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2018年2月

2018年2月20日 (火)

ダイキンエアコンの新製品「risora」

 今度新しくダイキンのエアコン「risora」が発売されるようです。

 現物がないため写真はありません。ダイキンのサイトで確認するには「risora」で検索するとよいと思います。

 近年のエアコンは省エネと多機能に特化して厚みがあって非常に重いものが主流になっています。部屋の中でエアコンの存在感が大きく鬱陶しく思われている方も多いのではないでしょうか。またその重さのため壁を傷めたり歪めたりと建物への影響も大きくなっています。

 空調機(空気調和機)としてはできれば部屋の雰囲気を壊さないデザインのほうがよいのは当然です。

 そこでこの「risora」は室内機の厚みが停止状態で185mmと薄く、運転時に前面のパネルが開いてもデザインは大きく変わらないように工夫されているようです。(従来の一部機種ではパネルが開くと大変身してしまうものも・・・)しかもパネルは何種類ものデザインがあり部屋に合わせて選べます。

 またデザインにこだわっていても機能が損なわれないような設計がされています。
 30年ほど前にシャープから出ていたデザインにこだわり、前面グリルを部屋に合わせて交換できるエアコンを思い出しました。(どことなく雰囲気が似ているような)
 しかし「risora」はそれに加え気流やセンサー等にも配慮がなされています。

 これだけ薄く設計しているのでフィルター自動掃除機能は省かれているようです。でもはっきり言ってフィルター自動掃除機能は必要ありませんし、かえってフィルターを詰まらせてエアコンの寿命を縮める余計な機能になる場合もあります。掃除は人の手で行うのが一番きれいになり、同時に内部の汚れ状態も確認することができます。

 細かな仕様はまだ入手できないため不明な点もありますが、室内機が薄いということは壁に設置した際の重心が壁寄りになるため建物への負担も少なくなり、壁の強度が足らず設置できないということも少なくなります。

 近年多く出回っている分厚く不格好で設置できるお宅を選ぶデザインのエアコンの中に一石を投じるものとなるかもしれません。

 なお当方はダイキンさんの宣伝をしているわけではありません。空調専業メーカー(?)だからといって他のメーカーより優れているわけではありませんので。

 あとは実際に現物を見て施工したときにどの程度のものかわかると思います。

 ネット通販でダイキンエアコンを購入される場合は「量販店取扱商品」ではなく「ぴちょんくんのお店取扱商品」をお勧めします。

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2018年2月18日 (日)

エアコンのリモコンが利かない(受光部不良)

川崎市にてリモコンを操作してもエアコンが反応しないとの依頼をいただき点検に伺いました。

 お問い合わせをいただいたメールにはエアコンの型式や現況が記載されていました。
 メーカーへ確認したところエアコン本体の製造は'96年頃。心配しましたがリモコン送受信関連の部品はまだ在庫ありとのこと。修理できる可能性が高いことをお客さまに返信し点検日程を調整いただきました。
 20年経っても残っている部品あるんですね。

 お客さまご自身でリモコン不良かもしれないと別の汎用リモコンで試したそうですが反応せず。そしてエアコン本体にある応急運転スイッチでON/OFFできることを確認済みとのことです。

 点検当日、訪問予定時間の1時間ほど前にリモコンで反応するようになった(直った)旨お電話いただきました。そこで点検キャンセルの話が進みかけたのですが、これはまた近いうちに再発すると判断し、再発したらすぐに部品を調達して修理できるよう点検だけしておくことをお勧めしました。

 予定時間になり現地到着。車から降りてご挨拶をしたところでお客さまから、電話の後しばらくしたらまたエアコンが反応しなくなったとのこと。
 帰らなくてよかったー。

ではまずリモコンが正常か確認します。

リモコンには送信部(発光部)に赤外線発光ダイオード(LED)が使われています。
Img_1292tc180218
モノによっては黒いシールドが付いていて見えない場合があります。

 なお、光は可視光線外の波長のため直接目で見てもまったく見えません。

 そこで登場するのが液晶ディスプレイ付きのデジタルカメラ。昔はこんな便利なものはなかったのでAMラジオの音で確認していた時もありました。

デジカメのディスプレイを見ながらリモコンを押すと
Img_1293tc180218
このように光って送信していることが確認できます。
 (現地では発光を撮影できなかったので別の写真を使用しました。)

 リモコンは問題ないでしょう。

では次にエアコン本体
Img_1288t180218
長年(20年以上?)のお勤めごくろうさまです。

 暖房運転で動いていました。効き具合はいい感じです。

 吹き出し口の右の黒い丸がリモコン受光部です。念のためリモコンを近づけて操作しても反応しません。

 運転を止めて室内機の全面グリルを取り外して受光部を直接見えるようにします。

受光部
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オッ、このタイプか。

 これは受光部内のパーツとリード(配線)が接触不良を起こしやすいタイプです。

アップで見ると
Img_1289tcu180218
結露によるものか、自然になったのか不明ですがリードに電食のようなサビが付いています。

とりあえず応急処置をします。
 部品から出ている3本のリードを指でクィクィと揺らしてやります。そしてリモコンで操作すると“ピピッ、ピピッ”反応するようになりました。

 ただしこれは修理ではありません。昔のテレビをたたいて直すようなものです。早ければ1時間以内、長くとも数週間後にまた再発する可能性の高い症状です。

 部品のメーカー在庫があるうちに修理することになりました。部品入荷後に再度訪問します。

では一旦室内機を元通りに戻して。

あれ?
Img_1290tc180218
電線接続部のカバー兼電線押さえが付いていません。

 カバーはネジで固定するようになっていてネジ穴にはネジを入れた形跡がないので、20年前に取り付け工事をした業者さんがインチキして持って帰ったと思われます。

 後で写真を見返したらアース線のルートも間違っています。エアコンをわからない人がアース線をいじったのでしょう。これでは熱交換器の結露水がアース線を伝わって水滴が落ちる可能性があります。
 アース線は部品交換時に直すことにします。

電池を交換してもリモコンが利かない場合はお気軽にご相談ください。

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2018年2月16日 (金)

インバーターエアコンとは・・・

 インバーターエアコンをご存知でしょうか。

 とはいっても現在のエアコンはインバーターがあたりまえで、昔使われていたノンインバーター機(定速機)は一部を除いて発売されていません。

 そのためわざわざ“インバーター”を謳っている機種はないと思います。

 私が学校を出てこの業界に入る前の年あたりからインバーターエアコンが東芝から発売され、他のメーカーではまだありませんでした。
 しかしその室外機ときたら重いこと。28型(冷房能力2800kcal・当時はkWではなくkcal)で40㎏程度はあったと思います。

 インバーターはまだあまり世間で知られておらず室外機や室内機に“INVERTER”と記され、ランプなどで現在の周波数も表示されたりしていました。

当時エアコン工事に行きそのお宅のおばあちゃんが出てきて
 「そのクーラー(モノが)いいの?」
 私「はい、インバーターですからね。」
 「ふ~ん、インベーダーだかコンベーダーだか知らないけど。どうでもいいけど。」
 (どっちもちがいますよおばあちゃん・・・)
なんて会話もありました。

 その後、ナショナルが蛍光灯器具にインバーターを採用したり、他の家電品にも次々と搭載されて何でもかんでもインバーターといわれる時代になりました。
 その後、インバーターは珍しくもなくなりあたりまえの装備となっていきます。

 現在ではエアコンの動作説明をするときなど「インバーターの働きで・・・」といってもお客さまに伝わっていないなと感じることが多々あります。
 そこで今回はインバーターとは何か、説明したいと思います。
 (簡単にしようと思いましたができませんでした。)

まず電力会社などから受電して100Vコンセントに来ている電気は、
S100v_sin
このようになっています。
縦軸は電圧。横軸は時間で左端が0、右端は周波数が50Hzの場合1/25秒(0.04秒)です。

(波形の作図には“十進BASIC http://hp.vector.co.jp/authors/VA008683/”を使用させていただきました。)

 学校の授業でも習うことがあると思いますが、正弦波交流といってサインカーブを描きながら+側と-側に反転を繰り返しています。図では2回繰り返していますので2サイクルぶんを表示しています。

 ご存知の方もおられるかと思いますが交流(AC)100Vというのは実効値(電圧の働きを直流に換算した値)で最大値(山のてっぺん)はその√2倍(約141.4V)です。

 このままの電気を室外機にあるコンプレッサーへ供給して動力とするのが一定速で回る昔のエアコンです。コンプレッサーは電磁リレーによるONとOFFのみで、どうしても室温にムラがでて効率もよくありません。

 また50Hzと60Hz(地域によります)ではコンプレッサーの回転数が異なるため冷房や暖房の能力も異なります。(60Hz地域のほうが能力が高い)
 エアコンの仕様書に周波数ごとの能力や仕様が記載されています。

 一部機種(ナショナル製)で50Hz専用、60Hz専用というものが存在しましたが、周波数が異なってもその地域の周波数専用機を使用することで同じ回転数(同じ冷暖房能力)を得られるようにした機種と思われます。もちろん周波数が異なる地域では使用できません。

ではインバーターエアコンはどうなっているのか・・・

コンセントから供給された100Vの電気は室内機を経由してそのまま室外機へ送られます。
Img_0308t180215
これは室外機内部の電気部品です。

室外機内部の整流回路と平滑回路を通って
Dc282v
交流(AC)から直流(DC)になりました。

 いったんこのように直流にします。これをコンバーターといいます。
 正弦波交流最大値の倍電圧の約282V(無負荷時)がここから出力されます。理論値なので実際には電源の電圧や負荷などによって変動します。

そして次にインバーターが登場します。

 インバーターは直流になおした電気をもう一度交流に戻します。

 「オイオイなんでそんな面倒なことを」となりますが、こうしないとできないことがあります。

さきほどの大きな直流DCと電子回路で生成した小さなパルス波をパワートランジスタ(パワーモジュール)というものを用いて変換増幅することで三相交流を出力します。
3s_sin
これをインバーターといいます。実際には電子部品のスイッチングで波形を作っているため細かなギザギザがあります。

 こうなるとわけわからなくなってきますが、コンセントは単相交流100Vでインバーターからでたものはエアコンでは三相交流(電圧は任意)です。
 三相の電気を流すためには3本の電線が必要で、“U/V/W”で表示されます。

 三つの相(位相)はそれぞれ120度ずつずれて(位相差)出ています。

なぜかというと、
3s_enban
この円盤は中心を軸に矢印の方向へ回転するとします。

 赤、黒、青の印がありますがその間隔は中心から120度ずつずれて配置してあります。円盤を赤を手前にするように向きを変えて、回転させながら右に移動させていくとさきほどの三相交流の波形と一致します。
 コンプレッサーなどのモーターを回す回転力を得るには最適な波形です。

そして波形の周波数を倍にすると、
3s_sin_2
この図は前の三相交流波形の周波数を倍にしたものです。

 さきほどの円盤をこの波形に当てはめると前の波形よりも回転数が2倍となります。これこそがインバーターを使う理由で周波数を変えることにより自由な回転数(コンプレッサーの出力)を得られる方法です。

 インバーターから出る周波数と電圧は電子回路で生成する小さなパルス波で制御できます。

 早く冷暖房を利かすときにはコンプレッサーを高回転で回して定格よりも大きな出力を、そして希望温度が近づいてきたら定格よりも低回転にして温度ムラを少なく快適な状態を維持します。

 電源側周波数が異なっていてもエアコンの大部分の電気を消費するコンプレッサーは同じ回転数を任意に得られ、全体の電気使用量もほぼ同じになります。そのため仕様書には電源周波数ごとの記載はありません。

室外機内部のコンプレッサー
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3つの端子の周囲に“U/V/W”の記載があります。
Img_0607t180215
なお“U”は隠れて見えていません。

 インバーターは発売から30年以上、回路構成や方式の改良などはありますが使い続けられています。

 かなり長くなってしまいました。簡単にまとめると快適で省電力に寄与するということでしょうか。

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2018年2月14日 (水)

重いエアコンにはご注意。

 現在発売されているエアコンで高機能を謳ったタイプでは室内機が非常に重いものが増えています。

 エアコン入替工事のご相談をいただき、建物の構造、購入を予定している機種をお聞きしたところ、エアコン購入前に一度現地を拝見させていただいたほうが安全ということになり伺いました。

設置されていたのはこちらのエアコン。
Img_1280tc
はじめは気付かなかったのですが、縦のラインを中心に壁(正確には梁型)が歪んで下がっています。

 エアコン本体の質量は16kgで高さよりも奥行きのほうが大きいタイプです。発売年度からおそらく2007年頃に購入されたものと思われます。

 建物はマンションで構造物のコンクリートの梁を囲むように木材の下地と石膏ボードで造作されていました。

 しかし重い室内機のため長年にわたる荷重で梁型の壁は下地の木材と共に歪みを生じて下がっていました。写真のラインの裏にはちょうど縦に下地の木材が入っています。

 それだけではなく天井も引っ張られて少したわんでいて、後日の新品取り付け時にわかったのですが壁面は室内機の引っ張り荷重のため手前側に膨らんできていました。

 この状況で再度重いエアコンを選定購入するのは危険です。お客さまからマンションの管理組合にコンクリート躯体(共用部)へのアンカーボルト打ち込みの許可が下りるか確認していただきました。

 結果は不可。最近は特に許可の下りないところが多くなりました。大規模修繕工事で足場を組むときは“これでもか!”というほどアンカーを打ちまくるのですが個人ではやはり難しいですね。

 これ以上壁に重い負荷をかけ続けるのは危険なので軽い機種を選定いただき取り付けまで完了しました。

 マンションなどではエアコン用に壁が補強してあるところもありますが、実はその補強も信頼できるものではないこともあります。
 補強板が石膏ボードの裏に取り付けられているだけの場合は重量に耐えられず梁型全体が下地と共に下がってくることも考えられます。

 「このエアコンがいい」と機能やデザインだけで選ぶのではなく、本当にその壁に取り付けても十年以上の長期にわたり安全なのかということも考慮にいれて機種選定されることをお勧めします。

 なお新品取付工事の写真は撮っていませんでした。coldsweats01

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2018年2月10日 (土)

高気密住宅、ウレタンフォーム注入。

一戸建て住宅では高気密を売りにしているところが多くなりました。

ハウスメーカーの説明書にエアコン配管用の穴を開けた際、ウレタンフォームを注入して気密を保つように指示がありました。

説明書の指示はとても現実的とは思えない内容と方法でしたが、ハウスメーカーさんに相談しシールすべきところを聞いたところ、これなら可能な方法があると判断しお引き受けいたしました。

使用したウレタンフォームはこちら
Img_1275t

Img_1277t
これは正立使用不可で缶を逆さまにして使用します。

正立使用可能なタイプは使いやすいのですが、どの向きにしてもウレタンが出てくるため空吹きができず固まったら再使用できません。使い始めたら時間を置くことなく使い切る必要があります。

こちらのお宅では4台取り付けることになっており、日をまたぐことも考慮してあえて逆さ使用のタイプを選びました。

とはいっても長期保存できるわけではありません。

壁に穴を開けた後、養生管を動くようにしておいてからウレタンフォームを注入。筒をウレタンフォームで隙間がなくなるように移動させました。
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ウレタンフォームを扱っている間は周囲に付けないように注意をはらうため写真を撮る余裕などありません。

ウレタンフォームは接着剤のようなもので壁などについてしまうと取れなくなってしまいます。特に今回は新築のお宅ですので気を使います。

周囲の養生もマスキングテープを多く使用しはみ出した分が壁につくことのないようにしています。

発砲して膨らみますのではみ出てきたら都度コーキングヘラで取り除きます。

しばらくして発砲も収まり養生管が動かなくなってきたらツバを取り付けます。
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「フゥ。」これで一安心。

ノズルからウレタンが垂れないようにビニール袋にいれて缶を外へ持ち出し、再使用のために正立の状態で空吹きさせました。

その後4台とも問題なく終了。

たまに室内の壁を塗装で仕上げてあるお家がありますが、マスキングテープすら貼れない(はがすときに塗装ごと剥がれる恐れあり)のでその場合、養生もできず無理ではないかと思います。

久しぶりにウレタンフォームを使用した施工でした。余りは使いません(固まって使えません)のでビニール袋に放出して処分しました。

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2018年2月 8日 (木)

お客さまで取り外したエアコンの設置

川崎市高津区でお引っ越しの際、お客さまご自身で取り外されたエアコンの設置です。

一般の方がネット上での知識で取り外すと問題が多く発生します。しかしこちらのお客さまは施工経験者とのことで重要なポイントはご存知で問題ありませんでした。

取り付けもご自身でされる予定で新品のパイプセットなどを購入してありましたが、穴の開いている場所が施工上難しいところであったためご依頼いただきました。有り難うございます。

室内の状況は、
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このように穴が本体の左後ろに隠れる位置で開いています。

この場所には古いエアコンが設置してあったのですが、すでにお客さまで取り外されていました。

まずパッとみて気になるのが、
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このスリーブのツバの厚みです。

これだけ厚みがあると室内機本体が接触して壁から手前に持ち上がってしまい、本体の歪みによる異音発生やドレンパンの逆勾配を起こします。

取り替えました。
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これなら問題ありません。

室内の壁はエアコン設置用のためか合板が貼られています。この場合木ネジなどで固定できますが、より強固にするため間柱にネジを打つことにします。

間柱の正確な位置は、「寸法を測る」、「たたいて音で調べる」、「マグネットを使ってネジを探す」、「針でさす」などいろいろな方法がありますが今回は久しぶりに
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気分的にこれを使ってみました。

わりとハイテクな感じで正確な位置を出せるように思えますが、エアコンのように外壁に面した壁で使用しても断熱材が入っているため確実ではありません。そのため登場する機会が少ないのですが今回は珍しくピッタリでました。

柱の位置を探しているというよりもこの探知機の性能を調べている感じです。柱の位置は目見当でもわかりますので。

エアコン専用コンセントの近辺は「裏に電線があるよ!」とランプが赤と黄色で点滅して知らせていますが、おおざっぱ過ぎて使えません。

ということで、
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間柱に50mmの木ネジで固定。

他の必要箇所も短いタッピングネジで固定して
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据付板が付きました。

室内機の取り付け準備に入ります。
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室内機本体のパイプ接続部はラップが巻いてあり保護されていました。

これは重要なことで、中にホコリやゴミ、虫などが入り冷媒回路が詰まって故障することを防止します。また接続面の傷つき防止になりガス漏れリスクを軽減します。

業者などでビニルテープを巻いて保護する方がいますが、この場合一時的には問題ありませんが長時間そのままにしているとテープの接着剤の成分が冷凍機油と混ざって変化し接続面に固着してしまうことがあります。

室内機の配管方向が以前(右配管)と異なり左後ろ配管なので、
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このように180度パイプを回転させます。

180度ねじるわけですから、根元の銅管はストレスを受けて折れてしまうことがあります。特に移設回数の多いエアコンでは繰り返しの曲げで銅管が硬化していて折れやすくなっています。

それをできる限り防ぐために
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スプリングを差し込みます。

この太さのスプリングはエアコン工具としてはないため、ある工具を流用して使用しています。

左向きになりました。
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スプリングはすんなりと抜けてツブレもありません。

使用するパイプはお客さまが準備していた新品のパイプセット
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室内、室外機間の電線はVVF1.6mmが使用されていたため、損失改善のためVVF2.0mmをお勧めし交換しました。
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準備が整ったら室内機を引っかけて
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施工しやすいように全面グリルを外して本体下側を浮かせています。

室内機を下に置いたままパイプを接続して引っかける方法もありますが、それは難点があるので今回は使いません。

次は配管の準備に入ります。
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パイプセットはすでにフレア加工がされています。

キャップをとると
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きれいにフレア加工されています。

でも切断。
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少しフレアが小さいことと、肉厚が薄いと感じました。

工場の機械でフレアを加工しているためだと思います。

また、細いパイプと太いパイプの長さが同じでは室内機で接続する際に合わないため切断して長さを本体側と合わせます。

フレア加工が終わりました。
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あとは曲げ加工して接続します。

ここからは写真を撮らずに施工に没頭して取付完了。
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いきなり終わりです。

試運転ではガス量も問題ないようで正常な温度が出ていました。

最後にお客さまから使用しなかったコーテープ(パイプを巻くテープ)をいただきました。
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有り難うございました。

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2018年2月 5日 (月)

意外に大きい電圧降下

 電気を流すためにある電線。この電線で電気を消費していることをご存知でしょうか。

 特にエアコンのように流れる電流が大きい機器は電線での消費電力が増えます。

 電線に使用されている導体の材料は軟銅で、その素材がもつ抵抗率(電気の流れを妨げようとする率)は20℃で1/58[Ω㎟/m](太さ1㎟で長さ1mあたり約0.01724Ω)です。

 数字だけ見るとたいして大きくないと思われるかもしれません。

ルームエアコンでブレーカーから配線される電線は、
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このようになっています。

 ブレーカー→電線→コンセント→プラグコード→室内機→室外機と接続されて電気を使用します。

そして使用されている電線の多くは、
Img_1239tc
VVFケーブル。

 ブレーカーとコンセントの間はVVF以外のものが使用されている場合があります。(IVなど)

電線の被覆を剥いで
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導体を出します。

導体の太さは
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直径2.0㎜です。

 エアコンの場合、電力のほとんどを室外機で消費します。

 そこで例としてブレーカーからコンセントまでの電線が10m、室内機と室外機間の電線が10mあったとして、ブレーカーからは100V丁度で出てエアコンに最大電流20Aの電流が流れているとします。(実際には室外機には最大19A程度だと思います。)

 計算が複雑になりわかりにくくなるため、室内機(の電流)とそこから出ているプラグコードも細く接触抵抗などで電圧降下の大きい部分ですが今回は無視して考えます。

○ このとき室外機に加わる電圧は、

まず太さ1㎟で長さ1mの電線の抵抗が1/58Ωなので直径2㎜では
 Menseki
約5.49×10^-3[Ω](0.00549Ω→5.49mΩ(ミリオーム))。

 そしてブレーカーとコンセント間の10m、室内機と室外機間の10mの合計20mの電線ではどうなるかというと・・・
 ここで勘違いしていけないのは電線が20mだからといってそのまま20倍したのではまちがいです。

 電線は往きと帰りの2本で一組になり回路として構成されますので実際の電線長は2倍の40mとなります。

40mでの抵抗値は
Teikouchi
となりました。

上の抵抗に20Aの電流が流れた時に加わる電圧はオームの法則より
Denatsukoka_2
約4.39Vです。

 電線には4.39Vの電圧がかかります。

 ということはブレーカーから出た100Vは電線で降下して室外機には95.6Vに落ちて加わります。

 そしてその落ちた電圧分はエアコンとは別に電線で熱に代わって無意味に消費します。

どの程度電線で消費しているかというと、
Densensyohi
なんと87.8W・・・

 なお式の書き方は思いついたまま分解しましのでご了承ください。

 これだけの電力が電線から熱として放出されます。もったいないですね。もちろんこれは最大電流の時でインバーターでコンプレッサーの回転が落ちてくると電流が減り電線での電圧降下(消費)も少なくなります。

 なおこれらは20℃での条件なので電線から発生する熱により電気抵抗はさらに増え、10℃上昇すると4%ほど上がります。そうなるとまた電圧降下と発生する熱が増えてしまいます。そのため電線はできる限り放熱よく配置するのが望ましいと言えます。

 このようなことから部屋に対して小さな能力のエアコンをフル回転で長時間運転させるのは効率が悪く、そのほかに力率も悪くなる傾向があります。(力率については機会があれば触れます。)

 電線が太くなればその断面積に比例して電圧降下も少なく済みますが、材料費や施工性の問題もあります。

 たまに材料を節約(?)して直径1.6㎜の電線を使っているところも散見されますが、そうしたところはもっと電圧降下が大きくなります。

 あまり電圧降下が大きいとエアコンからエラーが出たり止まったりと不具合が出る場合もあります。

 常温超電導(常温で電気抵抗が0Ωになる)の素材が発見されて、しかも安価に使用できれば解決できるのですが・・・当面は夢の世界の話でしょうね。

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2018年2月 3日 (土)

寒い日はエアコン(暖房)が効きにくい。

 ここのところ関東南部でも寒い日が続きますね。

 積雪のあった日などはエアコンの暖房を入れてもなかなか部屋が温まらないといったお宅も多かったのではないでしょうか。

 このような症状はエアコンの原理、構造からなるもので多くは故障ではありません。

 最近のエアコンは低温時の特性もよくなってきており、昔のように全く効かないなどというようなこともなくなっていると思いますが、外気温が下がればやはり暖房能力も下がります。

 エアコンは暖房をつけると室外機で屋外の熱を奪い、その熱を冷媒ガスに載せて室内機へ運び放出します。そして室内で冷やされた冷媒ガスはまた室外機へ戻って屋外の熱を奪うという、熱を運ぶこと(ヒートポンプ)を連続しておこないます。

 当然、寒い日は屋外の気温が0度前後で、そこから熱を取り出すわけですから効率が落ちます。
 特に雪の降った日は空気中の湿度も高いため、熱を奪われ冷えた室外機の熱交換器(室外機裏のアルミフィンでできたところ)はマイナス温度になり凍り始めます。

 熱交換器が一旦凍ってしまうと室外機ファンの送風量も少なくなり、更に熱交換効率が落ちてどんどんと凍り付いて熱が取り出せず、エアコンはその状況を察知して除霜運転にはいります。

 除霜運転は機種により動作が異なるかもしれませんが、多くは冷媒ガスの流れを冷房運転に切り替えて凍った室外機の熱交換器に暖かいガスを送り込み溶かします。(室内機のランプなどで除霜運転中を表示します。)しかしその時には室内側の送風は止まり室内熱交換器には冷たい冷媒ガスが流れますので冷たい空気がゆらゆらと降りてきて室温は下がってしまいます。この除霜は数分から十分程度で終わりまた暖房運転を開始します。

 外気温が非常に低く、除霜運転を数十分間隔で繰り返してしまうと部屋は十分に暖まらないという状況になります。

 雪や雨の直接あたるところに室外機があると特にその影響が出やすいと思います。

 また朝晩冷え込みの厳しいところ(神奈川では西部地域)では除霜して溶かした水が室外機の底板に溜まり再度凍りつき、その氷がファンに接触し回転できず熱交換不足で暖房が全く効かなくなることもあります。
 寒冷地などでは室外機の底板に取り付ける排水ホースは接続しません。ホース内で水が凍って詰まってしまうためです。
 なお一般的に室外機用の排水ホースはその接続部品も含めて必要でなければ取り付けないほうがよいものです。

 暖房能力が部屋の大きさ対して少ない場合や部屋の断熱性能が低く窓や壁から放熱する量が多いと、普段はさして問題なくても極端に寒い日は暖房が効かなくなることもあります。

 冷房の場合は室温30度程度から25~28度へと数度下げれば涼しく感じますが、暖房は室温10度前後から22~25度へと十数度上げなければなりませんのでその分能力も必要になります。

 エアコンが気温に大きく左右されるのはヒートポンプの弱点といえるところです。暖房の不足した分を他の暖房機器で対応しているお宅もあります。(ただし冷房の能力不足はどうしようもありません。)

 それでも昔のエアコンと比べれば格段に能力は向上しています。

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2018年2月 1日 (木)

懐かしいバルブ

室外機のバルブです。
Img_1223t
上のバルブは二方弁、下は三方弁といいます。

この画像の三方弁を見て「オッ」と思われたかたは昔からエアコンに携わっているのでしょう。

一方、現代の室外機の三方弁は、
Img_0207rtc2
このような形をしています。

三方弁は室外機本体と室内機に向かう銅管接続部、それとサービスポート(真空引き、ガスチャージ、圧力測定等をおこなう)の三方向に流れます。バルブの開閉はスピンドル部(六角レンチ)で行います。

バルブが、
・全閉時には室外機側は遮断され室内機側とサービスポートの間だけ開きます。(緑線)
・全開または中間の位置では三方向すべてが開きます。(赤線)
中間の位置では開度が少ないため流量も減りますので中間の位置では使用しません。

サービスポートは室外機側、室内機側の両方もしくは室内機側と常時開いているのでこのままではキャップを外すとガスが放出してしまいます。そのため中にバルブコア(逆止弁のようなもの)が付いていて気密を保っています。

保守用のチャージングホースにはバルブコアを押す機構が付いていますのでホースを接続するだけでサービスポートは開きます。

バルブコアを緩めます。(通常は必要ありません)
Img_0210rtc

バルブコアが出てきました。
Img_0211rtc
自動車のタイヤの空気を入れるところとそっくりです。自転車でいえば米式バルブですかね。先端のピンを押すと開きます。

このタイプの三方弁の特徴として、
Img_0207rtc
室内機側の接続口とサービスポートが一直線上についています。

でははじめに見たバルブは、
Img_1223tc
ずれていますね。

手前側に見えているサービスポートにはバルブコアは付いていません。使い方を知らないとガスが漏れてあわてて右往左往することになります。

このバルブの動きは、
Img_1226tc
このようになっています。

バルブが、
・全閉の時は室内機側とサービスポートのみつながります。(緑線)
・中間の時は三方向すべてがつながります。(黄色線)
・全開の時は室内機側と室外機側のみつながります。(赤線)

室内機側だけ真空引きやガスチャージする際にはバルブは全閉し、室外機もまとめて行う場合は中間位置。そしてガス圧計測は全開位置から少しだけ閉める(少しだけサービスポートを開く)といった具合です。

通常使用時はもちろん全開です。

いまではなかなか目にすることのなくなったバルブです。

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