雷の影響でエアコン止まる?(誘導雷)
エアコンが冷えなくなったので点検をと依頼をいただきました。(川崎市高津区)
うちとは別の業者さんで過去2度ほどガス補充をしているそうで、今回もガスが減っていると思われるので漏れ箇所を修理し直してもらいたいとのことでした。
なおガス補充をすると機器が正常なのか分からなくなることがありますのでしてはいけません。ガスを入れる場合は全量を計測して入れ替えるのが基本です。特に引越しの移設の際に商売目的で”ガス補充を”という業者は要注意です。
到着してまずは冷房運転開始。なんとなく風がぬるめで正常なのかよくわかりませんので圧力計でガス圧を見てみます。
停止時の圧力は2.2MPa(写真がありません。)この日は非常に暑く外気温が36℃くらいあったと思いますので飽和温度と照らしても悪くありません。
戻り側のほうが温度が低くガスが蒸発して戻っているのがわかります。飽和温度と比べても過熱度(SH・スーパーヒートともいいます。)も問題ないようです。バルブ温度なのでコンプレッサーに入る手前ではもう少し過熱度は上がると思います。
昔は詳細判定法のひとつとして過熱度でガス(冷媒)の量を判断出来ましたが、今どきはインバーターでの回転制御(コンプレッサーやファン)に電子膨張弁での冷媒流量制御と電子の技術でコントロールされ正確にはわかりません。まあ参考程度にはなります。
近頃エアコンも洗浄されたとのことで室内側の熱交換もうまくできているのでどうやらガス不足ではないようです。
室内機の温度を測定。
問題ないレベルです。
お客さまとの話の中でこれまではエアコンを運転してもすぐにランプが点滅して動かなかったとのことです。
U4はシリアル信号異常となっています。シリアル信号は室内機と室外機の制御基板が連絡を取り合うものです。現在は正常運転しているためこれは過去の記憶で、その後自然に復旧していたようです。
その後は”00正常”となって帰るまで再発しませんでした。
このような場合に考えられるのは外来ノイズや落雷などの影響で一時的にエラーを出してしまうことです。
こちらのお宅は高台にありますので周囲をみるとあちらこちらに畑のようなところの中にも避雷針が立っていて落雷の影響が多いことがわかります。
誘導雷(ゆうどうらい)などが考えられ、これは周囲(時には遠方)に落ちた雷で電線に誘導された電気が走り回り機器などに影響を与えるものです。
昔、周囲に建物のない開けたところに建っている大きな倉庫へエアコンの定期メンテナンスで行きましたが、屋上(地上高もかなり高い)に業務用エアコンの室外機がたくさん設置してあって、メンテナンスのたびに数台の室外機が意味不明のエラー(エラーコード表にない)で停止していて電源リセットで正常運転に復帰するということがありました。
そして周りは複数の避雷針とそれにつながるアースラインが室外機の近くを通してあり影響を受けていたのだと思います。
エアコンに異常が出たら一度コンセントを差し直してみて正常に動くか確認し、再発するようであれば点検依頼をしましょう。
http://kato-aircon.com/
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