エアコン修理作業

2017年11月24日 (金)

室内機から異音で点検。

川崎市高津区で新規のお客さまより室内機からカタカタと音がするとの点検依頼を受け訪問いたしました。
(当店をお選びいただき有り難うございます。)

到着して音を確認するため運転スイッチを入れていただきました。

室内機の右側から「シャッ、シャッ」と送風ファンの回転に合わせて擦れている音が出ています。
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ファンの回転速度が上がるとカタカタという音になるようです。

お客さまで特にファンに触れるようなことはなかったそうです。

ファンが周辺のケーシングに擦っているようなので前面グリルをはがしてモーター部分を見てみます。
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モーターを軸部分にドライバーを使用し移動させ音の出なるなるところを探します。この応急処置でとりあえず音は出なくなりました。

モーターを支えているゴムのブッシュなどがヘタって沈み込みケーシングに擦るようになった可能性もありますが、メーカー技術部でもこの機種で前例情報を把握している様子もなく当店でも初めて見た事例です。

お客さまの話では、このエアコンは一度お引っ越しの移設時に業者が持ち帰って分解洗浄をしているとのことで、その時の組み付けミスや部品の紛失、破損なども考えられます。

この機種は室内機を一度取り外してすべて分解しないとモーターにアクセスできないとのメーカー技術部の話だったので、この状態でしばらく様子を見ていただき再発するようであれば部品を取り寄せて修理をするか、もしくは使用年数を考慮して買い替えを検討していただくことになりました。

今回はメーカーさんから修理対応に備え展開図(PDF)を送っていただいてます。
Tenkaizu
ぼかしてあります。

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2017年10月 1日 (日)

室外機から「バンッ!」と音がして動かなくなった。

エアコンを運転したら室外機から「バンッ!」と音がしてそれっきり動かなくなったとの依頼をいただきました。(川崎市高津区)有り難うございます。

今回の機種はシャープAY-C22EX(室外機AU-C22EXY)でそれほど古くもありません。

エアコンを運転するとタイマーランプが点滅して”故障中(異常検知)”を表示しています。

確認モードにして
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点滅回数を確認。

エラーコード表を見て
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”シリアルオープン/誤配線”となっています。

お客さまの話でバンッという音の後から室外機が動かなくなったとのことでしたので、おそらく室外機からの応答(シリアル)がないのでしょう。

疑わしい室外機を確認します。
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外観は何の変哲もありません。

室外機をばらして基板を見ます。
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小さな焼けがあります。

大きくすると
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こんな感じです。

基板をカバーしている鉄板の裏側も
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少し焦げています。

基板を下からのぞくとパワーモジュール周辺の抵抗が焼損しているのが見えました。
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残念ながら入り組んでいて撮影することはこの段階ではできません。

念のためコンプレッサーを調べます。
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コンプレッサーにつながっているリード線を外して
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テスターと絶縁抵抗計で測定しましたが巻き線に異常はありません。

今回のように焼損をするケースでは発火の可能性もありますので、メーカーへ事故の前例やリコールなどがないか確認します。
「前例やリコールなし」とのことで単に基板が何らかの原因で壊れたということになりました。

前日に大雨が降ったのでそれが起因しているのかもしれません。

お客さまより修理の依頼をいただき部品を取り寄せました。

基板交換をします。
基板を外して
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外してみると焼けている抵抗が見えます。
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基板を新しいものに取り換えて配線を戻します。
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上面から
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金属のフタをします。
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続いて電線の接続を直しました。
元の状態はこんな感じ
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いつも思うのですがエアコン工事人に電気工事士はいないのか?、それともこの程度なの? と呆れています。

芯線もシースもムキが長すぎで端子台から銅線は露出しているし、電線を押さえる部分もシースではなく中身の絶縁電線。このムキ方は”工事スピード追求”でワイヤーストリッパーを使用したものです。エアコンのような端子台には不向きな工具で細かな長さ調整ができません。
”工事が早い=雑”という典型的な例です。

直しました。
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工具も適材適所で使い分けが必要です。

切り取った電線の皮むき長さは
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20㎜位あります。この端子台は15㎜なので5㎜ほどオーバーしていました。

あとはすべて元に戻して運転開始。エラーも消えてチェック項目もすべてクリアで修理完了しました。

取り外して持ち帰った基板をよく見ると
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特にこの部分の破損が目立ちます。

上の部分にあるファンモーター用のドライバICと思われる部品は
正面の一部に丸く割れて飛んでいます。
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側面は割れています。
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パワーモジュール、ダイオードスタック放熱用のアルミも焦げ跡
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今のエアコンは制御から整流、インバーター系統まで一体の基板で修理も楽になりました。昔はバラバラだったのでトラブルシューティングがしっかりできないと別の部品を取り替えてしまうというマヌケなことが起きましたから。

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2017年8月31日 (木)

天井カセット、ドレン水位異常。

外出している時に電話が入り、「天井に付いているエアコンが水位異常でエラーが出て動かない。隣の部屋の壁掛け型エアコンを代わりに動かしたら冷えなくなっていた。」との内容で点検依頼をいただきました。(ご依頼いただき有り難うございます。)

場所は川崎市高津区、早速出動します。

到着して一通り設置状況を見て回ります。
・天井に付いているカセット型エアコン(通称:天カセ)は本体のタイマーランプが6回点滅で”異常水位検出”を表示しています。
・隣の部屋の普通の壁掛け型エアコンはリモコン操作で風は出ますが冷えていません。

冷えない壁掛け型の室外機の状態を確認するため外にでます。

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室外機は室内機を2台接続できるマルチでした。天井カセット型と隣の部屋の壁掛け型がつながれていますので、どうやらカセット型のエラーで室外機が動かず隣の壁掛け型も冷えなくなっていたようです。

ということでエラーを出している天井カセットを点検します。

”異常水位検出”のエラーは何かしらの原因で除湿水の排出が出来なくなって、ドレンパン(水をためる受け皿)が満水になったときに出ます。その他にそれを検出しているセンサーなどが故障の場合もあります。この”異常水位検出”はこの機種の呼び方で、それぞれ”ドレン水位異常”など別の呼称になっています。

脚立を立てて室内機の近くへ上るとドレンポンプ(排水ポンプ)が回っている音が聞こえました。ブレーカーを落として天井に付いているグリル(パネル)を外しドレンパンの中に指を入れると満水なのが確認できました。

排水用のキャップを外して水を抜きます。
全体はこのような感じで
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近くで見ると
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水は1~2リットル出たような感じでした。

次にドレンパンを外します。外したドレンパンをご主人が受け取って洗って下さいました。その間に点検していきます。

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ドレンポンプ周辺は
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ポンプの横に水位検出用のフロートスイッチがあります。

ポンプをさらに近くで見ると
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吸水口にドロドロとしたものが付いています。

ポンプの吸水口を外して、
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特に問題はありません。

お客さまがドレンパンを掃除し終えて「こんなに汚れているとは思わなかった、すごかった」と驚いておられ、大量に堆積物が溜まっていたとのこと。

念のためポンプからつながる排水管に詰りなどないか確認しましたが問題ありません。

これはドレンポンプが作動すると水中に溜まった堆積物が吸い上げられて吸水口にくっつきフタになってしまったため排水されず、フロートスイッチが作動して異常水位を検出してエラーを出したものと判定しました。

分解した機会に熱交換器に積もったホコリもお客さまが掃除してくれました。

吸水口も洗って取り付けました。
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ドレンパンに満水近くまで注水してパネルを取り付け絶縁抵抗を測定したらブレーカーをON。

注水した水で再度”異常水位検出”のエラーがでることを確認して再度リモコンで停止、運転と入れ直しエラーが消えて正常運転となりました。
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そしてこちらのエラーが消えたことで隣の壁掛け型エアコンも正常に冷えるようになり完了です。

なお、このドレン水位に関するエラーは壁掛け型エアコンなどではセンサーが付いていないためありません。そのためドレンが詰まったりするとドレンパンからオーバーフローしてそのまま水漏れを起こします。

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2017年8月28日 (月)

フィルター自動掃除機能の実態

エアコンの効きが悪いとの依頼を受けて出動しました。(横浜市)

依頼内容は”エアコンを引っ越し業者で移設してから効きがイマイチよくない”、”数年前から効きが悪いが今年は特に効きが悪くなった”、”煙が室内機から出てきた”という内容のものでした。

早速訪問して冷房運転をしてみます。リモコンの温度が23℃に設定されていて冷房が効かないため下げたそうです。

まずは室外機を確認。回り始めから戻り側の管が冷えてきました(普通は冷えるまでしばらく時間がかかります)。室内機の汚れかなと思い、椅子をお借りして吹き出し口に手をかざしてみると、”ポッ、ポッ”と一部分から風が出ているだけになっていました。

フィルターを見てみると
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アップでは
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こういうフィルターではありませんので(念のため)

これはフィルター自動掃除機能付きのエアコンでよくある詰まりかたで細かいメッシュにブラッシングなどでホコリがすり込まれてしまう症状です。

なぜこのようになるかというと、あるメーカーが自動掃除機能付きエアコンを発売したときのキャッチコピーに”10年間手間いらず”と言ったことや、売り文句に”エアコンが自分でフィルターを掃除してくれます!”といって販売するため、ユーザーは”掃除しなくていいもの”と思ってしまうためです。

自動掃除機能は、自身の手で掃除する頻度は減らせてもやはり人が手入れをしなければならないという、まやかしのようなものです。

このような機能の付いていないエアコンでは効きが悪いと感じたときに「フィルターが汚れてるかな」とユーザーが確認しますが、自動掃除機能が付いていることによりそれをしなくなります。フィルター詰りによる不具合で点検依頼が増加しているのもこれが原因になっています。

効きが悪くなるだけであればまだ良いですが、最悪は冷媒サイクルを壊し重修理(高額)を要する故障になることもあります。

室内機から出てきた煙は、無臭だったそうなので風量低下で熱交換器が凍ってドライアイスの煙のように空気中の水分が白く見えたものです。

エアコン本体は
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フィルターが詰まることにより室内機のありとあらゆる隙間から吸気をするようになってしまうためホコリで詰まります。

このような状態でエアコンをかけると室内機の内部だけがリモコンの設定温度に到達して部屋が冷えたと判断し、室外機が止まって室内は暑いままとなります。そのため設定温度をいくら下げても部屋は冷えません。

掃除機をお借りし室内機のホコリを吸い取っている間にフィルターを洗っていただきました。
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フィルターは見通しが効くくらいきれいになりました。

アップで
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奥に見える熱交換器はほとんど汚れいていません。風も安定して吹き出すようになりました。

ファンには少しホコリが積もり始めていますので多少の風量低下はあるかもしれません。
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でもそれほど問題になることはなさそうです。

エアコンの状態を確認します。

圧力測定(低圧)
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バルブ部温度測定
往き側
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戻り側
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少し膨張弁が開き気味かなとも思いますが、こういうエアコンのコントロール(プログラム)かもしれません。

室内機温度測定
吸い込み
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吹き出し
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問題ないでしょう。部屋も冷えてきました。

このような自動掃除機能はデメリットが多いので耳触りのいい宣伝はやめてもらいたいものです。

無駄な機能は削ってその分を安くしたり、他の重要な部分へ注力したほうが良いように思えます。

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2017年8月19日 (土)

危険 エアコン落ちた!

電話で「エアコンが落ちてしまった」との依頼をいただき早速修理に訪問しました。(川崎市中原区)
ブログを見てご連絡をいただいたとのこと有り難うございます。

到着して拝見すると、
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落ちてます。

でも壁から出たパイプが短いことやカーテンボックスがあって下まで落ちずに他に被害は無いようです。
溜まっていた水がこぼれ落ちるためタオルやビニール袋で受けて、室内機がこれ以上落下しないようにヒモで括ってありました。

裏側は、
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ボードアンカーが壁から抜けています。

据付板を外して裏から見ると
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石膏ボードに4本で固定されていました。

重量のかかる上の部分は2本だけで、それも上端の穴より下がった位置で強度不足。しかも使用されていたものは”ねじ込み式”と呼ばれちょっとした荷重の変化で石膏ボードを破壊して抜けてしまうため重量物を固定するには不向きです。

アップで見ると
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このように巻貝のようになっています。

ボードアンカーを外して
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次に取り付け方法を考えます。
壁を調べると本体の左2/3位まで内部にエアコン固定用の補強板(木板)が入っていることが分かりました。
(写真ではすでに新しいボードアンカーを打ち込んであります。)
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石膏ボード表面から30㎜程奥にあるため設置工事をした業者さんはわからなかったのでしょう。

右側は補強板がなく空洞のためボードアンカー(カサ式)を使用します。
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カサ式のボードアンカーは壁の裏側で広がるため強度があります。

室内機のすぐそばに高いベッドがあり容易に触れることができるため通常よりも多めに固定します。
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古いボードアンカーの抜けた穴はパテで埋めました。
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中央から左は壁内の補強板へ直接ネジで打ち込み強固に固定します。
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計測すると壁の表面から補強板(板厚約10~12㎜)まで約30㎜、コンクリート躯体までが約60㎜でネジの長さは50㎜のトラスタッピングを選定しました。
板を突き抜けてコンクリートの手前で止まる長さが最適です。ここでネジが長すぎてコンクリートに地付きしてしまうと補強板の強度が一気に落ちます。(補強板ごと剥がれて落下する事例もあります)

固定が終わって室内機を掛けましたが試運転や確認事項等で気を取られ写真を撮り忘れました。
(もちろん下部も固定しています。)

絶縁抵抗、振動や異音の有無、温度、ドレン排水状況等を確認して完了しました。

帰ってしばらくすると別の方から「エアコンが落ちそうになっている」との連絡をいただきましたが、当店作業エリアから離れておりお伺いすることはできませんでした。(すみません)
室内機の上の隙間が大きくなってきて気が付かれたそうです。

室内機の落下事故は結構発生していて依頼があります。
設置状況によって壁、床、家財を壊したり、落ちるタイミングが悪いと人的被害も出たりします。

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2017年8月17日 (木)

雷の影響でエアコン止まる?(誘導雷)

エアコンが冷えなくなったので点検をと依頼をいただきました。(川崎市内)

うちとは別の業者さんで過去2度ほどガス補充をしているそうで、今回もガスが減っていると思われるので漏れ箇所を修理し直してもらいたいとのことでした。

なおガス補充をすると機器が正常なのか分からなくなることがありますのでしてはいけません。ガスを入れる場合は全量を計測して入れ替えるのが基本です。特に引越しの移設の際に商売目的で”ガス補充を”という業者は要注意です。

到着してまずは冷房運転開始。なんとなく風がぬるめで正常なのかよくわかりませんので圧力計でガス圧を見てみます。

停止時の圧力は2.2MPa(写真がありません。)この日は非常に暑く外気温が36℃くらいあったと思いますので飽和温度と照らしても悪くありません。

続いて冷房運転で低圧圧力を測定
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約1~1.1MPa

バルブ温度を測定
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液管側(往き側)は23℃

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ガス管側(戻り側)は14.5℃

戻り側のほうが温度が低くガスが蒸発して戻っているのがわかります。飽和温度と比べても過熱度(SH・スーパーヒートともいいます。)も問題ないようです。バルブ温度なのでコンプレッサーに入る手前ではもう少し過熱度は上がると思います。

 昔は詳細判定法のひとつとして過熱度でガス(冷媒)の量を判断出来ましたが、今どきはインバーターでの回転制御(コンプレッサーやファン)に電子膨張弁での冷媒流量制御と電子の技術でコントロールされ正確にはわかりません。まあ参考程度にはなります。

近頃エアコンも洗浄されたとのことで室内側の熱交換もうまくできているのでどうやらガス不足ではないようです。

室内機の温度を測定。

吸込み温度
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30℃

吹出し温度
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15.5℃

問題ないレベルです。

お客さまとの話の中でこれまではエアコンを運転してもすぐにランプが点滅して動かなかったとのことです。

ではリモコンでエラーを確認してみます。
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U4異常。

U4はシリアル信号異常となっています。シリアル信号は室内機と室外機の制御基板が連絡を取り合うものです。現在は正常運転しているためこれは過去の記憶で、その後自然に復旧していたようです。

コンセントを差し直して(リセットして)運転すると
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その後は”00正常”となって帰るまで再発しませんでした。

このような場合に考えられるのは外来ノイズや落雷などの影響で一時的にエラーを出してしまうことです。

こちらのお宅は高台にありますので周囲をみるとあちらこちらに畑のようなところの中にも避雷針が立っていて落雷の影響が多いことがわかります。

誘導雷(ゆうどうらい)などが考えられ、これは周囲(時には遠方)に落ちた雷で電線に誘導された電気が走り回り機器などに影響を与えるものです。

 昔、周囲に建物のない開けたところに建っている大きな倉庫へエアコンの定期メンテナンスで行きましたが、屋上(地上高もかなり高い)に業務用エアコンの室外機がたくさん設置してあって、メンテナンスのたびに数台の室外機が意味不明のエラー(エラーコード表にない)で停止していて電源リセットで正常運転に復帰するということがありました。
 そして周りは複数の避雷針とそれにつながるアースラインが室外機の近くを通してあり影響を受けていたのだと思います。

エアコンに異常が出たら一度コンセントを差し直してみて正常に動くか確認し、再発するようであれば点検依頼をしましょう。

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2017年8月12日 (土)

エアコンの効きが弱い・・・汚れと思ったらガス漏れ。

今回ご依頼いただいた内容は2年程前にガスの補充をどこかの業者さんにしてもらったけれど、また冷えなくなってきた。というものです。(川崎市内)

ルームエアコンにガスの”補充”をするのはよくありません。封入されている量がわからなくなってしまい、エアコン本体が正常なのか故障しているのか判断が難しくなります。また過充填(オーバーチャージ)になることもあります。

実際に漏れてガスが不足したのであれば修理しないとまた漏れて冷えなくなることが予想されます。

到着して状態を確認します。冷房運転して室内機の吸込み、吹出し温度は悪くありません。しかし室内機から吹き出している風があばれていて安定していないのでフィルターなどが汚れていると判断しました。

フィルターを外して室外機のバルブ温度を測定します。

往き側14℃
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戻り側10℃
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問題ないように運転しています。

室内機の内部をのぞいてみると、
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熱交換器のフィンに結構ホコリが溜まっています。

吹出し口は
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ファンをよく見ると
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ファンにもホコリが積もっていますので風はサージングを起こして安定しません。お客さまにはエアコンの洗浄を依頼していただくようにお話ししました。ところが・・・

しかし2年前にガス補充をしたとのことで念のためリークディテクターでガス漏れ検査をすると、
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室内機の吹き出し口を検査しています。

”ピピピピピピピ・・・・・・・”bearing盛大に漏れ反応
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フラッシュの光でランプの点灯が確認できませんがフルスケールで反応しています。室内機の熱交換器からガス漏れです。位置的にアルミフィンに覆われた銅管に穴が開いていると思われ、ここは溶接修理もできません。高額修理となります。

購入から12年経過しているとのことで残念ですが買い替えを検討していただくこととなりました。

今回の事例はガスが漏れて冷房能力が低下していたのですが、室内機の汚れで風量も低下して冷媒サイクルとしてはうまくバランスが取れてしまっていたのでしょう。

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2017年8月 4日 (金)

複数のジョイントでガス漏れ修理。

一台のエアコンで何か所もガスが漏れていたケースです。(川崎市内)

カメラを車に忘れてきたため途中まで写真がありません。

今回のエアコンは10年以上前に取り付けられたもので、去年は吹出し口から水が飛んでいたけれど今年はそれに加え冷えなくなったとのことでした。

この症状で一番考えられるのはガス不足。その他にもいろいろありますが可能性の高いものからあたっていきます。
ガス不足で吹出し口から水が飛んでくるのは説明が大変になるので省略します。

運転するとやはり冷えません。エアコンを停止して圧力計をあてると気温に対して低めでガス不足です。ほとんど空に近い状態です。
ちなみに圧力計でガスが少ないと分かるのはかなり減ってからで、多少不足していてもわからないものです。

リークディテクター(漏れ検知器)でガス漏れ箇所を探します。
しかしこちらのエアコンはマンションに設置されたものなのですが、パイプが新築時に壁内に埋め込まれている埋設配管(隠ぺい配管)で、中継用ジョイントを含めると接続箇所が12か所(12コのフレアが)あります。

室内機背面のジョイントを調べたり、壁の点検口をあけたり、配管化粧カバーを外して漏れている場所を探します。

当方の使用しているリークディテクターは非常に高感度ですが反応が出たのは壁内点検口内のジョイント部で、しかも出たり出なかったりと安定していません。
これはかなり微量の漏れですがガスと共に漏れたオイル(ガスと一緒に流れるコンプレッサーオイル)が付着しています。設置当初から十年以上かけて少しずつ漏れていたのかもしれません。

室内機の背面にあるジョイントもリークディテクターでは反応なしでしたがオイルが付着していたので漏れていたと判断できます。

お客さまにお話しし修理することになりました。

まずは壁にある点検口内のジョイントから直します。
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すでにフレア加工をしているところです。

接続完了
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フレアナットやユニオン(中継用の部品)は不具合ないのでそのまま使用します。

続けて室内機背面のジョイント直し
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室内6か所のジョイントをすべて直しました。しかし全部締め付けが緩かった感じです。
室外側に漏れがなかったことを考えると、このエアコンを取り付けた業者さんは二人で室内と室外で分かれて作業したのかもしれません。
この業者さんあちらこちらでガス漏れを起こして大変な思いをしたかもしれませんね。(しかしこの安定した締め付けの甘さはトルクレンチを使ったのかも)

直した部分で切り取ったフレアです。
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フレア周囲がかなり肉厚になっていますので締めが甘かったのが伺えます。仕上がりもいいとは言えません。

背面を見ると
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2分側の背面に黒く変色しているところがあります。これは結露した水によるものですが、フレアナットの締め付けが甘く水の入る隙間があったということになります。ただしこのフレアに限ってはガスは漏れていなかったと思われます。漏れている場合はオイルが出て水ははじかれます。

そのためきれいな銅の色をしているほうが漏れていた可能性が高い部分となります。

接続完了で真空引きをしながら保温や外したところを元に戻します。

断熱材を巻いて
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ビニルテープ、コーテープ巻きが終わってさらに防湿テープを巻きました。
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点検口の中はほかにツッコミどころもありますが目をつぶってフタをします。

真空引きが終わったらガス量を確認して
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ガスチャージ中
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規定量封入
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運転して冷えを確認したら完了です。

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2017年8月 2日 (水)

冷房していたら勝手に暖房になった?

毎日蒸し暑いですね。

今回はエアコンで冷房をかけていたら急に暖房になってしまった事例です。(横浜市内)

エアコン本体は16年ほど使用されたとのことで部品の有無も気になるところです。
現地に到着してリモコンで冷房運転すると室内機から熱い暖房の風が出てきます。

四方弁が暖房にシフトしたままになっていますが、室外機を点検する前にメーカーへ部品の有無を確認します。
考えられるのは室外機制御基板不良、四方弁コイル断線、四方弁本体不良。このうち四方弁本体不良は修理費が高額になるためエアコンの使用年数からして除外します。

コイルは在庫ありで基板はすでになくなっていました。もしコイルもなければここで終了となります。

室外機を開けて点検します。

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四方弁のコイル(青い部分)に断線が無いか確認します。

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テスターであたって断線はありませんでした。

四方弁本体の固着も稀にありますが今回は冷房中に突然暖房になったとのことなので、それはないと判断しました。

次にリモコンで冷暖房を切り替えて基板からの出力電圧を見ます。
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コネクタピンをテスターで計測。

この機種は冷暖房どちらかで電源電圧と同じ100Vがコイルにかかって励磁(コイルに電気が流れて磁力を帯びること)されるようになっていますが、
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テスターの表示では2.169V(約2V)で冷暖房共に電圧が出ませんでした。

このエアコンは冷房時にコイルが励磁されるようになっています。基板上の電磁リレーが作動しなくなったため四方弁が暖房側にシフトしたままになってしまいました。

電磁リレー
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黒く四角いのがリレーです。ここの手前までは100Vがかかっていてヒューズも切れていませんでした。

この機種は昔のタイプで冷房時(逆のものもあります)にコイルに常時交流100Vが印加されるようになっています。現在では直流で始動時のみ数秒程度かけるだけで、冷暖房の切り替えは+(プラス)、-(マイナス)の極性を逆転させておこなっています。省エネへのこだわりでしょうか?

また、このコイルでは力不足でいきなり四方弁を動かすことはできません。小さな弁を動かしてコンプレッサーの吐出側(高圧)と吸入側(低圧)の圧力差を利用して本体の大きな弁を動かします。

今回は残念ですが部品がないためエアコンの買い替えとなりました。

お客さまで新しいエアコン本体を購入調達されて後日入替工事に伺いました。有り難うございました。

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2017年7月27日 (木)

フリービルトイン基板交換

”フリービルトイン”と呼ばれるエアコンは天井内や壁の中、床下などへいろいろなオプションパーツを使用して設置できる機種です。

私も25年位前まではよく取り付けた記憶があります。
大工さんとの打ち合わせや壁の加工など結構たいへんな機種です。

今回はフリービルトイン室内機の基板交換です。(横浜市内)
室内機は押し入れ上の天井内に設置されていました。

点検では室内機がリモコンでも本体側スイッチでも動かなくなっています。
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前面の壁に付いている吹出しグリルを外してリモコン受光部兼スイッチがあります。

エアコン本体にある銘板シール
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1995年製(実は前回書いた記事と同じお宅の別のエアコンです。)

電装カバーを外してみるとこんな感じに設置されています。
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制御基板を見ると熱で黒くなっているところが2ヶ所ほどあります。
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近くで見ると
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だいぶ黒ずんでます。抵抗器の熱によるものと思われ、お客さまは「あまり使用しないエアコン」と言ってましたので運転中だけでなくブレーカーで電源が投入されている間はずっと熱くなっているのでしょう。

温度を測定してみると
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こちらは基板の上のほうにある抵抗器で66℃を表示しています。

そして下のほうの抵抗器も測定します。
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見にくいですが31℃を表示しています。(抵抗器に巻いてあるガラスチューブの赤いレーザーポイントが測定中心部です。)

31℃は天井内の温度とほとんど同じで熱は出ていません。ということはこの回路は既に機能していないことがわかります。

「半田を上げ直せばなおるんじゃないの?」と考える方もいるかもしれませんがエアコンなどモーターを回すような機器では危険な場合がありますので基板を丸ごと交換します。

メーカーさんの部品もあって取り寄せ後、交換作業に入ります。
やはり通常の壁掛け型ルームエアコンとはちがって部品の在庫を長くしてくれているようです。

部品が入荷したときに開けて間違いがないか確認するのですが、点検時の記憶と部品の配置がかなり異なっていてメーカーの技術部に電話したところ間違いなしとのことです。

再訪問して修理を開始。故障した基板と新品を並べてみると
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だいぶ変わりました。左が新品、右が故障している基板。熱を出していた抵抗器が消えています。

改良がおこなわれたようで、先ほどの半田上げ直しはしない理由としてこのようなこともあります。

これなら熱で基板が壊れる心配も少なくなります。

基板を取り付けて
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電装カバーを取り付けて
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いつもどおり絶縁抵抗測定して問題なし。冷房運転して「涼しい~good」。

修理完了。

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