パイプ補修と思ったら大事に(1)
川崎市多摩区でパイプのカバーや断熱材がボロボロになって水が途中から垂れているので直してほしいとの依頼をいただきました。(他業者施工)
まずは点検して修理方法や費用を検討します。
エアコンが設置されたときはここに配管化粧カバーのジャバラ部材が被せてあったのですが日光の紫外線で崩れてほとんどありません。
銅管の断熱材も伸縮性がなくなりボソボソ。手で触ると粉になって飛んでいきます。
ドレンホースも耐候性のない部材が使用されていたので切れています。
ここは2階のベランダで階下に水が垂れるため切れたホースをビニールひもでしばってありました。
このような状態になっても電線だけはVVFケーブルのためほとんど劣化しません。
雨樋をかわすためにこの部分を自由に曲げることができるジャバラの配管化粧カバーが使用されていました。
簡単に言えば折れて潰れています。
これでは冷媒ガスの流量が減って圧力も落ちます。
このエアコンは冷房能力が7.1kWありますが、ヒートポンプサイクルのバランスが崩れ設置からいままで能力が出きらない状態が続いていたと推測できます。
それでも運転できていたのは現代のエアコンはインバーター制御や膨張弁による冷媒の流量制御などで許容範囲が広くなっていることもひとつの理由と思います。
この時点では施工した人がジャバラの配管化粧カバーをかぶせた後にパイプを曲げたことにより銅管が折れたことに気付かなかったのだろうと思っていました。
パイプをテープなどでまとめた後で曲げることは折れやすいので普通はしません。
特に今回のような7.1kWクラスになると銅管も太く少しでも無理に曲げようとすると折れてしまいます。
ルームエアコンの冷房能力6.3kW以上と5.6kW以下のガス管側銅管サイズ
銅管が太くなるほど曲げ半径を大きくしないと折れてしまいます。そのためφ12.7mmでの手曲げは注意が必要で場合によって工具を使ったベンダー曲げをすることがあります。
これより太いφ15.88mmからは手では曲げ半径が大きくなりすぎるのでベンダー曲げが基本です。
さすがに細い管(φ6.35mm)を手曲げで折ってしまうマヌケな工事人はそうそういません。
とにかくこのままでは冷暖房能力も落ちますし、エアコン本体にも負担がかかりよくありません。
見積もりを出してお客さんより修理の依頼をいただきました。
― 後日 ―
台風や雨が続いて延期などもありましたが修理開始です。
ドレンの勾配不足もあったので配管化粧カバーの設置位置を調整しようと開けたところ、
ここも折れてる
見ればすぐに折れているとわかります。
これ工事した人だいじょうぶなんでしょうか?折れたことに気付いていて知らんぷりとか・・・
大手量販店で購入されたそうですが、それでも工事に来るのは結局個人の請負業者ですからね。
まあこの部分も銅管を取り替えるつもりだったので問題ありませんが。
この部分を切り取ったものがこちら
付いていた時とは裏返しですね
折れるとこのように潰れて管内の断面積が小さくなります。
続きは次回。
http://kato-aircon.com/
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