懐かしいバルブ
室外機のバルブです。
上のバルブは二方弁、下は三方弁といいます。
この画像の三方弁を見て「オッ」と思われたかたは昔からエアコンに携わっているのでしょう。
三方弁は室外機本体と室内機に向かう銅管接続部、それとサービスポート(真空引き、ガスチャージ、圧力測定等をおこなう)の三方向に流れます。バルブの開閉はスピンドル部(六角レンチ)で行います。
バルブが、
・全閉時には室外機側は遮断され室内機側とサービスポートの間だけ開きます。(緑線)
・全開または中間の位置では三方向すべてが開きます。(赤線)
中間の位置では開度が少ないため流量も減りますので中間の位置では使用しません。
サービスポートは室外機側、室内機側の両方もしくは室内機側と常時開いているのでこのままではキャップを外すとガスが放出してしまいます。そのため中にバルブコア(逆止弁のようなもの)が付いていて気密を保っています。
保守用のチャージングホースにはバルブコアを押す機構が付いていますのでホースを接続するだけでサービスポートは開きます。
バルブコアが出てきました。
自動車のタイヤの空気を入れるところとそっくりです。自転車でいえば米式バルブですかね。先端のピンを押すと開きます。
このタイプの三方弁の特徴として、
室内機側の接続口とサービスポートが一直線上についています。
手前側に見えているサービスポートにはバルブコアは付いていません。使い方を知らないとガスが漏れてあわてて右往左往することになります。
バルブが、
・全閉の時は室内機側とサービスポートのみつながります。(緑線)
・中間の時は三方向すべてがつながります。(黄色線)
・全開の時は室内機側と室外機側のみつながります。(赤線)
室内機側だけ真空引きやガスチャージする際にはバルブは全閉し、室外機もまとめて行う場合は中間位置。そしてガス圧計測は全開位置から少しだけ閉める(少しだけサービスポートを開く)といった具合です。
通常使用時はもちろん全開です。
いまではなかなか目にすることのなくなったバルブです。
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