしまいました。

冷媒管の潰れはエアコンの能力を低下させるだけでなく、コンプレッサーが過熱運転になったりオイルの劣化を早めたりと本体の寿命を縮める恐れもあります。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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