ドレンの勾配をとる。
エアコン工事を行っていて難しいと思えることのひとつにドレン勾配があります。
(川崎市川崎区にておこなった工事での部分的な記録です。)
古くなったエアコンを取り替えるとのことで依頼をいただき、作業前のお客さまの話では窓を閉めて換気扇を回すと「ポコポコ」と音がしていたとのことでした。いままでは窓を開けるなどして対処していたそうです。
気密性の高いマンションなどではよくあることで、エアコンの排水をするドレンホース内の水がはじけて室内機から音が聞こえてくる現象です。
工事開始でまずは古いエアコンを撤去していきますが、作業に没頭して写真は撮っていません。
しかしドレンホースには水が溜まっていて音がしていたことは明らかでした。
ドレン勾配がとれておらずホース内に水が溜まっていると、窓を閉めて換気扇を回すことでエアコンを止めてもずっと「ポコポコ」と音がし続けて気になります。
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取り外し作業もおわり今度は取り付け作業です。
こちらのマンションは少し特殊な造りで、室内機からのパイプは一旦梁型のように出ているスペースの中を通り、途中の穴から露出配管になります。室内の露出部分は配管化粧カバーが取り付けられていたのでそのまま再利用します。
空間内部でドレンホースがたるんで水溜りができないように塩ビ管を入れました。
スペース内で作業ができれば冷媒管などで支持できますが、点検口が小さく頭もうまく入りません。文字通り”点検口”です。(作業不能)
冷媒管を通したら室内機を引っかけてパイプを接続します。
塩ビ管にドレンホースを差し込みます。この塩ビ管は直接水を流すのではなく、ドレンホースのサヤ管として使用します。
ドレンの勾配が取れているか水平器で確認します。十分です。
パイプは室内で床上50㎝程度まで下がってから横引きして穴より外側へ出ますが、その横引き部分の配管化粧カバーは水平に取り付けられていますので内部で勾配を取るようにします。
パイプが下がってきて横引きになる部分でドレンホースを一番上にして、横引きでひねりを入れて少しずつ下がるように勾配を取ります。テーピングでずれないようにします。
穴の屋外側へ出るまで勾配をとります。
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仕上がった状態での写真も撮り忘れてありません。
取り付け工事もおわり、試運転では室内機より注水しその後自然排水が始まるまで冷房運転をしました。
窓を閉め切って換気扇を強く回してもらいましたが「ポコポコ」音は出なくなりました。
お客さまはこれまで音が出るものだと思われていたそうです。
勾配を取ることで「ポコポコ」音を止めることができる場合が多くあります。
しかし横引きが長かったり換気扇が非常に強力な場合、また条件によってはどうしても音が出てしまうこともあります。そのような場合は逆止弁を取り付ける方法もあります。
逆止弁はメンテナンスが必要になりますので安易に取り付けるのではなく最終手段として用いるのがよいかと思います。
http://kato-aircon.com/
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