エアコン工具

2017年11月11日 (土)

パイプカッターへのこだわり

エアコンの工具にパイプカッター(チューブカッター)というものがあります。

エアコンでは冷媒管(銅管)を切るために使用する工具です。

近くのビーバープロというお店でLOBSTER(ロブスター)製のバリの出にくいチューブカッターというものが目にとまりました。

Img_0884t

パッケージには”銅管専用、一般冷媒配管用”、”自動送り機構”、”極薄丸刃”、”バリの大きさ約50%削減”などエアコン工事のためにあるようなカッターじゃないですか!

価格は税別¥4000位できれいなフレアが開けるならと購入しました。

パッケージから出すとこんな感じです。
Img_0885t
樹脂のパーツが多く、プロの使用に耐えられるのか少し心配になりますが、さっそく銅管を切って試してみました。

結果は当店では”残念ながら使用できません”でした。
※あくまでも当店における結論ですので使用者によって異なると思われます。

試したのは切断面の影響が出やすい3分管(φ9.52㎜もしくはφ9.53㎜)で新品のなまし銅管(O管)を使用。

銅管を切ってみると、
Img_0886t
切断面はキレイですが実際は返りが大きくなっています。

バリ自体は少ないことは確かなのですが、自動送り機構による刃の押さえつけが強く、刃の当たる部分の銅管が内側へ押されて返り(変形)が大きくなっているようです。

切断したところをリーマーで処理してからフレアツールで広げました。
Img_0890t
ちょっと見にくいですが返りの部分は段差になって現れます。爪で触れると段差がはっきりとわかります。

この段差の付いている面はガスが漏れないようにシールとなるところで、できる限りフラットに仕上げたいところとなります。

何回か同じ作業をして、さらにパイプカッターの使い方を変えてもみましたが極薄刃は食い込みが良すぎて手による微調整はほとんどムリでした。

昔から使っている”ROTHENBERGER(ローテンベルガーと読むらしい)製”の普通のパイプカッターで切断してリーマーそしてフレアを広げると、
Img_0889t
段差は少なく仕上げられます。爪で触れても段差はほとんど感じられません。

普通のパイプカッターを使用する場合は銅管の周りを回転させながら同時に刃のあて量を調整します。刃の切れ味を加味してあて量を感覚で調整して切るため難しいところもありますが、こちらのほうが満足いく結果が得られます。

肝心なのはフレア面の仕上がり具合で、”ただ切れればいい”というものではなく、思った以上に奥の深い工具です。

ということで、また無駄遣いして余計なものを買ってしまいました。ガックリ

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2017年11月 4日 (土)

ドリルドライバーを使っています。

Img_0825t

 当店では電動のドライバーとして充電式の”ドリルドライバー”を使用しています。

 以前はインパクトドライバーも使っていましたが、ルームエアコンの工事や修理をメインとする作業にはオーバースペックだと思います。

 ルームエアコンの施工ではインパクトドライバーを必要とするところはありません。

ドリルドライバーとインパクトドライバーの違いは、
○ドリルドライバー ・・・ トルク調整(クラッチ)ができてネジであれば小さなものから長い木ネジまで、またドリル刃も使用できます。
○インパクトドライバー ・・・ 打撃を与えながら高回転するためトルクが高く硬いネジやナットも難なく回すことができます。

 ルームエアコンの工事にインパクトドライバーがオーバースペックであると思う理由は、細かなトルク調整ができず打撃音がうるさいためです。

 インパクトドライバーでエアコン本体のネジを緩めたり締めたりすると、インパクト機構の衝撃や回転の速さで素材を割ってしまったりネジ穴を駄目にします。取り外し工事でよく室外機のカバーなどのネジがバカ穴になっているのがありますが、取り付け工事をした人がインパクトドライバーで締め切って空回りさせたものがほとんどです。

 インパクトドライバーは打撃音が大きく、工事の際にはご近所迷惑なこともあり、いきなり使うと依頼者のお客さんもビックリします。小さなお子さんは怖がって逃げていきます。

 道具は使い分けということが大切です。インパクトドライバーは硬くなったネジなどを緩めるには最適な工具ですが、本締め(最後の締め付け)で使うとオーバートルクでネジの頭が飛んでしまうことも多々あります。

 その点ドリルドライバーはトルク調整が細かくできて素材に合わせた締め付けが可能になります。また回したネジがどれくらいの強さで締め付けられたか分かりやすいのも利点です。

 音はトルククラッチが働いても”カタカタ”となる程度でうるさくありません。

 以前はドリルドライバーの最高回転数が低かったためインパクトドライバーを使っていた時期もありました。電圧も高く重い機種だったため、長い時間かまえると手がプルプルして定まらないということもありました。現在ではドリルドライバーでも割と高回転数の機種が増えました。

 日本のメーカーも使いましたがデザインや形状が好きではないので現在は落ち着いた感じのボッシュ(BOSCH)を使っています。(ボッシュのドライバーはこれで3台目)

 ハンマードリルもボッシュで、どちらも青色のプロフェッショナル仕様です。よくホームセンターで販売されている緑色のボッシュはDIY用で耐久性が低めになっています。過酷な使用には耐えられませんが、ご家庭でたまに使用するなら十分だと思います。

- - - - - - - - - -

こちらは割とレアなコードレスドライバーですが、
Img_0835t
”GSR PRODRIVE”3.6Vの手のひらサイズのものです。

 これはホームセンターで売られている”IXO”(DIY用)というシリーズのプロフェッショナルバージョンとでもいいましょうか、プロ用として販売されているものです。お店には置いてなかったので取り寄せてもらいました。

 IXOとの違いは電子無段変速、トルクが高い、電子式手締め機構という点です。わたしには電子無段変速が必要不可欠な機能なのでこちらを使用しています。無段変速でないといきなり定格回転数で回るのでネジの頭を傷めたり、ズッコケてあらぬところにキズを付けたり怪我をすることもあります。

 べつにボッシュではなく他のメーカーでも良いのですが、欲しい機能や形状で選んだらボッシュだらけになっていました。

なお道具を集める趣味はありませんので必要なものだけしか持っていません。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2017年10月26日 (木)

真空ポンプとは

真空ポンプはエアコンなどの冷媒サイクルの中をできる限り冷媒ガスだけで満たすようにするため空気や水分を抜き取る真空引き作業に使う工具です。

ちなみに完全な真空状態(絶対真空)にするのは不可能です。

現在当店で使用している真空ポンプは、
Img_0777t
少し上の角度から
Img_0776t
こちらを使用しています。

中央付近にある縦に黒く帯状になっているところより左がポンプ部で右はモーターになっています。

このポンプは小型で軽量、高真空を得られ排気速度も速い優れものです。

高真空(真空度が高い)なのは内部でポンプが2コ直列につながっているツーステージだからです。

当店が開業してから5台目のポンプとなり、これまですべてツーステージポンプを使用しています。

--------------------

各部の働きは、

正面から見て、
Img_0778t
オイル確認窓とオイルドレン口があります。

確認窓はオイルの量や汚れ、劣化具合が確認できます。真空引き中にオイルが増えてしまったときはエアコン側の冷凍機油(コンプレッサーオイル)や水を吸い込んで混ざった可能性が高いのでオイル交換が必要です。

オイルのドレン口は古いオイルを排出するところです。

上へ行くと、
Img_0779t
黒いキャップがあります。

このキャップは排気口を兼ねていて、ポンプを運転するとキャップの下から排気されます。

またキャップを外すと、
Img_0780t
ここから新しい真空ポンプオイルを注入できます。

キャップの横に黒い物体があります。
Img_0782t
逆流防止の電磁弁です。

この電磁弁は真空ポンプの電源が不意に切れた時、真空ポンプオイルが大気圧に押されてエアコンなどの冷媒サイクルへ流れ込まないように閉じるもので、冷媒がR410A(新冷媒)に替わったときから採用されています。

万一、冷媒サイクル内へ真空ポンプオイルが混入するとエアコン本体の故障につながりますので、それを未然に防止します。

次はエアコン側とつなぐ吸入ポートです。
Img_0783t
1/4インチと5/16インチの二つが付いています。

1/4インチのポートは新冷媒に替わる以前('90年代末頃まで)に主に使用されていたフロンガスR22用やR12用などのホースがつながるようになっています。現在ではほぼ使用しませんので当店では真空ゲージを接続するために使用しています。

5/16インチのポートは新冷媒用(R410AやR32など)のホースがつながるようになっていて現在では主にこちらを使用します。

どちらも使用しないときはホコリなどが入らないようにキャップが付いています。

ポンプの背面側は、
Img_0786t
ガードの中にファンが入っています。

こちらのファンはポンプを運転するとモーターとダイレクトに接続されていて回転します。真空ポンプは運転中高温になりますのでファンで送風して冷却します。
Img_0787t
このように風が流れます。

ポンプによってはファンが付いていない機種もあります。

銘板
Img_0785t
定格が書かれています。

このようなモーターは地域の周波数(50Hz/60Hz)によって回転数がことなりますので、当然のことながらポンプの排気速度も変わってきます。関東はご存知の通り50Hzですので毎分2880回転し42リットル引けます。60Hz地域では毎分3440回転し50リットル引けます。

60Hz地域のほうが効率が良く、冬季のポンプ始動性(寒いと回りにくい)も良いのではないかと思います。しかし逆に夏は過熱しやすくなりますのでどちらが良いとも言えません。

この小型軽量の真空ポンプでもルームエアコンはもちろん、5HP(=14kW)程度まで対応しているようです。(メーカースペック)

--------------------

日本の真空ポンプメーカーで有名なのは”ULVAC(アルバック)”というところで昔は真空機工という名前だったと思います。当店の倉庫にも1台しまってありますが非常に良いポンプです。音は静かで始動性も良く昔ながらのMADE IN JAPANという感じで安心感が違います。ポンプ部はULVACでモーターはパナソニックです。ただポンプオイルの入手性と価格面で使用を断念しました。

私の知る限り昔は真空ポンプと言えば皆ULVACを使っていましたが、エアコン業界では見かけなくなりました。

ULVACさんがエアコン業界に力を入れてくれると倉庫にしまってあるポンプが復活できるのですが・・・。

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2017年3月 9日 (木)

真空ポンプのオイル交換

 今日は真空ポンプのオイル交換です。happy01

Photo

この真空ポンプは軽くて小さいわりに排出速度も速く、しかもポンプが2段になっているツーステージ(1段の場合はシングルステージといいます。)で高い真空度が得られるため気に入って使っています。notes

 真空ポンプはオイルの量を確認したり定期的に交換してあげないないと、到達できる真空度が下がったりポンプの金属が削れて寿命を縮めてしまいます。

・まずはオイルのドレンボルトを外して
Photo_2

・古いオイルを抜きます。
Photo_3

 ほとんど汚れていないオイルが出ていますが、交換を長く怠っていると鉄粉が多く出てきたり水が混ざっていたりしますのでマメに行うことが必要です。

・再びドレンボルトを付けて新しいオイルを入れます。
Photo_4

 このポンプではオイルを入れるところのキャップが排気口にもなっていて、ここから吸引した空気が出てきます。

・最後にオイル量の確認。
Photo_5

 確認窓でオイルの量を見ます。少ないと到達真空度が下がってしまい、多いと排気口からオイルが出たりオイルミスト(油のけむり)が多くなります。
 写真では丁度いいレベルになっていますが、使っているうちにオイルが増えてしまうことがよくあります。これは吸引した空気中の水分が凝縮したり、移設したエアコンを取り付けたときにパイプ内に残留したコンプレッサーオイルを吸引したりして真空ポンプの中にたまるためです。

 エアコンの真空引きを確実なものとするためオイル交換は欠かせません。

 オイルもポンプに合わせて作られた純正オイルを使用します。
 社外品のオイルではサラサラすぎたりドロドロすぎたりして、ポンプの真空度を得られないばかりか磨耗が早くなって焼き付かせたり、寒いときにオイルが重すぎて始動できなくなったりと弊害が出ます。despair

 また真空ポンプは車の中にそのまま置いておくと表面に付着したオイルで汚れが付くのでケースに入れています。

 簡易式のポンプもあるみたいですが、真空ポンプと言えば電動式でなるべく長く真空引きすると決めています。happy01

Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2016年10月20日 (木)

フレアツール故障

エアコン用の工具の中にフレアツールというものがあり、ガスの流れる銅管をエアコン本体に接続したり延長したりする際に使用し、文字通り銅管を広げる道具です。
 
Img_0956
切断した銅管を↑
Img_0961
このように広げることができます。
(バリ取りなど途中の作業は省略しています)
10年近く使用し使い慣れたフレアツールが突然不具合を起こして新しく買い替えとなってしまいました。
Img_1144
左が故障したもので右が新しく購入したものです。
故障した部分はシルバーの色をしたハンドルと胴体(?)の間にある太いネジのところです。カジリが出てしまい、以降ハンドルを回すとゴリゴリして適正なフレアを作れないと判断しました。
このフレアツールもそれぞれクセがありまして、写真では同じものに見えますが同じように使ってもフレアの大きさがかなり違うため自身の感覚を調整する必要があります。パイプの太さによっても違うのでそれぞれ覚えなければなりません。
説明書には”こうすると適正なフレアができますよ。でもたぶんそうはならないから自分で加減してやってねbleah”みたいなことが書いてあります。
私の愛用しているタイプは鉄で重いのですが丈夫で、回すハンドルの部分はギア無しのクイックハンドルになっていて締込みから緩めまでをハンドルから手を離さずに行えるため気に入っています。(このタイプは今回で3台目)
はじめは弱いと思っていたクイックハンドルは壊れたことがありません。
なおこのフレア加工はエアコンのガスを漏らさないための肝心な作業のひとつでフレア部分がパッキンと同じ機能を持っています。
Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/

2016年9月15日 (木)

エアコン用ガス漏れ検知器

エアコンが効かなくなって皆さんがよく思い浮かべる”ガス漏れ”
その漏れている場所を探すのが”ガス漏れ検知器(リークディテクター)”です。
 
昔は石鹸水のようなものをかけて泡が出ている場所を探したり(今でも目視で漏れ箇所を特定できるため使用することがあります。)、そのほかにガス(R22)と反応して炎の色が変わる検知器(名前は忘れました)もありましたが火を使うので・・・
現在では半導体や赤外線センサーを用いたものが主流になり発見の難しかった室内機本体からの漏れも見つかりやすくなりました。
ただ半導体のセンサーは機器のウォームアップが完了してもしばらくは反応が悪く、しかも寿命も短く、使用頻度が高くなくてもセンサーを毎年交換する必要があったため経済性がよくありませんでした。
赤外線センサーは近年出始めたタイプで立ち上がりが早く長寿命といわれています。使用していた機器の半導体センサーを買い替えるか検討した結果、当方も新たに導入しました。
Photo
充電式で吸引部先端にはLEDライトが付いています。
数回使用した感じではやはり立ち上がりが早い!ウォームアップ機能が完了してすぐガス漏れ検知できました。そして反応もいい!室内機本体のガス漏れもよくわかります。
まだ操作や動作のクセに慣れない部分もありますが買い替えて正解のようです。
Katoairconservice_mark160
http://kato-aircon.com/