無意味な設定温度の論争
毎年夏になると”エアコンの設定温度は○○℃が最適”とか記事になっているのを見かけるようになります。
”うちは27℃”、”いやそれじゃ暑い、うちは25℃”と話題にもでることがあるかもしれません。
エアコンの設定温度での論争はナンセンスだと思います。というのも室温は設定温度の通りにならないためです。
多くのエアコンでは温度を室内機に付いているセンサーで感知し、室内機の制御基板につながって温度を測定します。センサーで測定された温度はほぼ正確です。
しかしそれはセンサー部分の温度であって室温がその通りになっているとは限りません。エアコンの汚れ具合、風量、部屋の形状、設置されている位置や高さなどにより室温とはズレが生じます。
また同じメーカーでも機種ごとによって構造の違いから設定温度が同じでも室温が異なります。
このようなことから設定温度と室温が2~3℃ずれてしまうことはよくあることです。
宅内でこの部屋に付いている機種はよく効くけれども、隣の部屋に付いている機種は同じ設定でもあまり効かないので物が悪いと思われることもあるかもしれませんが、この設定温度とのズレが原因である場合が多々あります。
設定温度は一応の希望温度で、正確に室温設定をしたい場合は室内に温度計を置いて確認する方法があります。おそらくエアコンの設定温度とは異なっていることでしょう。中には正確な場合もありますが。
また人の感覚も大切です。”空調”という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、エアコンもその空調機の一種です。空調は”空気(温度)の調節”という意味ではなく”空気の調和”を略したものです。暑いのに無理して世間で言われる設定温度にこだわる必要はありません。
温度設定は昼間と夜、また活動時と就寝時でも体感温度が変化するため換える必要が出てきます。
一定の設定温度で過ごすのではなく、暑いと感じたら1℃下げる、寒いと感じたら1℃上げるというようにコントロールして快適な温度を見つけると良いと思います。
たまに3℃も4℃も上げ下げする方がいますが室温が乱高下して不快となります。エアコンは設定温度の風を吹き出すのではなく、冷房の場合では吸い込み温度より8~15℃程度低い風を吹き出しています。そして吸い込み温度が設定温度に近づくと徐々に能力を弱めていって一定の室温を保とうとします。
公共の建物では”冷房温度は省エネ28℃”としているところもあるようですが、設定温度ではなく室温(温度計)で設定をしなければ環境によっては30℃を超えてしまうこともあります。
このようにあくまでも設定温度は目安にしかなりません。
http://kato-aircon.com/
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