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2018年3月 5日 (月)

電圧降下による無駄なエネルギー

以前こちらでエアコンの配線で起こる電圧降下についてふれましたが、今回はほぼ同じ条件でどの程度のエネルギー(熱量)が無駄になっているのかみてみます。

前回はエアコン最大電流20Aのときブレーカーから10mの屋内配線を通過し、室内機を経由、そこからさらに10mの渡り配線を通って室外機に到達したとき電線上には約4.39V加わっていました。

そしてその分の電気(電力約87.8W)は電線で熱に代わって無駄に放出されるところまで書きました。

なおこの無駄な電力はちゃんと電力計で測られて電気代として請求されます。

では条件を最大電流である20Aが流れるのは運転開始後コンプレッサーが最大回転数となる10分間としてその間の熱量を計算してみます。

また約87.8Wでは計算しにくいので少なめの80Wちょうどでおこないます。

まずは80Wで10分間電気を使用した時の熱量H[J]を求めます。
熱量の単位[J]はジュールと読みます。昔これを考えたジュールさんの名前です。単位に人の名前をつけるというのは日本人にはあまりない感覚ですね。与作さんが発見していたら[ヨサーク]でしょうか。

P(電力)は80W、時間は10分間ですが秒に換算し600秒(s)で
180305_01
48000[J]となりました。

48000[J]ではどれくらいの熱量なのかよくわかりませんね。

カロリー[cal]ならお馴染みだと思いますので換算します。
180305_02
11520[cal]となりました。

1[cal]は1気圧(ほぼ大気圧)のもとで水1cc(1g)を1℃上昇させることができる熱量です。

そこでこの放熱された熱量を使って20℃の水を100℃まで上昇させる場合、何ccの水が加熱できるか計算します。

180305_03
答えは144cc

コーヒー一杯分に相当する量の水を沸騰させることができる熱量であることがわかりました。

10分間でこれだけの熱量を電線から出しています。そしてこれも消費電力として電気代を払っているのです。

エアコンのコンプレッサーの回転が落ちて電流が少なくなればその二乗に比例して電線での電力消費と熱量は減りますが電流がゼロになるまでなくなることはありません。

エアコンのように電力消費の大きい機器の電線はできるだけ太く短くするのがよいのです。

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http://kato-aircon.com/

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