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2017年10月26日 (木)

真空ポンプとは

真空ポンプはエアコンなどの冷媒サイクルの中をできる限り冷媒ガスだけで満たすようにするため空気や水分を抜き取る真空引き作業に使う工具です。

ちなみに完全な真空状態(絶対真空)にするのは不可能です。

現在当店で使用している真空ポンプは、
Img_0777t
少し上の角度から
Img_0776t
こちらを使用しています。

中央付近にある縦に黒く帯状になっているところより左がポンプ部で右はモーターになっています。

このポンプは小型で軽量、高真空を得られ排気速度も速い優れものです。

高真空(真空度が高い)なのは内部でポンプが2コ直列につながっているツーステージだからです。

当店が開業してから5台目のポンプとなり、これまですべてツーステージポンプを使用しています。

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各部の働きは、

正面から見て、
Img_0778t
オイル確認窓とオイルドレン口があります。

確認窓はオイルの量や汚れ、劣化具合が確認できます。真空引き中にオイルが増えてしまったときはエアコン側の冷凍機油(コンプレッサーオイル)や水を吸い込んで混ざった可能性が高いのでオイル交換が必要です。

オイルのドレン口は古いオイルを排出するところです。

上へ行くと、
Img_0779t
黒いキャップがあります。

このキャップは排気口を兼ねていて、ポンプを運転するとキャップの下から排気されます。

またキャップを外すと、
Img_0780t
ここから新しい真空ポンプオイルを注入できます。

キャップの横に黒い物体があります。
Img_0782t
逆流防止の電磁弁です。

この電磁弁は真空ポンプの電源が不意に切れた時、真空ポンプオイルが大気圧に押されてエアコンなどの冷媒サイクルへ流れ込まないように閉じるもので、冷媒がR410A(新冷媒)に替わったときから採用されています。

万一、冷媒サイクル内へ真空ポンプオイルが混入するとエアコン本体の故障につながりますので、それを未然に防止します。

次はエアコン側とつなぐ吸入ポートです。
Img_0783t
1/4インチと5/16インチの二つが付いています。

1/4インチのポートは新冷媒に替わる以前('90年代末頃まで)に主に使用されていたフロンガスR22用やR12用などのホースがつながるようになっています。現在ではほぼ使用しませんので当店では真空ゲージを接続するために使用しています。

5/16インチのポートは新冷媒用(R410AやR32など)のホースがつながるようになっていて現在では主にこちらを使用します。

どちらも使用しないときはホコリなどが入らないようにキャップが付いています。

ポンプの背面側は、
Img_0786t
ガードの中にファンが入っています。

こちらのファンはポンプを運転するとモーターとダイレクトに接続されていて回転します。真空ポンプは運転中高温になりますのでファンで送風して冷却します。
Img_0787t
このように風が流れます。

ポンプによってはファンが付いていない機種もあります。

銘板
Img_0785t
定格が書かれています。

このようなモーターは地域の周波数(50Hz/60Hz)によって回転数がことなりますので、当然のことながらポンプの排気速度も変わってきます。関東はご存知の通り50Hzですので毎分2880回転し42リットル引けます。60Hz地域では毎分3440回転し50リットル引けます。

60Hz地域のほうが効率が良く、冬季のポンプ始動性(寒いと回りにくい)も良いのではないかと思います。しかし逆に夏は過熱しやすくなりますのでどちらが良いとも言えません。

この小型軽量の真空ポンプでもルームエアコンはもちろん、5HP(=14kW)程度まで対応しているようです。(メーカースペック)

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日本の真空ポンプメーカーで有名なのは”ULVAC(アルバック)”というところで昔は真空機工という名前だったと思います。当店の倉庫にも1台しまってありますが非常に良いポンプです。音は静かで始動性も良く昔ながらのMADE IN JAPANという感じで安心感が違います。ポンプ部はULVACでモーターはパナソニックです。ただポンプオイルの入手性と価格面で使用を断念しました。

私の知る限り昔は真空ポンプと言えば皆ULVACを使っていましたが、エアコン業界では見かけなくなりました。

ULVACさんがエアコン業界に力を入れてくれると倉庫にしまってあるポンプが復活できるのですが・・・。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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