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エアコン修理作業

2018年10月12日 (金)

パイプ補修と思ったら大事に(2)

前回に引き続き修理を行っていきます。

パイプが2ヶ所折れている部分を切断撤去し、新しい銅管を用いて曲げ加工。
銅管をベンダー加工
手曲げでは大変なのでパイプベンダーを使用しました。

とくに雨樋をかわす部分は手曲げでは確実に折れます。

寸法や曲げ方向を間違えないように他のパイプとの並びを頭でイメージしながら行います。
失敗すると再加工できないため高価な材料が無駄になっちゃいます。

使用したベンダーは
使用したパイプベンダー
先日購入したばかりの新品です。

このベンダーはこちらで紹介しました。

加工したパイプを溶接接続します。
銅管を溶接接続
配管化粧カバーは下にずらしました。排水勾配が不十分で逆勾配のところがあったのでそれを直すため。

壁の塗装のはがれているところはシール材を塗布しました。もうすぐ建物の塗装をするそうなので見た目は問題ありません。

溶接作業はすぐに終わるのですが準備に時間がかかります。可燃性ガス(ブタンガス)、支燃性ガス(酸素)、窒素、各種ホース類、各種レギュレーター、拡管器(スウェージング)、水バケツ等。

そして溶接の温度が高いので管には冷めていく段階でススが付きます。
外側は問題ありませんが管の内側はできるだけきれいな状態に保つため窒素置換しました。
今回窒素を使ったのはこのためです。

ススは管内を窒素で満たせば防ぐことができます。(窒素ブローとも言います)

写真撮影は忘れてました。coldsweats01

たいへんだったのはこっち
銅管溶接
お隣との間隔が少なく外部から梯子でアクセスできません。

お隣に許可をとっていただき梯子をかけて右足だけのせて、ベランダの手すりに腰かけ身を乗り出す態勢で溶接しました。

ムリな姿勢で溶接し始めたら股関節が痛くなって途中で中断。bearing 一度下りて足を伸ばしてから再開し今度は完了。
運動不足です。coldsweats01

溶接時パイプの裏側は見えず勘で付けてるので
鏡で裏側の溶接を確認
ロウののり具合を鏡で確認。

バッチリです。good

溶接の時は火炎で周囲を焼いたり断熱材を溶かしたりしないように濡れ雑巾で養生して作業しています。

断熱材をかけてテーピング。
断熱材をかけてテーピングしたところ
ドレンホースも耐候性のものに取り替えました。

取り付けられている配管化粧カバーは紫外線に弱いようで劣化がかなり進んでいます。ジャバラのカバーを交換してもまたすぐ劣化するので今回はテープ仕上げにしました。

このほうが劣化してもテープなので補修が簡単です。

外したカバーをかけて
配管補修完了
補修完了です。

右側面も
補修完了、右側面
こうなりました。

カバーの端末はパテ埋めしました。

地上から見ると
地上から見上げたパイプ
こんな感じの仕上がりです。

真空引きなど諸々の作業が終わり試運転。

修理前の温度測定は吸い込み22℃→吹き出し13℃=9℃差。
修理後は吸い込み24℃→吹き出し12℃=12℃差。

同じ設定温度、風量で測定していますので能力が向上しました。

立ち上がりも速くなって潰れていた銅管からの“シュー”という冷媒通過音も消えました。

配管化粧カバーに隠された施工不良。
はじめは断熱材やドレンホースを補修すればOKと思っていたものがとんでもないことになってしまいました。

冷媒管の潰れはエアコンの能力を低下させるだけでなく、コンプレッサーが過熱運転になったりオイルの劣化を早めたりと本体の寿命を縮める恐れもあります。

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2018年10月10日 (水)

パイプ補修と思ったら大事に(1)

川崎市多摩区でパイプのカバーや断熱材がボロボロになって水が途中から垂れているので直してほしいとの依頼をいただきました。(他業者施工)

まずは点検して修理方法や費用を検討します。

状況は、
エアコンのパイプ類が劣化している

けっこう劣化が進んでますね。

エアコンが設置されたときはここに配管化粧カバーのジャバラ部材が被せてあったのですが日光の紫外線で崩れてほとんどありません。

銅管の断熱材も伸縮性がなくなりボソボソ。手で触ると粉になって飛んでいきます。

ドレンホースも耐候性のない部材が使用されていたので切れています。
ここは2階のベランダで階下に水が垂れるため切れたホースをビニールひもでしばってありました。

右側面も
パイプの劣化具合
同じように紫外線で劣化しています。

このような状態になっても電線だけはVVFケーブルのためほとんど劣化しません。

雨樋をかわすためにこの部分を自由に曲げることができるジャバラの配管化粧カバーが使用されていました。

その雨樋のところを見ると
銅管が座屈している
なんと銅管が座屈していますdown

簡単に言えば折れて潰れています。

これでは冷媒ガスの流量が減って圧力も落ちます。

このエアコンは冷房能力が7.1kWありますが、ヒートポンプサイクルのバランスが崩れ設置からいままで能力が出きらない状態が続いていたと推測できます。

それでも運転できていたのは現代のエアコンはインバーター制御や膨張弁による冷媒の流量制御などで許容範囲が広くなっていることもひとつの理由と思います。

この時点では施工した人がジャバラの配管化粧カバーをかぶせた後にパイプを曲げたことにより銅管が折れたことに気付かなかったのだろうと思っていました。

パイプをテープなどでまとめた後で曲げることは折れやすいので普通はしません。

特に今回のような7.1kWクラスになると銅管も太く少しでも無理に曲げようとすると折れてしまいます。

ルームエアコンの冷房能力6.3kW以上と5.6kW以下のガス管側銅管サイズ
銅管サイズの比較

銅管が太くなるほど曲げ半径を大きくしないと折れてしまいます。そのためφ12.7mmでの手曲げは注意が必要で場合によって工具を使ったベンダー曲げをすることがあります。
これより太いφ15.88mmからは手では曲げ半径が大きくなりすぎるのでベンダー曲げが基本です。

さすがに細い管(φ6.35mm)を手曲げで折ってしまうマヌケな工事人はそうそういません。

とにかくこのままでは冷暖房能力も落ちますし、エアコン本体にも負担がかかりよくありません。

見積もりを出してお客さんより修理の依頼をいただきました。

― 後日 ―

台風や雨が続いて延期などもありましたが修理開始です。

ドレンの勾配不足もあったので配管化粧カバーの設置位置を調整しようと開けたところ、
配管化粧カバーを開けたところ
ここも折れてるdown

見ればすぐに折れているとわかります。

これ工事した人だいじょうぶなんでしょうか?折れたことに気付いていて知らんぷりとか・・・

大手量販店で購入されたそうですが、それでも工事に来るのは結局個人の請負業者ですからね。bomb

断熱材を開けると
銅管が折れている
はいこのとおり。

まあこの部分も銅管を取り替えるつもりだったので問題ありませんが。

この部分を切り取ったものがこちら
粒r他銅管を切り取ったもの
付いていた時とは裏返しですねcoldsweats01

折れるとこのように潰れて管内の断面積が小さくなります。

続きは次回。

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2018年9月25日 (火)

水漏れの原因・・・

横浜市港北区で急に水が漏れるようになったと点検依頼をいただきました。

水漏れ位置と量をお聞きしてほぼ排水管の詰まりと判断。

前面グリルの部分はすでにはずしてありますが
水漏れしている室内機
こちらが水漏れしている室内機。

まあふつうに付いていますね。

ドレンパンに水を注入したところ外へ流れ出ないので水位が上がってきました。

やはり詰まりですね。

屋外のドレン出口は
屋外のドレン排水出口
水が出ていません。

左手前にあるパイプは3階に設置された別のエアコンのものです。

さっそく吸引器でドレンホースを吸ったところ汚れと一緒に水が排水されました。

その後、再度ドレンパンに注水して排水されるか確認します。
注水した水が排水されるか確認
地面に置いた受け皿に水が出ていることを確認しました。

今回の場合、虫などではなく汚れが詰まった症状なのでドレン勾配に問題がありそうです。

室内機右側面のカバーを外してパイプを見ると
室内機裏の配管の様子
壁の穴がどこにあるのか見えません。

ここは一戸建てですがパイプ類はドレン出口の真後ろ辺り(画像で見える部分)に穴を開けて勾配を確保するのが普通です。

ドレン排水は重力で自然に排出されるので下り勾配で配管しなければなりません。

よく見ると穴は
穴の位置が中央にある
室内機の中央寄りに開けてあります。

これは水漏れを起こしやすい配管法で、室内機裏をドレンホースが横引きされ穴の中へと曲がって通すことでホースが持ち上がったりよじれたりして逆勾配になります。

実際に見ていないので確定はできませんが、この逆勾配部分に汚れがたまって詰まりを起こしたことが考えられます。

なぜこのような位置に穴が開けられたかというと、今回の水漏れしたエアコンは2階に設置されています。

3階のパイプが写っている写真がありましたが、このパイプの配管化粧カバーが丁度2階のエアコンの本来穴を開ける位置に通っているためです。

3階のエアコンを先にストレートに配管した後に2階を設置したためこのようにしてしまったと思われます。

一戸建てで上下階同じ位置に室内機を設置する場合は下階から施工しないとこうなることがあります。

ある一台のみに囚われて全体が見えないとこのようなことになるので注意しなければなりませんね。

配管のルートを考慮してどの部屋から設置していくか考えるのも施工者としては必要です。

こちらのお宅の造りはツーバイフォーとのことでしたので他にも方法があったと思います。

穴を開ける位置に3階のパイプが通っている(または通してしまった)ことで冷静さを失い焦って中央に穴を開けてしまったかもしれません。
このようなことは初心者では特に陥りやすい精神状態です。

次回エアコンを付け替えるときは穴を開けなおすか、室内機の設置位置をずらすかして機能面を第一に施工するようお勧めして完了としました。

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2018年9月24日 (月)

室内機から水が漏れる。

水漏れ点検で伺いました。(横浜市都筑区)

事前にメールでお問い合わせをいただいた際、水漏れ状況の動画アドレスを添付くださいまして確認したところ、ドレンホースの詰まりであろうと判断しました。

室内機が非常に高いところに設置されているためお客さんから高さ1.8mの脚立をお借りしました。
室内機が非常に高い位置に設置してある
それでも脚立の天板に立ってようやく室内機と顔の高さが同じくらいになる程度です。

本当は脚立の天板は立ってはいけないことになっています。建設現場では見つかると注意されます。

暖房は使われていないようですが、この高さでは温風は床まで下りてこないのでおそらく効きません。

冷房も天井付近の熱気を吸い込むため効率は落ちることがあります。

とりあえずドレンパンに水を注ぎます。
ドレンパンに水を注ぐ
しばらく入れていくとパン内の水位が上がってきました。

満水近くまで入りました。ドレン管が詰まっています。

屋外のドレン排出部分を見に行きます。
屋外のドレン排出部分
どういうわけかドレンホースにポコポコ音防止の逆止弁が付けられています。

ここは一戸建てですが逆止弁が付けられているのは珍しい。マンションのような高気密では必要になることがありますが・・・

お客さんも知らなかったようです。

途中にドレン勾配がとれていないところがあって心配で取り付けたものなのか、他に理由があったのか当事者でなければわかりません。

逆止弁のところには水がにじむ程度しか出てないので詰まりはもっと室内機よりです。

逆止弁を一旦外します。
逆止弁を一旦外して
するとその先につながれているドレンホースの長いこと。

ドレンホースは下が土などの場合、地面に付く少し上で切るのがふつう。
長くする目的がわかりません。水漏れリスクが高くなるだけです。

それはさておき、ここで室内機側のドレンホースを吸引器(注射器の大きいようなもの)を使って吸引しました。

一瞬の負荷の後、手ごたえが軽くなって吸引器を外します。すると数秒後に先ほどドレンパンに注いだ水が一気に出てきました。

これで詰まりは解消されて水漏れはとまります。

虫などは入ってないので汚れが詰まったと考えられます。
汚れで詰まる原因として多いのはドレンが逆勾配になっているところがある。ということが挙げられます。

逆勾配があると新しいうちは流れるのですが年々汚れが沈殿して固まり、数年後に詰まってしまうことがあります。

水漏れが今後再発するようであればドレン勾配を調べる必要があるでしょう。
高所なのでなかなか難しいですし大掛かりになることも。

付いていた逆止弁をお客さんに洗っていただきました。
洗っていただいた逆止弁
これもシーズン毎に洗う必要があります。

施工する人が逆止弁を洗うようお客さんに説明していないですね。

これを詰まらせて水漏れしているお宅もありますので。

逆止弁をもとに戻してドレンホースは適正な長さに切り、ドレンテスト
ドレン排水テスト
地面に受け皿を置いて水の出を確認。

問題ありません。

今回はこれで終了としました。

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2018年9月13日 (木)

天井カセット型エアコン水位異常

毎年何件か依頼のある天井カセット型エアコンの水位異常。

今回は川崎市中原区での作業です。

これが天井カセット型エアコン(通称 天カセ)です。
天井カセット型エアコン室内機
本体は天井の中に収まっているのですっきりした形状です。

では水位異常とは何か・・・

普通の壁掛け型エアコンは除湿した水を受け皿(ドレンパン)からホースで重力を利用して自然排水しています。

しかし天カセタイプでは自然排水だと天井内の排水管下り勾配が難しくなってしまうためドレンパンから一旦ポンプを使ってある程度の高さまで汲み上げる仕組みになっています。
(旧型のエアコンに一部ドレンポンプのない機種もあります。)

このポンプが故障したり、排水管が詰まったりした場合に水がドレンパンから溢れ出るのを防止するためオーバーフローセンサーが付いていて、それが反応するとエアコンは停止して水位異常のエラーを出すようになっています。

確認のため冷房運転をすると微かにドレンポンプの作動音が聞こえています。

ポンプ自体は動いています。

パネルを外します。
天井カセットエアコンのパネルを外したところ
本体が見えました。

ドレンパンに水抜き栓があったのですがなかなか取れないのでそのままドレンパンを外すことにします。

水をこぼさないようにそっと降ろすと
外したドレンパンの内側
白いゴミなのか、何か繁殖してできたものなのか・・・

ちょうどドレンポンプの吸い込み口付近にあってこれが詰まっていたようです。

ドレンポンプは水を吸い上げていることを確認しました。

屋外でドレンパンとドレンポンプのケースを洗います。
ドレンパンとポンプのケースを洗います。
きれいになりました。

よく見えませんがアップで
ドレンパン内
ぬめりもなくなりさっぱりしました。

ポンプの羽根の汚れも拭き取って
ドレンポンプ周辺
ドレンポンプの右隣りにある円柱状のものがオーバーフローセンサーのフロート。

水かさが上がると浮き上がってマグネットスイッチが働き水位異常を出します。

ポンプのケースを付けて排水管をつなぎます。
ポンプを元通りに戻して

途中、気になったのがこれ
雑な施工
“雑”

語りだすときりがないのでやめます。

ではドレンパンを戻して
ドレンパンを取り付けて

パネルも戻します。
パネルの取り付け

冷房運転を入れてドレンパンへ注水してテストします。
注水して排水確認
排水されて問題ありません。

水位異常は出なくなりました。

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2018年8月 3日 (金)

室外機応答せず、基板交換

室内機のランプが点滅してエラーコードを表示して室外機が動かないと依頼をいただきました。

エラーはシリアル信号系(室内機と室外機の通信)の異常とのこと。

現地に到着してエラーを確認後点検します。
点検に使うテスター
アナログとデジタルのテスターを用意しました。

デジタルテスターはレンジや極性を間違えても壊れることなく読み間違えも少ないので楽なのですが、シリアルのようにはげしく変化する信号にはあまり向きません。

シリアルはエアコンメーカーによって信号がことなりアナログテスターでなければ分からない場合もあります。

デジタルテスターを使う場合でもレンジを固定し(オートレンジではだめ)数字ではなくスケール表示付きでしかも時間的な分解能(サンプリング周期)の高いものが必要です。

またオシロスコープという波形を見られる計器が簡単に使用できればよいのですがエアコンには対地電圧がかかっているので危険です。

調査の結果は
 室内機から「室外機へ100V給電、冷房で運転開始して!」
 室外機「・・・・・・」無応答、無反応
 室内機「あれ、室外機が居ないよ。エラー表示開始!」

とこんな感じ。実際は出ていない信号を出ていないと判断するのは難しいところがあり、本来はこうであろうと推測する部分もあります。

室外機基板からの応答がないと判断しました。
室外機の基板
この基板が壊れています。

修理費用をお客さんに提示して基板交換することになりました。

部品入荷
室外機基板入荷
修理作業にかかります。

室外機のカバー類を取り外して
室外機のカバーを取り外したところ
基板交換できる程度まで開けて壊れた基板を撤去します。

こちらが新しい基板
取寄せた新しい基板
パワーモジュールとダイオードスタックは電流が多く流れ、熱を発する部品なので本体側のアルミの放熱器に固定します。

固定前に放熱用グリスを塗るのですが取寄せた基板には付属してなかったので現地調達です。
放熱用シリコングリス
この放熱用シリコングリスは作業車に積んであるのであわてることはありません。

基板を固定したら配線類をすべて接続します。
コンプレッサーのターミナル部
この基板はいろいろなリードが長く付いていてコンプレッサーへも直接接続するようになっています。

コンプレッサーのターミナル端子は接続の色分けが表示されていないことが多いので外す前にきちんとメモしておかないと逆回転して壊してしまう恐れがあります。

コンプレッサーの吸音材を戻してリアクタ類も接続します。
リアクタ接続完了。

基板上に接続されるコネクタもすべて差し込んで
基板上コネクタの接続完了
これで基板交換作業は完了です。

そしてこれ。
ケーブルシースのむき過ぎ
見ちゃうと気になる・・・。

自身が工事したのではないので気にすることもないかもしれませんが・・・

直します。
ケーブルをむき直して接続
補修完了。

しかしこの電線、メーカー指定は2.0mmなのに1.6mmで施工されてます。
お客さんにはこのことを伝えておきました。

カバーをもとに戻し絶縁抵抗を測定して試運転。

動作に問題なく、冷えるようになりました。

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2018年7月15日 (日)

室外機を動かしたらガス抜けた。

「室外機の向きをかえたらガスが出てしまった」との依頼をいただきました。

これと同じ案件で修理をおこなうことはたまにあります。
この暑いさなかにいきなりエアコンが効かなくなるので大変です。

現地の状況
車を止めるのに不都合があって移動したとのこと。

パイプがすっぽ抜けています。
銅管が根元から抜けている
これはさぞ驚かれたことでしょう。

銅管が抜けると一気にガスが放出されるので大きな音がします。

モロに液冷媒を浴びてしまうと凍傷やケガをします。

抜けた銅管はこのとおり
抜けた銅管
フレア部分は切れてなくなっています。

接続のナットには
ナット側に残った銅のフレア部分
フレア部分が残っているのでこれは取り除きます。

もう一つのほうは
銅管がつぶれている
銅管は切れてませんが根元付近でつぶれています。

やっかいなところでつぶれてフレアナットが取れません。

できるだけ修理費用を抑えるためにしばらく格闘してなんとかフレアナットを救出。

銅管はひねりが入っていたものの他につぶれはなくそのまま使用できます。

パイプを整形しフレア加工をして
フレア加工後
かなり銅管は硬くなっています。

銅管も金属なので曲げ伸ばしをすると硬くなって最後は折れてしまうので注意が必要。

接続、真空引きそしてガスチャージを行います。
ガスチャージ中

ガスの充てんが終わってさっそく試運転。
試運転中のバルブ
このバルブの結露の具合でもエアコンの調子がわかります。

温度測定も問題なし。冷房復活sign01

でもこれで終わりではありません。
地面から出たアース線
アース線が寂しげに出ています。

室外機を移動したため長さが足りなくなりました。

倉庫が近かったので真空引きをしている間に合成樹脂の電線管(VE管)を取りに行ってきました。
アース線を合成樹脂管で施工
これで安心。

VE管を段差に合わせてバーナーであぶって曲げました。

これにて完了。

室外機を大きく移動するとパイプに無理がかかって銅管が折れてしまったり、ガスが抜けてしまうことがあります。

外壁の塗装工事や、マンションでの大規模修繕工事でも同じようなことが起きやすいので要注意です。

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2018年7月13日 (金)

ガス漏れ修理。

エアコンが冷えないとの依頼で点検に伺いました。

室外機の凍ったバルブ
カバーを外すと凍ってますsign01

これならよく冷えそうですね。ウソですbleah
室外機のバルブが凍るのは何らかの不具合がある証拠。

この場合ならまずはガス不足を疑います。

冷房でガスの低圧圧力を測ると
低圧圧力約0.4MPa
約0.4MPa位で明らかに低い値です。

圧力だけでなく指針の動きを見てもやはりガス不足です。

ガスはほとんど残っていない状態ですね。

リークディテクタ(ガス漏れ検知器)で漏れ箇所を探しますが見つかりませんでした。

ガスが抜けて圧力が下がると漏れが止まってしまう厄介なケースです。

お客さんと相談し今回は一番あやしいパイプのフレア接続箇所をすべて補修してガスチャージすることになりました。

室内にある接続箇所は
室内の配管接続箇所
テープをはがすと中に断熱材のかわりに防湿テープが巻かれています。

この防湿テープで断熱材の代用にしている業者が結構いますがはっきり言ってダメですね。
断熱性はほとんどなく、テープが不織布のようなもので出来ているので水でびっしょりです。

防湿テープは空気に接する表面に巻いて結露を防止するためのものです。

パイプをフレア加工し直して接続後、冷媒管用の断熱材で処理しました。

一方、室外機の接続部を外すと
室外機に接続されていたフレア
少しキズがあるのが確認できます。

拡大
フレア面にキズ
放射方向にキズがありますね。

ここからガスが漏れていた可能性大です。

ガス漏れ箇所にはオイル汚れが付着する場合が多いのですが、ここは凍っていたところなので洗い流されてしまったのかもしれません。

接続作業が終わって真空引きを開始します。
エアコン設置工事とはことなり、室外機の内部まで真空にするので時間がかかります。

その間に
もともとの配線接続
このだらしない電線の接続を(危険でもあるので)・・・

このように
配線接続修正
直します。

真空引きが完了してガスの充てん量を確認します。
冷媒の充てん量を確認

よく見えませんが960gです。

現代のエアコンでは圧力計を見ながら正確な量を充てんしたり補充したりするのは不可能です。
規定量から5割程度ずれてしまうこともありえます。

はかりを使って充てん
はかりを用いて冷媒充填
0.96kgで完了。

運転開始
修理後の低圧圧力
1~1.1MPaでほぼ正常で冷房も良く効くようになりました。

圧力はその日の気温や風、環境、エアコン本体の制御や特性により変化するので決まった数値はありません。
ガスが規定量より大きくずれていたり、冷媒系統に故障がある場合に圧力の異常として読み取ることができる程度と思ったほうがよいでしょう。

ちょっと詳しいかたは低圧圧力なのに高圧側のゲージで見ていることに気づいたかもしれません。
圧力ゲージに関しては低圧用と高圧用では目盛りの幅と測れる最高圧力は異なりますが示す圧力は同じです。

修理ではときに暖房にして高圧をかけることもあるので低圧ゲージでは振り切ってしまいます。
その都度ゲージを取り替えるのではなくはじめから高圧ゲージで計測していれば問題ありません。

業務用エアコンでは一部を除き高圧と低圧のポートがそれぞれあるので同時に計測できるようになっています。

ガスが規定量入ったので再度リークディテクタで室内機の熱交換器からの漏れ(多発しています)を確認しましたが問題ありませんでした。

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2018年7月 7日 (土)

マルチの一室が冷えない。(その2)

前回のつづきです。

新しい電磁弁コイル
新しい電磁弁コイル本体
これに交換します。

古いコイルに付いていたスポンジ(クッション)をはがして新しいコイルに耐熱性両面テープで貼り付けました。
新しいコイルにクッションのスポンジを耐熱性両面テープで貼り付け

コイルをセットします。
電磁弁コイルを室外機に取り付け
下が新しいコイル。

配線用の保護チューブ
機器内配線用の保護チューブ
これはメーカーさんで部品に間違いないか調べてもらったときに技術に詳しい方からどうぞといただきました。

ありがたく使わせていただきます。もっと長くもらったのですが機器に合わせて切ってあります。

コネクタから出ているリードも切断。
コネクタからのリード線も切断

ここで登場、絶縁閉端子。
絶縁閉端子
材料も適材適所使い分けなければなりません。

リード線には太さが印字されていないので素線の抱合断面積を計算してCE1というサイズを選定。

圧着工具も専用です。
絶縁閉端子用の圧着ペンチ
修理をしているとたまにこの圧着が必要になります。

圧着して
圧着完了
インシュロックで配線を固定します。

コイルの交換作業を終えて室外機のカバー類を元に戻し、電源投入前に絶縁抵抗計で漏電がないか確認します。
室外機組み立て後の絶縁抵抗測定
問題なし。

試運転では温度測定といろいろな運転状態にして電磁弁の動作を確認します。

電磁弁の動作はまったく問題なし。

冷房での温度測定も古いエアコンとは思えないほど調子がよく、修理前に冷えが弱いと言われていたのですが一室しか電磁弁が開かなかったため室外機の運転(コンプレッサー等の回転)が低速だったことによると思われます。

あとで故障したコイルをよく見たら・・・
電磁弁コイルの割れ
割れてました。

接触しているコンプレッサーの吸音材が少し焦げていたのですがこれの所為ですね。

このエアコンには更なる長寿を目指してがんばってもらいましょう。

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2018年7月 6日 (金)

マルチの一室が冷えない。(その1)

マルチエアコンの一室が冷えず、もう一つの部屋も冷えがあまりよくないと点検の依頼を受けました。

マルチエアコンがわからない方はこちら

室内機で温度測定をするとA室はある程度冷えています。しかしB室はまったく冷えません。
室外機が故障していると判断。

故障しているマルチ室外機
室外機専用の置場がありますが人が入る余裕がありません。

ここは3階ほどの高さがあるので注意が必要です。
落っこちたら・・・

室外機のカバーを開けて
室外機のカバーを開けたところ
故障している箇所を探します。

目処はついているので回路図から目的のものを探します。
目的のコネクタ
調べたところやはりこの回路が故障しています。

故障しているのは
故障している部分
下側のB室用電磁弁コイル。

エアコンの型式は消えかけていたのですが、機種不明という最悪の事態は免れました。
消えかかっている機種名
はじめは汚れでまったく読めない状態でした。

汚れを拭くと機種名が完全に消えてしまうことがあります。そうなると部品は取り寄せできません。

このエアコンは二十数年前に発売されたものなので部品が残っているかも心配です。

メーカーに恐る恐る聞くと残ってました。まだ20個あるとのこと。セーフcoldsweats01

― 部品入荷し修理します。 ―

お客さんが心配されていたので今回は安全帯を用意しました。
安全帯を用意して作業開始
ふつうの安全帯のロープと電気工事用の胴綱を組み合わせて行いました。

いつも使用している腰ベルトは電気工事用のもので胴綱(よく電柱に上っている人がつけてる綱)がつくように左右にリングが付いています。
高所で両手を使って作業をする場合に威力を発揮します。

これが新しい部品です。
取寄せた新しい電磁弁コイル

室外機に付いている部品の接続は
コネクタ接続
コネクタでつながっています。

このコネクタでA室とB室の電磁弁へつながっています。

取寄せた電磁弁コイルのリードは
新しい電磁弁コイルのリードはファストン端子
なんとファストン端子

部品をメーカーへ取りに行ったときに気付いて間違いがないか調べてもらったのですがこれが正規品。
補用部品ですでに本体側と同じ形状のものはないそうです。

ならば・・・
ファストン端子を切断
切り捨てました。

長くなるので続きは次回へ。

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