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エアコン点検

2019年11月15日 (金)

エアコンが漏電。えっ、そっち⁉

4年前に当店で取り付けたエアコンが台風19号で漏電したとのことで点検依頼をいただきました。
ありがとうございます。

状況としては台風の真っただ中、突然停電したとのこと。
そのときエアコンは使っていなかったそうです。

すぐに東京電力さんが来てエアコンから漏電しているため主幹にある漏電遮断器が作動したと判断されたそうです。
この場合、電力会社は指導だけで修理はしません。

点検に伺おうと思いましたがお忙しいようで訪問するのは一か月後となりました。

これは漏電箇所が見つからないかもしれません。
というのは台風などで漏電した場合の多くは雨水の付着と高湿度により起きた可能性があるためです。

― そして点検当日 ―

ブレーカーを見ると
漏電のためエアコンのブレーカーが切られている
漏電したエアコンの回路だけ切られてました。

エアコンは単相200V機種です。

コンセントからエアコンの電源プラグも抜いてありました。

では一番怪しい室外機から
室外機を漏電点検
雨にあたって漏電するとすれば室外機。

まずは電装部のカバーを開けてみます。
室外機の端子台
問題はありませんね。

ここで絶縁抵抗計で計測します。
絶縁抵抗250V300MΩ
250Vをかけて300MΩ。

漏電はありませんね。

室外機の端子台で計測しましたが、これでエアコン全体の絶縁抵抗値です。

とりあえず問題ないのでブレーカーを入れてエアコンを運転したところなにごともなかったかのように正常運転。

”やっぱりな~”こりゃ漏電箇所は見つからないかも・・・

それでも考えられるところは点検。

室外機の天板を外して
漏電点検のため室外機の天板を外して
中をみます。

ファンモーター周辺は風雨にさらされることがあるので丹念に確認。

モーターにつながるリード線
ファンモーターにつながるリード線
鋭利な金属に接触して被覆などが破れていないかミラーで確認します。

う~ん、問題なし。

モーターのコネクタ部に水滴が付いてそれを伝って漏電したものか・・・

悩ましいですな

制御基板
室外機制御基板
水が浸入していないかよーく見ます。

なにもありませんね。

また風雨の強いときに再発するかもしれないので、その時になるべく早く点検に来るしかなさそうです。

わからずじまい。やっぱりだめだったか・・・

最後にコンセントのアース端子がきちんと接地されているか確認します。

というのもブレーカーからの専用回路やコンセントは当店で工事したものではなく、新築当時(15年以上前?)に他の業者(電気工事業者や当時のエアコン業者)が取り付けたもので、どうなっているかわからないため。

もしアースがつながっていなければ漏電電流は建物を伝って流れたことになり危険な場合もあります。

まずはお決まりのコンセントの電圧から
コンセントの200V端子間電圧
205.5Vで正常値。

テスターに巻かれたビニルテープは落ちないように固定するためなので気になさらず😅

こちらに設置されているアース付き200Vコンセントは
正常なコンセントにかかる電圧
正常であればこのように電圧がかかっています。

アース端子とアースターミナル端子がありますがこれはコンセント内部でつながっています。
200Vエアコンの場合はプラグが3極になっていてコンセントに差し込むだけでアースに接続されます。

電源となる端子を仮に上をL1、下をL2としました。

L1-L2間がコンセントの電圧で200V。
これはさっき計測した205.5Vですね。公称電圧より少し高く、多少上がったり下がったりフラフラしているのが普通です。

L1-アース端子間、L2-アース端子間にはそれぞれ100Vが現れます。
これは大地との電圧で一般家庭で使用される単相200Vは対地電圧100Vです。

ご注意!
ご自宅にあるテスターでアース端子と電圧のかかっている端子との間を安易に測ってはいけません。
下手をすると漏電遮断器が作動してしまいます。
当店では作動させることのない十分な抵抗値を有したテスターで計測しています。

次にL1もしくはL2とアース端子を計測し100Vが出ればアースがきちんとつながっているとわかります。
数ボルト程度の中途半端な数字が出ればアースはつながっていません。

では計測・・・L2とアース端子間は・・・
206.2V
えっ⁉206.2V・・・

L1とアース端子間ではほぼ0V

動力かよ!(わからない方はスルーで)

コンセントを外して配線をみると回路は
異常なコンセント回路
こんなふうになってました。

アース端子につながっている接地線はコンセントの金属ボックスに接続されています。
これで金属管などが接地してあればよいのですがされてません。(接地工事していない)

条件的に金属管の接地工事はしなくてもよかったのでしょう。でもそこにコンセントのアース線をつないでも意味がありません。
というより施工不良。

そして金属管のどこかでL1側の線と接触しています。
電線の被覆が破れて中身の銅線が金属管と接していると思われる。
(ボックス内には接触しているような感じはありませんでした)

金属管の端部でブッシングなどを使用せず電線を保護していないのかもしれません。

もし金属管が接地工事されていれば即座に漏電遮断器が作動します。
しかし先述のように接地されていないためこれまでは作動しませんでした。

さらにこれでまずい事態になります。

金属管を介してアース端子には大地との間に100Vの電圧がかかるようになってしまいます。

そこにエアコンのプラグ(200Vは接地極付き)を差し込むだけで室外機全体、冷媒管(銅管)、室内機の金属部(熱交換器など)にこの電圧100Vが常に現れます。

エアコン金属部は大地に対して常時100Vの電位があるということです。

建物は木造で電気を通しにくく室外機はバルコニーに設置してあるので気付きませんがたいへん危険な状態です。

そこへ台風が来て室外機と建物外壁全体が濡れてそれを伝い漏電電流が大地へと流れ(地絡)漏電遮断器が作動したと考えられます。

漏電遮断器がなければ火災などに至る可能性もありますね。

予想もしていなかった結果となりました。

危険なのでエアコン回路のブレーカーを切り、後日専用回路の工事に伺います。

当初、依頼をいただいたときに一か月後ではあまり意味ないのでは・・・と思いましたが点検してよかった。

エアコン自体の電気回路は漏電していなかったということですね。

今回は電気工事(屋内配線)の施工不良ですが、”アースなんて適当につながってれば大丈夫”なんて中途半端な施工をするとこのような事態になります。

電気工事屋さんにも時々”エッ?”と思える工事をする人がいるので・・・

思いもよらない結果でしたが漏電の原因が特定できてひとまず安心しました😅

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2019年10月 9日 (水)

室内機より異音

室内機から”カン、カン”と音がすると点検依頼をいただきました。
場所は川崎市高津区のマンション(他店施工)

マンションということもあり、この音の表現からおそらくドレン管の中を空気が流れるときに水が弾けて生じるポコポコ音と思ったのですが・・・

到着して運転していただくと
室内機からカン、カンと音がする
カン、カン、と音が聞こえてきました。

でもドレンのポコポコ音とは明らかに異なります。

音がしていたと思ったら少しの間消えて、また少し経つと音が出る。

よく見ていると上下風向ルーバーがスイングしていてそれに合わせて音がしているようです。

その音の出どころは
ルーバーの左側付け根あたりから異音が出ている
ルーバーの左軸辺りからです。

2枚あるうちの奥側のルーバーを手で上下させるとカン、カン、と同じ音が聞こえました。

この機種のルーバー軸部分は
上下風向ルーバー軸にあるスプリング
スプリングが入ってます。

どうやらスプリングと周囲の樹脂がこすれて音が出ているようです。

小さな音でも室内機の筐体などに響いて増幅され大きく聞こえてくるんですね。

なんのためにスプリングがあるかというと、ルーバーが上方向(持ち上げる方向)に動くときにモーターの補助やその軸の負担軽減。

また運転停止したときにはルーバーが閉まりますが通電が止まった際、少し戻って半開きになるのを防止しています。

多くの機種にはスプリングは付いていないと思いますがこちらのメーカーは昔からこれを付けるのがお好きなようで。

写真を撮っていませんがルーバーとスプリングを取り外して
シリコングリス
シリコングリスを塗りました。

近頃あまり使用しないのですっかり表面がくたびれてますね。
でも中身は大丈夫です。

なぜシリコン?

スプリングは金属ですが、それをはめ込んでいる周囲の素材は樹脂です。

そこに金属用の潤滑剤を使用すると樹脂を劣化させてルーバーの軸が折れてしまうこともあるので潤滑用シリコンを使いました。

ちなみに同じシリコングリスでも”潤滑用シリコングリス”と”放熱用シリコングリス”は用途が異なります。

当方が基板交換などでパワーモジュールやダイオードスタックに使用しているのは放熱用です。
これを塗らないと熱で壊れてしまいますよ。

中身の見た目はおなじですからねえ。
知らずに使いまわしてる人いたりして・・・

元に戻して動作チェック
ルーバー軸からの音が消えた
音が消えました。

これで完了。

簡単な処置で直りました。

エアコンの室内機の可動部は年数が経つとキシミ音などが大きくなってきます。

厄介なのはルーバーなど可動部がモーターダイレクトではなくギアを介しているタイプ。
これらは劣化でギアがかみ合わなくなり”ガタンッ、ガタンッ”と大きな音を立てて動作がギクシャクしたり、しまいにはルーバーがぶらぶらになってしまうなど問題が多く発生します。

高機能で高価なほど部品点数が多くて壊れやすいものです。

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2019年9月22日 (日)

冷えない、その原因は・・・

この夏にエアコンが冷えないと点検に伺ったときの症状です。

こちらが室内機
冷房が効かなくなった室内機
運転したところでだいたい察しがつきました。

室内機から出ている風の音が安定していません。
エアフィルターの詰まりまたはファンの汚れなどでよくこの症状が出ます。

室外機のバルブ温度を測ってみると・・・

液管側
室外機液管側バルブ温度12℃
12℃で低め。

ガス管側
室外機ガス管側バルブ温度0℃
0℃でかなり低め。

当日は気温30℃以上はあったと記憶しています。
典型的な室内機熱交換不足ですね。

こちらのエアコンは自動フィルター掃除機能付きですが、やはり若干詰まりがありました。

それより問題はファン。
室内機のファン
ルーバーの奥に見えるのがファンです。

拡大してみましょう。
汚れの付着したファン
ホコリのようなものが付着しているのがわかります。

このファンは”横流(おうりゅう)ファン”などと呼ばれ、左右に長い室内機でムラなく均一に風を送るのに適しています。

しかしファンの羽根1枚は1cm位の幅しかないためちょっとホコリが積もると途端に風を送れなくなるという弱点があります。

これが冷房が効かなくなった原因。

風が送れなくなっただけでなく、それにより室内機の中が冷えてしまい、温度センサーは部屋が冷えたと勘違いして室外機を止めてしまいます。

冷たい風が出てきたな~と思ったらすぐに室外機が止まってただの送風。しかも弱い風。
これでは効くわけありませんね。

掃除屋さんにエアコンをクリーニングしていただくようお勧めしました。

このファンが汚れる現象、とくに自動フィルター掃除の付いたエアコンに多くみられます。

「エアコンが自動でフィルターを掃除してくれるから手間が省けて便利!いつもきれい!」とはいかず、エアコンに任せておくと本体内部がどんどん汚れてしまいますよ。

昔からあるフィルターを外して掃除するものと異なり、本体に付いたままブラッシングなどでホコリをかきとるため舞い上がって一部は室内機の奥へと押し込んでしまうからと思われます。

なので熱交換器自体もホコリで詰まってたりします。

いまだにエアコンはフィルターひとつまともに掃除できないんですよ。

でもこの機能が付いていると売れるみたいですからねぇ😅

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2019年8月27日 (火)

エアコン冷房時の吸気不足

エアコンの効きが弱く、今年は去年より更に効きが悪いとの点検依頼をいただきました。(横浜市)
ありがとうございます。

ガス漏れの典型的な症状に似ているので一応冷媒も準備して伺いました。

現地到着
冷えの弱いエアコン室内機
こちらです。

まずは手で冷風を受けてみます。

冷たい風ですが全体にムラがあってサージング(吸ったり吐いたり)を起こしている感じがします。

続いてファンをみます。
室内機ファンの状態
きれいですね。

(実際は高速に回転していますがカメラのフラッシュの閃光で止まって見えます。)

この状態なら風はスムーズに吹き出すはず。
フィルター詰まりの可能性が高くなりました。

ここで室外機を見に行きます。

カバーを外して
冷えの弱いエアコン室外機のカバーを開けて
あら珍しい・・・

専門の方はおそらく気が付きましたね。

これ、
ガス管側バルブに霜つき
ガス管側のバルブに霜が付いています。

バルブが凍るとガス不足とどこかで聞いたことがある方もいるかもしれませんが今回はその逆の症状です。

冷媒のオーバーチャージや室内機の熱交換不足、その他でこのようになることがあります。

でも近頃のエアコンでガス管側が凍るのは滅多にみません。

液管側バルブ(細い管)の温度は
液管側バルブの温度12℃
12℃

まずまずの温度

そしてガス管側バルブ(太い管)は
ガス管側バルブの温度マイナス8℃
マイナス8℃

ひっくーい

これそのまま放置しておくとどんどん凍ってダンゴみたいになっちゃいます。

湿り運転といって、場合によってはコンプレッサーが液圧縮をして故障し高額修理もしくはエアコン買い替えとなるおそれがあります。

ということでとりあえず室内機のフィルターを外してみます。
室内機のフィルターが詰まっている
詰まってますね。

詰まっているように見えないかもしれませんがばっちり詰まってます。

このエアコンはフィルター自動掃除機能付き。
やはりフィルター掃除はしなくていいと思っていたそうです。

どこかのメーカーさんの”十年間手間いらず”の影響がここにも・・・

フィルターを洗剤できれいにお掃除していただき戻しました。

吹き出し風量も上がって力強く感じます。

室外機のバルブの状況は
ガス管側バルブの霜が溶けた
霜が溶けました。

続けて温度も測ります。

液管側
液管側バルブ温度15℃
15℃

先ほどより少し上がりました。

ガス管側
ガス管側バルブ温度4℃
4℃

こちらは大幅に上がりました。

ただなんか低めです。

室内機のカバーを開けると
室内機の前面に空気の吸い込み口なし
なんと前面には空気の吸い込み口がありません。

多くのエアコンは前面と上面から吸い込むようになっていますが・・・変わった設計ですね。

上面からのみの吸い込みで先ほどのフィルター2枚しかありません。

これでは吸気量が確保できず吹き出しも弱くなるので室内機の熱交換量もそれに伴い減ります。
しかも室内機と天井の間は5cm程度なので余計です。

そのためガス管側の温度が低めなのでしょう。(湿り運転気味)

ガス管側バルブが凍ったのはフィルター詰まりに加えこれらも原因だと思います。

室温も下がってきてだんだんと快適になってきました。
点検が終了した室内機
これで点検終了です。

ヒートポンプサイクルはバランスを保って機能しています。それが崩れると効かなくなるだけではなくエアコンの心臓部と言われるコンプレッサーにもダメージを与えることがあります。

たかがフィルターと侮れませんね。

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2019年8月16日 (金)

これは手ごわい水漏れ

夏になるとかならず水漏れ修理の依頼が入ります。

今回はこちら
水漏れを起こしているエアコン室内機
なんだか懐かしいデザイン。

今は亡きサンヨーブランドのエアコンです。

末期のころに出した換気機能付きのタイプ。
「換気・・・そういえばそんなエアコン昔流行ったな~」なんて思う方もいるかもしれませんね。

上下風向ルーバーは軸部分が劣化割れでぶらぶらです。

室内機からは床に置かれたバケツまでヒモが伸びて漏れた水が伝うように工夫してあります。

でもそこから出ている水の量はわずか。
ほとんどは室外に排出されています。

こういった漏れ方が一番難しい。

室内機のカバーを外します。
室内機のカバーを外して水漏れ確認
どうやらドレンパン(熱交換器から落ちてくる水を受ける皿)の左端を伝って出てきているようです。

ドレンパン割れやホコリの影響などが考えられますね。

ドレンパン左側面を覗くと
ドレンパン側面部分
正面にあるメインのドレンパンに本体背面のドレンパンからの水が流れ込む仕組みになっています。

室内機の熱交換器はモノによって背面側まで付いていて、その水が本体のフレームに成形されたドレンパンを流れてここまで出てきます。

雨樋みたいなものと思っていただければ想像しやすいかもしれません。

さらによく見ると
ドレン水路の脇に汚れ
ドレンの水路の脇に黒い汚れがあります。

どうもこの汚れが水を吸い込んで伝った水が漏れているようです。

お客さんから綿棒をいただいてゴシゴシ掃除してみましたが表面をきれいにしてもやっぱり漏れてきます。

やっぱりドレンパン割れかなあ?と思いつつ、確認しやすいようにドレンパンを外そうとしますが熱交換器とフレームに阻まれて取れません。(メンテ性わる~)

(ちなみに現在のエアコンはドレンパンそのものが本体フレームと一体で外せないものが多くなっています。)

室内機を下ろして分解すればもちろん外せますが使用年数的に設計寿命はとっくに過ぎていて費用も考慮すると、そこまでするならエアコンを買い替えたほうが得策です。

熱交換器の固定を外しちょっと無理して持ち上げ隙間をできる限り掃除します。
ドレンパンは割れていない様子。

ちょっと手こずりましたが元に戻して再確認。
水漏れしないか再確認
自然排水が始まるまで運転して様子を見ます。

どうやら漏れはとまったようです。

ふぅ。

エアコンのクリーニング(業者で洗浄)はしていたようで全体的にはそれほど汚れていませんが、こういった部分は普通のエアコンクリーニングではできません。

また、メーカーさんもこうなることを想定して部品同士適正なクリアランスを設けておけば汚れによる水漏れはある程度防げると思いますが・・・

室内機を元通りに戻して
室内機を元通りに戻して
完了としました。

しばらくは様子を見ながら使っていただきます。

お客さんはさっそく入れ替えるエアコンをどれにするか検討されていました。
年数的にそう遠くない時期に動かなくなると思いますので暑さがひと段落したら購入されると良いのではないでしょうか。

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2019年8月11日 (日)

エアコンの中は○○○○天国!

横浜市にて素人が付けたようでエアコンが冷えないとのことで点検に伺いました。

もらったエアコンを移設してきたとのことで取り付けたのは便利屋さん。
去年設置したときは冷えていたものが暖房時は弱い感じで今年はとうとう冷えなくなってしまったそうです。

問題のモノはこちら
素人工事で効かなくなったエアコン室外機
この時点で本職の施工でないことがわかります。

ドレンホース(排水管)も2本地面に長く転がってますね。このままだとどうなるか・・・基本的なこともなにも知らないのでしょう。

とりあえずバルブのカバーを開けます。
ガス漏れしているバルブ部分
このブログはエアコン技術者の方もご覧いただいているようなのですが、これを見ればガスが漏れているとわかりますね。

停止時のガス圧は
停止時圧力0.15MPa
0.15MPaしか残っていません。

気温からして1.6~1.9MPaはあってもいいはずがこれではほとんど空っぽです。

念のためリークディテクタ(赤外線式ガス漏れ検知器)を使用し先ほどのバルブ接続部を調べたところやっぱり漏れ反応がありました。

この漏れを直してガスを入れれば修理完了するかといえば答えは「No!」

パッと見でこれは室内機を含め全体的に問題が潜んでいると判断しました。

室内機にパイプがつながったまま運ばれてきたそうで、中間にあるジョイントの漏れの可能性は低いと思いますが、つながったまま運ぶ行為が別の問題を起こしかねません。

いったん全部取り外して、取り付けなおしてからガスチャージする手順となります。
ただし他の問題が発覚して高額になると判断した場合は買い替えを検討していただくことも視野に入れなくてはなりません。

まずは絶縁抵抗測定
取り外す前に絶縁抵抗測定
無限大付近で問題なし。

電線を見ると
内外連絡線が1.6mm
1.6mmが使われてます。

指定は2.0mmなのでこれも取り替えです。これは移設する前(新品を購入した約3年前)から使われていたものです。

バルブから銅管を外すと
2分側フレアが傷だらけ
2分管(細管)側は傷だらけでこれでは漏れて当然です。

取り付けた人はフレアツールという銅管を画像のように広げる工具を持っておらず、このフレア部分はそのまま再利用して付けてしまったとのこと。

この部分は再利用できません。締め直しもできません。都度フレアツールで加工し接続するものです。

3分管のほうは
19081130
異物まで付いて傷だらけ。

ここで心配になるのはバルブ側。接続面に傷が付いていたら最悪の場合ここで終了(エアコン買い替え)になります。
バルブ側接続面はどうやら無事
フレアが接する面は多少の傷はありますが大丈夫そうです。

ふと室外機の反対側を見ると
室外機にアースがしてある?
室外機にアースが接続されているようです。

でもここはアース接続端子ではなく外板を固定しているねじですよ。

室内機のコンセントにアース端子がありますが使われていません。そこにはつながずアース棒を打ち込んだのかな?

ざんねーん
アースされていなかった
その先はどこにもつながっていませんでした。

余計なものが室外機についてます。
室外機の排水ホース
地面に置くのにこれを付けてはいけません。

説明は省きます。

途中の銅管を触っていくと・・・

あ、怪しい・・・
銅管のつぶれ、ねじれ
ねじれてつぶれています。

こりゃ銅管も交換ですね。

配管カバーを開けると
穴から屋外用ドレンホースが出ている
穴から屋外用ドレンホースが出てます。

通常は室内用の断熱を被ったホースが出るはずですが・・・

長年エアコンの施工をしている人はわかりますね。この中間ジョイントに巻かれた防湿テープをみれば移設前は左配管されていたと。
ということは室内機のドレンホースが左に接続されたまま設置したことがわかります。

銅管を少し起こすと
ドレン管がつぶれている
ドレンホースはつぶれていました。

屋外用は室内用とちがい柔らかいのでこのようになってしまいます。

そのうち水漏れします。

中間ジョイントは
中間ジョイントにガス漏れなし
ここは外さず移設したそうなのでガス漏れはありません。

室内機を下ろしたら本体の銅管に折れやつぶれがないか調査します。
室内機の銅管を調査
3分管(太管)側にスプリングを差し込んで調べます。

問題なさそうです。安心しました。

白色の室内用ドレンホースが左側(画像奥)から出てます。これは本来右側(画像手前)に差し替えて冷媒管と共に屋外へ出るようにするものです。

室内機据付板の固定は杜撰でそのうち落ちると思いますが、これも付け直せば大丈夫。(撮り忘れました)

内外連絡線も外します。

カバーを開けて
端子台に異物が
あちゃ~😅

こ、これはゴキブリのウ○コ・・・

移設前のお宅が古く取り壊し前に外したそうで、それまでに室内機に住み着いていたようです。

こちらに移設後に小さな赤ちゃんのようなゴキブリが出るようになったということで、卵付きでもらってきてしまったんですね。

室内機の近くの壁にもウ○コがポツリと付いてます。

この時点でお客さんと相談しエアコンの処分が決定しました。

エアコンの室内機は冬でも基板の付近が通電されて暖かいのでゴキブリが住み着きます。中には基板上で感電死しているのもいますので。

エアコンにとどめをさしたのがゴキブリだったとは何とも・・・

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2019年8月 1日 (木)

また出ました室内機落下(今夏4台目)

いやいや今年は落下が多いですね。

今回はどんな付け方をしているでしょうか・・・

現地到着。
落ちた室内機の様子 title=
下にあるデスクに箱を置いて支えられていました。

おそらく据付板(室内機を掛ける金属の板)は壁に戻されたのだと思います。

少し前から室内機上部と壁との隙間が大きくなっていたとのこと。
落ちる前ぶれですね。

この季節なので水がたくさん出てたいへんだったそうです。

「工事したところに言わないんですか?」とお聞きしましたが一度こうなってしまうと信用できませんよね。
またネット上にアルバイト感覚で出てくる業者はこういう時には消えてしまっていることがよくあります。

さて据付板はどのように付いていたのか確認します。
据付板の固定方法を調査
お、この樹脂製ボードアンカーで抜けることは珍しい。

ヒルティ製のボードアンカーでむかし私も使ったことがあります。

そして隣には
2種類のボードアンカーが使われていた
室内機が落ちるで有名、ねじ込み式ボードアンカー。

ハイブリッド方式ですか・・・(意味なし)

でもヒルティのボードアンカーは傘が開いてませんね。
ふつうはもっとパカッと開いて抜けたとしても壁にもっと大きな穴が開いていたはず・・・

理由は
ボードアンカーに使われたねじが短い
ねじが短くて肝心な部分に届いておらず開かなかった。

左右同じ方式でもう片方も
ボードアンカーに合わないねじ
こちらはもっと短くて隙間があります。

いやいやなんといいましょうか・・・😅

エアコン工事でよくあるのですが、ねじの長さがめちゃくちゃで薄い板になが~いものをつかったり、今回のように足らなかったりと手持ちの使い古したねじを使って施工しているケースをよく見かけます。

こちらは木造一戸建て。
室内機中央付近に柱があるのですが・・・
ねじが柱には効いていなかった
ねじの色を見れば柱に効いていなかったのがわかります。

建築の勉強も少しは必要です。

ではどのように修理するかが問題。

ボードアンカーの抜けた穴はもう使えません。その周囲も強度が落ちています。

こちらの場合、室内機の位置を強度的に問題ないところまで少し移動して設置することになります。

配管からすべて設置しなおしです。

しかしこの日はそこまでの時間はないので本修理(工事)は後日にすることにして応急処置を行いました。
この暑さでエアコンなしでは耐えられませんからね。

据付板を元の位置に取り付けて
応急処置で据付板を固定
周囲にボードアンカーを打ち直して柱にもねじを効かせます。

完全ではありませんので長期はもちませんが短期間であれば問題ないでしょう。あくまで応急処置なので

室内機を掛けて
落ちた室内機を掛けて
設置状態や動作をチェックします。

少し問題もありますがとりあえずこのままで様子を見ながら使ってもらうことにしました。

あとこれ、
アース線がつながっていない
アース線がつながってませんね。

いまどき珍しい手抜きです。見ればすぐにバレてしまうのに・・・

これも本修理の時に接続します。

室内機の落下は壁だけでなくエアコン本体やパイプ類も傷めます。

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2019年7月19日 (金)

エアコン落ちた!(今夏3台目)

某有名量販店で購入、設置された室内機が落ちました。

季節を問わず室内機落下は発生していますが、ここのところいやに多い気がします。
梅雨時で壁の石膏ボードが湿っているからでしょうか・・・

でも当店に修理依頼が来ているのはほんの一部で、実際は購入店にクレームとしてたくさん発生しているのではないかと思います。

伺ってみると
落ちて衣装ケースに載せられた室内機
テーブルの上にさらに衣装ケースが積まれて室内機が載せられていました。

お客さんによると突然落ちたとのこと。

こちらは一戸建てで室内機のパイプが本体背面から壁穴を貫通しているため傾く程度で済んだようです。

(でも後にたいへんなことが発覚します)

室内機の背面を覗くと
室内機はねじ込み式ボードアンカーで留められていた
今回もねじ込み式ボードアンカーの抜けによる落下です。

ご覧の通りアンカーと言ってもこれは太めのねじのようなもの。保持力が弱くその形状から荷重がかかり続けると石膏ボードを破壊して最後は抜け落ちます。

エアコンの室内機はそれなりの重量があり、壁にはその間10年、20年と引き抜き荷重がかかり続けるわけですからね。

何本で留めてたのかな?
上部は2本のみで固定されていた。
あらまぁ肝心の上部は2本のみ。

落ちるわけです。

この状況ならば据付板(室内機を壁に掛けるための金属板)を付け直せば修理は簡単かなと思い工具材料を準備して作業開始。

おや?ここで問題発生。

壁に据付板を当てたところピッタリと付きません。
間に何か挟まっているのかと思いよく見てみると・・・なんと壁が波打っています。

水平器を壁に当ててみると
アンカーのあったところの壁が盛り上がっている
周囲が壁から浮いています。

2本のボードアンカーが打たれていたところを中心に直径20cm程度壁が手前に膨らんでいました。

2本のみで支えられていたため、その部分の石膏ボードが長年(確か取り付けてから8年程度と伺いました)集中して強い力で引っ張られ続け変形してしまったのです。

このまま据付板を無理に付けると室内機が引っ掛からないどころか石膏ボードを破壊することになります。
長期間を経て変形した石膏ボードを短時間で元の状態に戻そうと力を加えると崩壊します。

この時点で修理は断念。

大工さんなどに依頼していただき壁の貼り直しを検討してもらうことになり、室内機を取り外して完了となりました。
おおごとになってしまいました。

今回、落ちた原因はねじ込み式ボードアンカーを使用していることに加え固定本数が少ないことでした。

たとえきちんとしたボードアンカー(金属製カサ式)を使用しても2本では少な過ぎて話になりません。
重量に見合った数で固定して更に室内機中央付近に間柱があるのでそこにも固定が必要です。

設備工事をする者はこうした柱や間柱などの配置をイメージできなくてはいけません。

近年、やたら重くて厚みのあるデザインの室内機が多くなっていますが、機能や省エネ性能が高いとしても壁の変形などを考えるとちょっと・・・
メーカーさんは売ることが一番。建物のことまで考えていませんので選ぶ側で家を守るしかありません。

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2019年7月 4日 (木)

エアコン落ちた!(今夏2台目)

またもやエアコン(室内機)落ちました。

「あんたそんな工事してんのか?」なんて言われそうですが、いえいえ当店の工事じゃありません。

建物はコンクリート造りのマンション。
今回はどんな付け方をしているでしょう。

到着してみると
家具の上に落ちた室内機が置いてある
家具の上に置いてありました。

なにもしていないのに突然落ちてきたとのこと。

パイプでぶら下がった状態になったようで家具には室内機がぶつかったキズが付いていました。
コワイですねー。

見る角度を変えて
落下した室内機の状態
とりあえずここに置いたそうですがなかなかキワドイ状態です。

水が大量に出たとのことで床にはそれを受ける袋が用意されてました。

引越しでエアコンを移設してこちらに付けたそうで設置から6年程。
引っ越し業者の関連業者に付けてもらったそうです。(いわゆる下請けですね)

外れた据付板を見ると
落下した室内機の据付板
こりゃなかなかのチャレンジャー

この室内機質量13kgと重く厚みもあるので壁にかかる引き抜き荷重がかなり大きいにもかかわらず、"ねじ込み式ボードアンカー"だけで留めてありました。

なにもチャレンジしているわけではないでしょうが知らないというのは怖いものです。
下請け業者というのは一つの会社に長くいる人は少なく責任感も希薄になりがち。
本当の意味での独立した業者ではないのです。

まあ、独立した業者でも現れては消えていくカゲロウのようなところもありますが・・・問い合わせたら音信不通、消えていたなんてよく聞く話です。

おっと、それはさておき

壁の中ではこんなふうになります。
ねじ込み式ボードアンカーが広がった状態
ちょっと開いた感じになっています。

この開きで余計にボードを傷めてしまうのかもしれません。

壁材に使用される石膏ボードは荷重がかかり続けると崩れてしまいます。
しかも年数が経つと劣化も進んで強度が落ちてきます。

壁を見ると
ねじ込み式ボードアンカーは数を打っても抜ける
6か所打たれてました。

これを見ればねじ込み式ボードアンカーでは数を打ってもそのうち抜けることがわかります。

このアンカーはあくまで軽いものを対象としたものでエアコンのような重量物は長期に支えることはできません。

抜けた穴は
ボードアンカーが抜けた穴
周囲が崩れてます。

奥にはコンクリート躯体が見えます。

この躯体にアンカーを利かせれば落ちることはないんですが・・・共用部のため許可が必要です。

エアコンの使用年数をみると
エアコン本体の仕様
約9年。

設計寿命が近づいていることもあって直さず買い替えされるとのことで今回はエアコンを撤去しました。

比較的新しいマンションでは石膏ボードの裏にエアコン設置用の補強板が入っていることが多くあります。
しかしこれも信用できるかといえばちょっとねぇ・・・

重く厚みのある室内機では補強板があってもそれごとはがれて落ちることも考えられます。
補強板が躯体にボルト固定されているならば安心ですが、まずそれはないでしょう。
ほとんどが躯体に接着してあるとか、石膏ボードの裏に張り付けてあるだけとか、ねじや釘で数か所留まっているだけの簡易なものと考えたほうがいいです。

デベロッパーやゼネコンに聞いてもどの程度の荷重に耐えられるのか答えは返ってこないでしょう。
おそらく「普通のエアコンなら付きます」程度の返事しかありませんし、「あとはエアコン工事の人に聞いてください」と言われるのが落ちです。

いずれにしてもエアコンに何もしない状態でねじなどが抜けて落下するようであれば欠陥工事と言えます。

ただ、過去にはエアコン本体の欠陥で壁がふやけて落下する製品があったことも事実です。

落ちる原因もさまざまなんですよ。

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2019年6月 5日 (水)

エアコンシーズン前点検で・・・

昨年、修理に伺ったお客さんより今年も問題なく使用できるか点検をと依頼をいただきました。ありがとうございます😄

室内機は
天井カセット形の室内機
天井カセット形ルームエアコン。

※天井カセット形は室内機本体が天井内に埋め込まれていて天井面にはパネルだけ見えるという業務用空調機でよくある形です。

前回は排水ができなくなってドレンパンが満水になるドレン水位異常で動かなくなっていました。

ではまず気になる排水試験から・・・

水をドレンパンに注いで外部へ排出されるか確認します。
ドレン水が排水されている様子
問題なく排出されています。

量を見るため水受けを置きました。

ドレンパンの中も手で探ったところヌメリなどもなく大丈夫そうです。

これだけではシーズン前点検にならないので、絶縁抵抗測定、フィルター、室内機の運転状態、室外機の運転状態、汚れ具合などを一通り見て問題なし。

そして肝心の冷房の効き具合を調べます。

室内機の吸い込み25度。吹き出し13度。まずまずの温度結果。

まだ本格的な夏ではないので念のため室外機のバルブ温度も測定。

詳しくは書きませんが結果はガスが不足している乾き運転と呼ばれる状態です。立ち上がりに時間がかかっているのかと思い、しばらく様子を見ましたが結果は同じ。

そういえば去年訪問したときに以前になにかメーカーで修理したといっていたような・・・

お客さんに調べていただくと、購入した翌年位に室内機熱交換器からガス漏れで交換。そして2年位前にガス不足でチャージしたという経歴が出てきました。

うん、これはあやしい。
ガス漏れ点検もすることにしました。

室内機の熱交換器付近にフロンガスの漏れ検知器をゆっくりあてていくと、「ピピピピピ・・・・・」あちゃ~漏れ発見。

前回熱交換器を交換したときはメーカー保証期間内で無償修理でしたが今回は期限切れ。高額修理になります。
年数的に部品の在庫終了も考えられ、しかも他の部分が故障するリスクが高まっているのでここで修理するのはやめたほうがいいですね。

買い替えを検討しながらもうしばらく使ってみるとのご判断で点検を終了しました。

今年も室内熱交換器ガス漏れによる不具合が多発しそうな予感がします。環境保護のため新冷媒になって以前よりガス圧が上昇した分、この漏れも多くなっているのではないでしょうか。

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