室外機応答せず、基板交換
室内機のランプが点滅してエラーコードを表示して室外機が動かないと依頼をいただきました。
(東京都大田区にて)
エラーはシリアル信号系(室内機と室外機の通信)の異常とのこと。
現地に到着してエラーを確認後点検します。
アナログとデジタルのテスターを用意しました。
デジタルテスターはレンジや極性を間違えても壊れることなく読み間違えも少ないので楽なのですが、シリアルのようにはげしく変化する信号にはあまり向きません。
シリアルはエアコンメーカーによって信号がことなりアナログテスターでなければ分からない場合もあります。
デジタルテスターを使う場合でもレンジを固定し(オートレンジではだめ)数字ではなくスケール表示付きでしかも時間的な分解能(サンプリング周期)の高いものが必要です。
またオシロスコープという波形を見られる計器が簡単に使用できればよいのですがエアコンには対地電圧がかかっているので危険です。
調査の結果は
室内機から「室外機へ100V給電、冷房で運転開始して!」
室外機「・・・・・・」無応答、無反応
室内機「あれ、室外機が居ないよ。エラー表示開始!」
とこんな感じ。実際は出ていない信号を出ていないと判断するのは難しいところがあり、本来はこうであろうと推測する部分もあります。
室外機基板からの応答がないと判断しました。
この基板が壊れています。
修理費用をお客さんに提示して基板交換することになりました。
室外機のカバー類を取り外して
基板交換できる程度まで開けて壊れた基板を撤去します。
こちらが新しい基板
パワーモジュールとダイオードスタックは電流が多く流れ、熱を発する部品なので本体側のアルミの放熱器に固定します。
固定前に放熱用グリスを塗るのですが取寄せた基板には付属してなかったので現地調達です。
この放熱用シリコングリスは作業車に積んであるのであわてることはありません。
基板を固定したら配線類をすべて接続します。
この基板はいろいろなリードが長く付いていてコンプレッサーへも直接接続するようになっています。
コンプレッサーのターミナル端子は接続の色分けが表示されていないことが多いので外す前にきちんとメモしておかないと逆回転して壊してしまう恐れがあります。
基板上に接続されるコネクタもすべて差し込んで
これで基板交換作業は完了です。
自身が工事したのではないので気にすることもないかもしれませんが・・・
しかしこの電線、メーカー指定は2.0mmなのに1.6mmで施工されてます。
お客さんにはこのことを伝えておきました。
カバーをもとに戻し絶縁抵抗を測定して試運転。
動作に問題なく、冷えるようになりました。
http://kato-aircon.com/
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