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2017年8月25日 (金)

エアコンが取り付けられる家を選ぶ時代?

 毎年続々と新製品が発売されるエアコンですが、上位機種の高機能なものは質量が重く取り付けられる条件がある程度限定されてきます。

 YouTubeなどで昔のCMを集めた動画がアップされていて、当時は薄くてインテリアの邪魔にならないものが多く出ていました。

 近頃のエアコンはどうでしょう。高機能を追求し本体は厚く重いものが主流となりつつあります。

 テレビなどの薄いものであればある程度重量があっても壁への負担は小さく落ちるような心配も少ないのですが、エアコンのように厚みがあると止めてあるネジ類を引き抜こうとする力も大きく、落下する危険が高くなります。

 まして本体の高さよりも奥行きのほうが長いものは、より危険性が高まっています。

 建てたばかりの新築であれば石膏ボードもまだ柔軟性もあり、傷もないため大丈夫かもしれませんが、古くなった石膏ボードでは湿り気を帯びたり乾燥したりを繰り返すうちに強度も弱くなってきます。
 特にエアコン入れ替え工事ともなれば既に壁にはネジ類の穴があってその部分の強度はありません。

 石膏ボード・・・石膏を紙で包んだ板。室内の壁材に使用されています。

 エアコンの設計者は日本の家屋の現状が分かっていないのでしょうか。ネットなどでエアコンの落下事故を調べるとたくさんヒットしますのでわかりそうなものですがどうなんでしょう。

 私の感覚からすると考えられない設計です。エアコン工事に行って本体が重すぎて壁がもたないとの判断になれば工事を中止せざるをえません。
 無理して付けてしまえばエアコンの寿命を迎えるのが先か、本体が落ちるのが先かということになります。

 もちろん私は安全な方法がなく危険と判断した場合、取り付け工事は中止しています。

 本来は他に何事もなければずっと落ちないのが当たり前ですが、現実に落下事故は増えていると思います。
 室内機が落ちると家財や壁にキズを付けたり穴を開けたり、人に当たれば打ちどころが悪いと首の骨が折れてしまうことも想像できます。

 たとえ石膏ボードの裏が板などで補強されていたとしても、中にはその板ごと剥がれて落ちているケースもありますので安心はできません。

 落ちなくとも石膏ボードは荷重をかけ続けると変形するので、引っ張られて壁が手前へ膨らんでくるかもしれません。

 流行りや消費者受けのよい物を追いかけるのも結構ですが、エアコン設計者の方は自分の造りたいものではなくもっと建物の現状を知って、その後10年、20年後はどうなのかよく考えて長く安全に使用できるものを造ってもらいたいと思います。

 そのうちニュースに出るような事故が起きるかもしれませんよ。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

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