エアコンの銅管はなに?
エアコンの室外機をよく見るとパイプが2本に分かれてつながっているのが確認できます。
この画像は室外機のカバーを外してある状態ですが金色のバルブ部分に上下2本のパイプがつながっています。
中身は銅管ですが、断熱材が被せられていて更にテープを巻いてあります。
銅管の内側には冷媒(フロン類=一般にフロンガスと呼ばれています)が室外機と室内機を循環して熱を運び冷暖房をします。それをおこなうため往き還りで2本となっています。
太さが異なっていますね。
この太さの違いは工事で接続を間違えないことに寄与していますがそれが目的ではありません。冷媒の往きと還りでは状態が異なるためです。
別の呼び名で細いほうを“細管(ほそかん)”または“液管”、太いほうを“太管(ふとかん)”または“ガス管”ともいいますが、細いほうは液に近く、太いほうにはガスに近い状態の冷媒が流れます。
冷媒が液状とガス状とに変化しそれを効率よく搬送しヒートポンプサイクルのバランスを保つために太さが異なっています。
冷房時は液管側から室内機へ向かい、ガス管側で戻ります。逆に暖房時はガス管側から室内機へ向かい、液管側で戻ります。
たまに液管側を“高圧”、ガス管側を“低圧”と呼ぶ人もいますが現在では正しくありません。
昔のクーラーはキャピラリーチューブという冷媒を減圧膨張をさせる機構が室内機に装着されていたため液管が高圧、ガス管が低圧だったことのなごりです。
そのため昔のクーラーは室内機に向かう液管側は冷房なのに暖かくなっていました。
現在のルームエアコンでは減圧膨張させる機構が室外機内に付けられているため、冷房時は両方とも低圧で冷たく、暖房時は両方とも高圧で暖かくなります。
管内の圧力は気温などに大きく左右されますが、冷房時は停止時に比べ低くなり暖房時は高くなります。
特に暖房時は3MPa(30kg/c㎡)程度と高く、フィルターが汚れていると4MPaを超えて非常に高くなります。そのため施工にはそれらの圧力に耐えられる確実性を求められます。
http://kato-aircon.com/
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