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エアコン修理作業

2018年5月28日 (月)

船のエアコン修理

note うーみーはー ひろいーなー おーきーなー っと

今回は船(クルーザーというみたい)に搭載されている海外製エアコンの修理でコンプレッサー交換を行いました。

場所は横浜ベイサイドマリーナ。広々していて気持ちいいです。

といっても船のエアコンの修理は初めてです。なので事前に保険屋さん(生命保険ではありませんよ)に問い合わせて適用外ではないか確認してから請けました。

現地に着くとすでにエアコンユニットが外されていました。
船のエアコンユニット
さっそく作業開始。

上にある四角くループになったところは熱交換器で二重管構造になっていて内側を冷媒、外側を海水が流れる仕組みのようです。
このユニットには四方切替弁が付いているので冷暖房ともこの仕組みで熱交換するようです。
これはあくまでも熱交換のみで海水を室内機へ送るのではありません。一般のエアコンの室外機がファンにより風をあてて大気で熱交換するのに対しこちらはポンプで海水を送り行っています。

雑巾のようなものがありますが作業の火炎で周囲にある補器類(圧力スイッチなど)に熱がまわらないように水にぬらしてかけています。

写真では見えませんがパイプにはヒートブロックという冷却材も付けています。

コンプレッサーのパイプを脱着するため溶接機を準備。
溶接機
ブタンガスと酸素でお気軽な溶接機です。

アセチレンを使用しないので軽くて酸素を使用するので火力は強力です。

全体に白い塗装が施されていますがそのまま火炎で焼き飛ばしてロウを溶かして引き抜きます。
ロウを溶かしてパイプを抜いたところ

コンプレッサーには吸入と吐出の管が出ています。
コンプレッサーの吸入管と吐出管

故障しているコンプレッサーを外したら新しいものに入れ替えます。
新品のコンプレッサー
製造がすでに終わっているようで入手に苦労されたそうです。

コンプレッサーをセットして今度はロウ付け作業。

いつものごとく作業に熱中して途中の写真がありません。

先ほどの吸入管と吐出管のほかにもう一本、サービス用のポート(今回は使用しません)があるのでピンチオフした単管をロウ付けして塞ぎます。

ピンチオフプライヤー
ピンチオフプライヤー
冷蔵庫屋さんがよく使う工具です。

このように使います。
ピンチオフしたところ
この先端にロウを盛って塞ぎます。

溶接作業が終わって窒素で漏れがないか加圧。低圧部もあるのであまり高圧力をかけてはいけません。15kg/㎠(約1.5MPa)で確認して漏れなし。

溶接したところを担当の方が白色に塗装して本体を船内にセットしました。

室内機へとつながるパイプのフレア接続部分はかなりあやしい状態ですが、フレアナットが外れずパイプもかなり硬いためとりあえずそのまま締めます。

でもやっぱりガス漏れ。down

太いパイプはどうにもフレア加工ができない状況なので躊躇せずパイプを切断sign01

これを使用します。
セージングツール
セージングツールでパイプを拡管します。

念のためと思い持ってきてよかった。happy01

拡管して
拡管したところ

エキスパンダーという拡管器もありますが、この太さのパイプはセージングツールのほうがきれいに広がります。

新しいパイプを継ぎ足してロウ付け
ロウ付け
船内機械室での作業なので周囲に熱の影響がないように養生して行います。

このような狭い環境では火炎の方向にも注意する必要があります。

うーん、船の揺れが気持ちいい。私は船酔いはしないので心地いいです。notes

ススを拭き取って
溶接個所のススを拭き取って

フレア接続
フレア接続
元から付いていたフレアナットはどうしても外れないのと対辺幅が日本とは異なるので交換しました。

細い管のほうは何とかフレア加工だけでいけました。
真空引き作業
真空引きを行って。

なつかしい昔の三方弁。
昔の三方弁
操作さえ分かっていれば現在のものより扱いやすい弁です。

ただ・・・弁のスピンドルキャップが・・・樹脂製でガス漏れが起きやすいかもしれません。昔の日本のものはキャップが金属でガス漏れ防止に銅のOリングが入っていました。

ガスチャージ
ガスチャージ
しかし風が出てきて船の揺れで目盛りが安定しません。

一瞬安定するときを見計らって充填完了。

ガスはR22で当方からも準備して伺いましたが担当の方から提供されたものを使用しました。
もうR22を使う機会もないので今回思い切ってボンベを返却することにしました。

冷房運転でしばらく圧力測定
圧力測定
このR22用マニホールドも久しぶりに使用します。

低圧4.5kg/㎠、高圧13.5kg/㎠。

担当の方から冷房温度はOKとのこと。はじめ高圧カット(ハイプレッシャースイッチ)が作動しましたがその後は順調。
高圧カットするほどの圧力でもなく、普通のR22のエアコンでは28(28.5)kg/㎠が高圧圧力スイッチの設定なので問題ないでしょう。(付いているものは塗装などで仕様がみえません。)

回路の接触不良や圧力スイッチのボケがあるのかもしれませんがその後再発しませんでした。

ようやく作業終了。coldsweats01メインのコンプレッサー交換よりもその他の作業のほうに時間がかかりました。

あたりは夕方です。
夕方の横浜ベイサイドマリーナ

しばらく潮風にあたりながらのんびり夕涼みしてから帰投しました。

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2018年5月 7日 (月)

劣化したパイプの補修作業

川崎市内にてエアコンのパイプ補修作業を行いました。

補修前の状況は
補修前のパイプ

こちらの面はまだそれほどではありませんが壁の向こう側の面はテープとドレンホースはなくなり、銅管の保温材もほとんど残っていない状態です。

上のほうをアップしてみると
銅管が露出
銅管が露出しています。

手前のほうも
ドレンホースに穴が開いている
テープのなくなっている部分はドレンホースに穴が開いています。

ドレンホースは手で触るとボロボロと砕けて崩れ落ちます。

エアコンのパイプ類は電線と銅管を除き、長期にわたる太陽の紫外線で劣化してこのようになります。

― 補修作業にかかります。 ―

上の写真で見えなかった面は劣化がひどく保温材は触ると粉状になって風で飛んでいってしまいます。

保温材を交換するため劣化し不要な部分は取り去りました。
劣化した保温材をはがしたパイプ

この面のドレンホースはすっかりなくなっていました。

壁にパイプを保持するため2ヶ所バンド固定してあったようですが現在はその形跡のみ残っているだけです。

保温材はこれを使います。
使用する保温材

銅管は細いもの(6.35mm、2分)と太いもの(9.52mm、3分)の2種類なのでそれに合った保温材を用意します。

それを銅管に巻き付けて仮のテーピングをします。
仮にテーピングします

このように保温に隙間ができないようにします。

ドレンホースは新品の高耐候タイプに交換しました。

仕上げに全体をテーピングをします。
仕上げのテープを巻きます

こちら面の保温材は劣化が少なく使用可能なのでドレンホースのみ交換しました。

テープも屋外用に厚みのあるタイプを使用。もちろん下から上へと巻きます。

完了しました。
配管補修作業完了

お客さまと相談しパイプを押さえるバンドも長持ちする硬質の樹脂製両サドルにしました。
硬質樹脂製両サドル

これならバンドが切れてパイプがぶらぶらする心配も少なくなります。

エアコン用に売られている軟質の片サドルでは荷重がかかっていると1年程度で切れてしまいます。これがエアコン用というのですからどうなんでしょう。coldsweats01

こちらのエアコンはかなりの長寿命。でもまだもう少しかんばってもらうそうです。樹脂製配管化粧カバーを使用してもこの年数には耐えられなかったかもしれません。

なおテープがはがれ始めたときに補修をすれば保温材はそのまま使用できることが多いので安く済ますことができます。

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2018年3月 3日 (土)

ルーバーがグラグラ

いつもお世話になっている賃貸マンション(川崎市幸区)の大家さんより、ルーバーが動かなくなったとの連絡が入り点検に伺いました。

こちらです。
180303_01

このエアコンは当店で5年前に取り付けたものです。

今回は上下風向を調節するルーバーです。

いままで住まわれていた方はすでに引っ越されて空室です。その方からは突然動かなくなったとのこと。

ルーバーはグラグラで見当も付いていましたが、
180303_02
やっぱり。

ルーバーモーターとつながる部分が割れています。エアコンでよくある故障のひとつです。

汚れ具合からして結構前に割れたことがわかります。我慢して使っていたのでしょう。

室内機の内側には
180303_03
欠けた破片がありました。

ルーバーを交換すれば直りますが、このエアコンは欠陥品で多発しているようで無償修理となりました。

欠陥品でなくとも年数の経ったエアコンでは手で無理にルーバーを動かすとこのように割れてグラグラになってしまうことがあります。

上下の風向は冷暖房効率を左右する大切な役目がありますので壊れたら直しましょう。

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2018年3月 1日 (木)

アース線の補修(前回の続き)

前回、リモコン受光部不良の修理を載せましたが今回はそれに続いてアース線の補修です。

アース線はこのようになっていました。
Img_1340_180228

これのどこが悪いのかというと
Img_1340_180228b
結露した水がアース線を伝ってドレンパンの外側へ流れて行ってしまいます。

熱交換器側部の折り返している管の表面に黒く薄い断熱材が貼ってありますが、これは断熱目的ではなく上からも滴下してくる水をドレンパンへ落ちるように導くためのもので結露防止を目的にしたものではありません。

本来は樹脂で製作するはずですが、製品化の直前またはその後に問題が判明して急ごしらえで張り付けられたような感じです。

断熱材は薄いので管に接触しているところは結露しますし、場合によっては上から水が伝ってくることもあります。

アース線の先、下側にはリモコン受光部もありますので、それが原因で壊れることも考えられます。

このエアコンは何回かクリーニング(洗浄)しているようで、前面グリルの脱着を何度も繰り返す間に元に戻せなくなりこうなったものと思われます。

アース線はどういうわけか“より線”が使用されています。
Img_1340_180228c
しかもこのつなぎかた・・・

ふつうは単線を使いますがねぇ。何かのあまり線を使ったのでしょうか。

素線径を計測して
Img_1345_180228
電線の太さを調べます。

0.9㎟しかありません。本当はもっと太いものを使用しますが今回は受光部修理のついでにサービスとして行うのでその部分は目をつぶって。悪いところを見つけてすべて直しているときりがありません。

車の中から
Img_1343_180228
丸端子を持ってきました。

より線をそのままネジにとめるのはちょっとムリがあるので端子を使います。

端子のスリーブの部分の太さは2㎟なので、
Img_1342_180228
フムフム。電線包合容量1.04~2.63㎟。

0.9㎟では細いので素線の数本を長めにして折り返し包合容量内に納めます。

そしてこれ
Img_1344_180228
裸圧着端子とスリーブ用(赤色)の圧着ペンチです。

リングスリーブ用(黄色)のペンチでなんでもかまわず圧着している日曜電気工事屋さんもいますがいけませんよー。

またこの赤色の圧着ペンチでリングスリーブは圧着できません。P形スリーブ用です。

圧着
Img_1346_180228
2㎟のダイスで圧着したことを示す“2”が刻まれます。

あとはエアコンの前面グリルを戻してアース線を接続します。
Img_1347_180228
これが本来のアース線ルートです。

Img_1347_180228b
アース接続端子部から線が上へのぼっているので水はきません。

これで水漏れの心配はありません。

そして今回の修理はすべて終了。
Img_1350_180228

長持ちしますように。

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2018年2月27日 (火)

リモコン受光部不良の修理。

まえに載せたこちらのリモコン受光部不良の続きで今回は修理です。

発注していた受光部がメーカーから届きました。
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なんたって20年前のエアコンなので部品が残っていたこと自体驚きですが。

中身の受光部基板を出します・・・
Img_1337_180227
あらら・・・基板じゃなかったdown

届いたときに箱を開けてみたところ基板ではなく受光部だけでした。

10年以上前に三菱電機で同じように受光部だけで部品がきたことがありましたが(たしか¥200位だったような)今回は価格的に基板と思い込んでいました。箱の大きさも受光部基板なのですが・・・

そこで今回は半田ごての登場です。
Img_1352_180227
個人的な用途以外で半田ごてを使うことはほとんどなくなりました。

この半田ごては通常20Wで黄色のボタンを押すと130Wにパワーアップ(ただし短時間)できるので今回のような部品交換には熱量をコントロールできて便利です。

修理前
Img_1289_180227
コネクタで線を取り外せると思ったら抜けませんでした。

どうりでこの機種は受光部品のみで売られているわけです。線は室内機の制御基板につながっているので、もしかすると以前は受光部を発注すると制御基板ごと交換するように部品設定されていたのかもしれません。現にそのような機種はあります。現在はこの機種の制御基板はすでに在庫がなく入手できなくなっています。

受光部品だけは汎用品でも市場に出回っているので残っていたのかもしれません。

それでは脚立に上って作業します。

基板を裏返してアルミテープなどで仮固定し部品の半田を吸い取ります。
Img_1330_180227

この部品のように何本も足があると半田を取り除かなければうまくいきません。

吸い取りには
Img_1351_180227
これを使いました。

銅を編んであるもので、半田ごてで基板についている半田とこの銅を熱すると毛細管現象のように吸い取れます。

吸い取り完了。
Img_1332_180227

不良の受光ユニットが取れました。
Img_1333_180227

新しい受光ユニットを基板に差し込んで今度は半田付けをします。
Img_1338_180227

受光部品は熱に弱いので時間をかけずにできるだけ速く半田をつけなければなりません。

念のため受光部にアルミテープを貼り付けて放熱性をよくしました。コテも半田がのったらすぐ離します。

脚立上での作業で腕を支えるところがないためコテ先がプルプルしてやりずらい・・・

半田付け完了
Img_1339_180227

基盤をもとに戻します。
Img_1341_180227

リモコンを使用して一通りの操作をして問題ないことを確認し修理完了です。

 このあとアース線の補修もしましたがそれはまた別に書きます。

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2018年2月18日 (日)

エアコンのリモコンが利かない(受光部不良)

川崎市にてリモコンを操作してもエアコンが反応しないとの依頼をいただき点検に伺いました。

 お問い合わせをいただいたメールにはエアコンの型式や現況が記載されていました。
 メーカーへ確認したところエアコン本体の製造は'96年頃。心配しましたがリモコン送受信関連の部品はまだ在庫ありとのこと。修理できる可能性が高いことをお客さまに返信し点検日程を調整いただきました。
 20年経っても残っている部品あるんですね。

 お客さまご自身でリモコン不良かもしれないと別の汎用リモコンで試したそうですが反応せず。そしてエアコン本体にある応急運転スイッチでON/OFFできることを確認済みとのことです。

 点検当日、訪問予定時間の1時間ほど前にリモコンで反応するようになった(直った)旨お電話いただきました。そこで点検キャンセルの話が進みかけたのですが、これはまた近いうちに再発すると判断し、再発したらすぐに部品を調達して修理できるよう点検だけしておくことをお勧めしました。

 予定時間になり現地到着。車から降りてご挨拶をしたところでお客さまから、電話の後しばらくしたらまたエアコンが反応しなくなったとのこと。
 帰らなくてよかったー。

ではまずリモコンが正常か確認します。

リモコンには送信部(発光部)に赤外線発光ダイオード(LED)が使われています。
Img_1292tc180218
モノによっては黒いシールドが付いていて見えない場合があります。

 なお、光は可視光線外の波長のため直接目で見てもまったく見えません。

 そこで登場するのが液晶ディスプレイ付きのデジタルカメラ。昔はこんな便利なものはなかったのでAMラジオの音で確認していた時もありました。

デジカメのディスプレイを見ながらリモコンを押すと
Img_1293tc180218
このように光って送信していることが確認できます。
 (現地では発光を撮影できなかったので別の写真を使用しました。)

 リモコンは問題ないでしょう。

では次にエアコン本体
Img_1288t180218
長年(20年以上?)のお勤めごくろうさまです。

 暖房運転で動いていました。効き具合はいい感じです。

 吹き出し口の右の黒い丸がリモコン受光部です。念のためリモコンを近づけて操作しても反応しません。

 運転を止めて室内機の全面グリルを取り外して受光部を直接見えるようにします。

受光部
Img_1289tc180218
オッ、このタイプか。

 これは受光部内のパーツとリード(配線)が接触不良を起こしやすいタイプです。

アップで見ると
Img_1289tcu180218
結露によるものか、自然になったのか不明ですがリードに電食のようなサビが付いています。

とりあえず応急処置をします。
 部品から出ている3本のリードを指でクィクィと揺らしてやります。そしてリモコンで操作すると“ピピッ、ピピッ”反応するようになりました。

 ただしこれは修理ではありません。昔のテレビをたたいて直すようなものです。早ければ1時間以内、長くとも数週間後にまた再発する可能性の高い症状です。

 部品のメーカー在庫があるうちに修理することになりました。部品入荷後に再度訪問します。

では一旦室内機を元通りに戻して。

あれ?
Img_1290tc180218
電線接続部のカバー兼電線押さえが付いていません。

 カバーはネジで固定するようになっていてネジ穴にはネジを入れた形跡がないので、20年前に取り付け工事をした業者さんがインチキして持って帰ったと思われます。

 後で写真を見返したらアース線のルートも間違っています。エアコンをわからない人がアース線をいじったのでしょう。これでは熱交換器の結露水がアース線を伝わって水滴が落ちる可能性があります。
 アース線は部品交換時に直すことにします。

電池を交換してもリモコンが利かない場合はお気軽にご相談ください。

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2017年11月24日 (金)

室内機から異音で点検。

川崎市高津区で新規のお客さまより室内機からカタカタと音がするとの点検依頼を受け訪問いたしました。
(当店をお選びいただき有り難うございます。)

到着して音を確認するため運転スイッチを入れていただきました。

室内機の右側から「シャッ、シャッ」と送風ファンの回転に合わせて擦れている音が出ています。
Img_0917tc
ファンの回転速度が上がるとカタカタという音になるようです。

お客さまで特にファンに触れるようなことはなかったそうです。

ファンが周辺のケーシングに擦っているようなので前面グリルをはがしてモーター部分を見てみます。
Img_0916tc

モーターを軸部分にドライバーを使用し移動させ音の出なるなるところを探します。この応急処置でとりあえず音は出なくなりました。

モーターを支えているゴムのブッシュなどがヘタって沈み込みケーシングに擦るようになった可能性もありますが、メーカー技術部でもこの機種で前例情報を把握している様子もなく当店でも初めて見た事例です。

お客さまの話では、このエアコンは一度お引っ越しの移設時に業者が持ち帰って分解洗浄をしているとのことで、その時の組み付けミスや部品の紛失、破損なども考えられます。

この機種は室内機を一度取り外してすべて分解しないとモーターにアクセスできないとのメーカー技術部の話だったので、この状態でしばらく様子を見ていただき再発するようであれば部品を取り寄せて修理をするか、もしくは使用年数を考慮して買い替えを検討していただくことになりました。

今回はメーカーさんから修理対応に備え展開図(PDF)を送っていただいてます。
Tenkaizu
ぼかしてあります。

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2017年10月 1日 (日)

室外機から「バンッ!」と音がして動かなくなった。

エアコンを運転したら室外機から「バンッ!」と音がしてそれっきり動かなくなったとの依頼をいただきました。(川崎市高津区)有り難うございます。

今回の機種はシャープAY-C22EX(室外機AU-C22EXY)でそれほど古くもありません。

エアコンを運転するとタイマーランプが点滅して”故障中(異常検知)”を表示しています。

確認モードにして
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点滅回数を確認。

エラーコード表を見て
Img_0598t
”シリアルオープン/誤配線”となっています。

お客さまの話でバンッという音の後から室外機が動かなくなったとのことでしたので、おそらく室外機からの応答(シリアル)がないのでしょう。

疑わしい室外機を確認します。
Img_0600t
外観は何の変哲もありません。

室外機をばらして基板を見ます。
Img_0602t
小さな焼けがあります。

大きくすると
Img_0603t
こんな感じです。

基板をカバーしている鉄板の裏側も
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少し焦げています。

基板を下からのぞくとパワーモジュール周辺の抵抗が焼損しているのが見えました。
Img_0628t
残念ながら入り組んでいて撮影することはこの段階ではできません。

念のためコンプレッサーを調べます。
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コンプレッサーにつながっているリード線を外して
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テスターと絶縁抵抗計で測定しましたが巻き線に異常はありません。

今回のように焼損をするケースでは発火の可能性もありますので、メーカーへ事故の前例やリコールなどがないか確認します。
「前例やリコールなし」とのことで単に基板が何らかの原因で壊れたということになりました。

前日に大雨が降ったのでそれが起因しているのかもしれません。

お客さまより修理の依頼をいただき部品を取り寄せました。

基板交換をします。
基板を外して
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外してみると焼けている抵抗が見えます。
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基板を新しいものに取り換えて配線を戻します。
Img_0634t
Img_0635t

上面から
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金属のフタをします。
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続いて電線の接続を直しました。
元の状態はこんな感じ
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いつも思うのですがエアコン工事人に電気工事士はいないのか?、それともこの程度なの? と呆れています。

芯線もシースもムキが長すぎで端子台から銅線は露出しているし、電線を押さえる部分もシースではなく中身の絶縁電線。このムキ方は”工事スピード追求”でワイヤーストリッパーを使用したものです。エアコンのような端子台には不向きな工具で細かな長さ調整ができません。
”工事が早い=雑”という典型的な例です。

直しました。
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工具も適材適所で使い分けが必要です。

切り取った電線の皮むき長さは
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20㎜位あります。この端子台は15㎜なので5㎜ほどオーバーしていました。

あとはすべて元に戻して運転開始。エラーも消えてチェック項目もすべてクリアで修理完了しました。

取り外して持ち帰った基板をよく見ると
Img_0656t
特にこの部分の破損が目立ちます。

上の部分にあるファンモーター用のドライバICと思われる部品は
正面の一部に丸く割れて飛んでいます。
Img_0654t

側面は割れています。
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パワーモジュール、ダイオードスタック放熱用のアルミも焦げ跡
Img_0653t

今のエアコンは制御から整流、インバーター系統まで一体の基板で修理も楽になりました。昔はバラバラだったのでトラブルシューティングがしっかりできないと別の部品を取り替えてしまうというマヌケなことが起きましたから。

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2017年8月31日 (木)

天井カセット、ドレン水位異常。

外出している時に電話が入り、「天井に付いているエアコンが水位異常でエラーが出て動かない。隣の部屋の壁掛け型エアコンを代わりに動かしたら冷えなくなっていた。」との内容で点検依頼をいただきました。(ご依頼いただき有り難うございます。)

場所は川崎市高津区、早速出動します。

到着して一通り設置状況を見て回ります。
・天井に付いているカセット型エアコン(通称:天カセ)は本体のタイマーランプが6回点滅で”異常水位検出”を表示しています。
・隣の部屋の普通の壁掛け型エアコンはリモコン操作で風は出ますが冷えていません。

冷えない壁掛け型の室外機の状態を確認するため外にでます。

Img_0492t

室外機は室内機を2台接続できるマルチでした。天井カセット型と隣の部屋の壁掛け型がつながれていますので、どうやらカセット型のエラーで室外機が動かず隣の壁掛け型も冷えなくなっていたようです。

ということでエラーを出している天井カセットを点検します。

”異常水位検出”のエラーは何かしらの原因で除湿水の排出が出来なくなって、ドレンパン(水をためる受け皿)が満水になったときに出ます。その他にそれを検出しているセンサーなどが故障の場合もあります。この”異常水位検出”はこの機種の呼び方で、それぞれ”ドレン水位異常”など別の呼称になっています。

脚立を立てて室内機の近くへ上るとドレンポンプ(排水ポンプ)が回っている音が聞こえました。ブレーカーを落として天井に付いているグリル(パネル)を外しドレンパンの中に指を入れると満水なのが確認できました。

排水用のキャップを外して水を抜きます。
全体はこのような感じで
Img_0485t

近くで見ると
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水は1~2リットル出たような感じでした。

次にドレンパンを外します。外したドレンパンをご主人が受け取って洗って下さいました。その間に点検していきます。

Img_0486t

ドレンポンプ周辺は
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ポンプの横に水位検出用のフロートスイッチがあります。

ポンプをさらに近くで見ると
Img_0487tu
吸水口にドロドロとしたものが付いています。

ポンプの吸水口を外して、
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特に問題はありません。

お客さまがドレンパンを掃除し終えて「こんなに汚れているとは思わなかった、すごかった」と驚いておられ、大量に堆積物が溜まっていたとのこと。

念のためポンプからつながる排水管に詰りなどないか確認しましたが問題ありません。

これはドレンポンプが作動すると水中に溜まった堆積物が吸い上げられて吸水口にくっつきフタになってしまったため排水されず、フロートスイッチが作動して異常水位を検出してエラーを出したものと判定しました。

分解した機会に熱交換器に積もったホコリもお客さまが掃除してくれました。

吸水口も洗って取り付けました。
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ドレンパンに満水近くまで注水してパネルを取り付け絶縁抵抗を測定したらブレーカーをON。

注水した水で再度”異常水位検出”のエラーがでることを確認して再度リモコンで停止、運転と入れ直しエラーが消えて正常運転となりました。
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そしてこちらのエラーが消えたことで隣の壁掛け型エアコンも正常に冷えるようになり完了です。

なお、このドレン水位に関するエラーは壁掛け型エアコンなどではセンサーが付いていないためありません。そのためドレンが詰まったりするとドレンパンからオーバーフローしてそのまま水漏れを起こします。

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2017年8月28日 (月)

フィルター自動掃除機能の実態

エアコンの効きが悪いとの依頼を受けて出動しました。(横浜市)

依頼内容は”エアコンを引っ越し業者で移設してから効きがイマイチよくない”、”数年前から効きが悪いが今年は特に効きが悪くなった”、”煙が室内機から出てきた”という内容のものでした。

早速訪問して冷房運転をしてみます。リモコンの温度が23℃に設定されていて冷房が効かないため下げたそうです。

まずは室外機を確認。回り始めから戻り側の管が冷えてきました(普通は冷えるまでしばらく時間がかかります)。室内機の汚れかなと思い、椅子をお借りして吹き出し口に手をかざしてみると、”ポッ、ポッ”と一部分から風が出ているだけになっていました。

フィルターを見てみると
Img_0470t1

アップでは
Img_0470t2

こういうフィルターではありませんので(念のため)

これはフィルター自動掃除機能付きのエアコンでよくある詰まりかたで細かいメッシュにブラッシングなどでホコリがすり込まれてしまう症状です。

なぜこのようになるかというと、あるメーカーが自動掃除機能付きエアコンを発売したときのキャッチコピーに”10年間手間いらず”と言ったことや、売り文句に”エアコンが自分でフィルターを掃除してくれます!”といって販売するため、ユーザーは”掃除しなくていいもの”と思ってしまうためです。

自動掃除機能は、自身の手で掃除する頻度は減らせてもやはり人が手入れをしなければならないという、まやかしのようなものです。

このような機能の付いていないエアコンでは効きが悪いと感じたときに「フィルターが汚れてるかな」とユーザーが確認しますが、自動掃除機能が付いていることによりそれをしなくなります。フィルター詰りによる不具合で点検依頼が増加しているのもこれが原因になっています。

効きが悪くなるだけであればまだ良いですが、最悪は冷媒サイクルを壊し重修理(高額)を要する故障になることもあります。

室内機から出てきた煙は、無臭だったそうなので風量低下で熱交換器が凍ってドライアイスの煙のように空気中の水分が白く見えたものです。

エアコン本体は
Img_0472t

フィルターが詰まることにより室内機のありとあらゆる隙間から吸気をするようになってしまうためホコリで詰まります。

このような状態でエアコンをかけると室内機の内部だけがリモコンの設定温度に到達して部屋が冷えたと判断し、室外機が止まって室内は暑いままとなります。そのため設定温度をいくら下げても部屋は冷えません。

掃除機をお借りし室内機のホコリを吸い取っている間にフィルターを洗っていただきました。
Img_0473t1

フィルターは見通しが効くくらいきれいになりました。

アップで
Img_0473t2

奥に見える熱交換器はほとんど汚れいていません。風も安定して吹き出すようになりました。

ファンには少しホコリが積もり始めていますので多少の風量低下はあるかもしれません。
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でもそれほど問題になることはなさそうです。

エアコンの状態を確認します。

圧力測定(低圧)
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バルブ部温度測定
往き側
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戻り側
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少し膨張弁が開き気味かなとも思いますが、こういうエアコンのコントロール(プログラム)かもしれません。

室内機温度測定
吸い込み
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吹き出し
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問題ないでしょう。部屋も冷えてきました。

このような自動掃除機能はデメリットが多いので耳触りのいい宣伝はやめてもらいたいものです。

無駄な機能は削ってその分を安くしたり、他の重要な部分へ注力したほうが良いように思えます。

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