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2017年8月28日 (月)

フィルター自動掃除機能の実態

エアコンの効きが悪いとの依頼を受けて出動しました。(横浜市港北区)

 

依頼内容は”エアコンを引っ越し業者で移設してから効きがイマイチよくない”、”数年前から効きが悪いが今年は特に効きが悪くなった”、”煙が室内機から出てきた”という内容のものでした。

 

早速訪問して冷房運転をしてみます。リモコンの温度が23℃に設定されていて冷房が効かないため下げたそうです。

 

まずは室外機を確認。回り始めから戻り側の管が冷えてきました(普通は冷えるまでしばらく時間がかかります)。室内機の汚れかなと思い、椅子をお借りして吹き出し口に手をかざしてみると、”ポッ、ポッ”と一部分から風が出ているだけになっていました。

 

フィルターを見てみると
Img_0470t1

 

アップでは
Img_0470t2

 

こういうフィルターではありませんので(念のため)

 

これはフィルター自動掃除機能付きのエアコンでよくある詰まりかたで細かいメッシュにブラッシングなどでホコリがすり込まれてしまう症状です。

 

なぜこのようになるかというと、あるメーカーが自動掃除機能付きエアコンを発売したときのキャッチコピーに”10年間手間いらず”と言ったことや、売り文句に”エアコンが自分でフィルターを掃除してくれます!”といって販売するため、ユーザーは”掃除しなくていいもの”と思ってしまうためです。

 

自動掃除機能は、自身の手で掃除する頻度は減らせてもやはり人が手入れをしなければならないという、まやかしのようなものです。

 

このような機能の付いていないエアコンでは効きが悪いと感じたときに「フィルターが汚れてるかな」とユーザーが確認しますが、自動掃除機能が付いていることによりそれをしなくなります。フィルター詰りによる不具合で点検依頼が増加しているのもこれが原因になっています。

 

効きが悪くなるだけであればまだ良いですが、最悪は冷媒サイクルを壊し重修理(高額)を要する故障になることもあります。

 

室内機から出てきた煙は、無臭だったそうなので風量低下で熱交換器が凍ってドライアイスの煙のように空気中の水分が白く見えたものです。

 

エアコン本体は
Img_0472t

 

フィルターが詰まることにより室内機のありとあらゆる隙間から吸気をするようになってしまうためホコリで詰まります。

 

このような状態でエアコンをかけると室内機の内部だけがリモコンの設定温度に到達して部屋が冷えたと判断し、室外機が止まって室内は暑いままとなります。そのため設定温度をいくら下げても部屋は冷えません。

 

掃除機をお借りし室内機のホコリを吸い取っている間にフィルターを洗っていただきました。
Img_0473t1

 

フィルターは見通しが効くくらいきれいになりました。

 

アップで
Img_0473t2

 

奥に見える熱交換器はほとんど汚れいていません。風も安定して吹き出すようになりました。

 

ファンには少しホコリが積もり始めていますので多少の風量低下はあるかもしれません。
Img_0474t
でもそれほど問題になることはなさそうです。

 

エアコンの状態を確認します。

 

圧力測定(低圧)
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バルブ部温度測定
往き側
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戻り側
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少し膨張弁が開き気味かなとも思いますが、こういうエアコンのコントロール(プログラム)かもしれません。

 

室内機温度測定
吸い込み
Img_0479t

 

吹き出し
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問題ないでしょう。部屋も冷えてきました。

 

このような自動掃除機能はデメリットが多いので耳触りのいい宣伝はやめてもらいたいものです。

 

無駄な機能は削ってその分を安くしたり、他の重要な部分へ注力したほうが良いように思えます。

 

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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