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2017年8月

2017年8月31日 (木)

天井カセット、ドレン水位異常。

外出している時に電話が入り、「天井に付いているエアコンが水位異常でエラーが出て動かない。隣の部屋の壁掛け型エアコンを代わりに動かしたら冷えなくなっていた。」との内容で点検依頼をいただきました。(ご依頼いただき有り難うございます。)

場所は川崎市高津区、早速出動します。

到着して一通り設置状況を見て回ります。
・天井に付いているカセット型エアコン(通称:天カセ)は本体のタイマーランプが6回点滅で”異常水位検出”を表示しています。
・隣の部屋の普通の壁掛け型エアコンはリモコン操作で風は出ますが冷えていません。

冷えない壁掛け型の室外機の状態を確認するため外にでます。

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室外機は室内機を2台接続できるマルチでした。天井カセット型と隣の部屋の壁掛け型がつながれていますので、どうやらカセット型のエラーで室外機が動かず隣の壁掛け型も冷えなくなっていたようです。

ということでエラーを出している天井カセットを点検します。

”異常水位検出”のエラーは何かしらの原因で除湿水の排出が出来なくなって、ドレンパン(水をためる受け皿)が満水になったときに出ます。その他にそれを検出しているセンサーなどが故障の場合もあります。この”異常水位検出”はこの機種の呼び方で、それぞれ”ドレン水位異常”など別の呼称になっています。

脚立を立てて室内機の近くへ上るとドレンポンプ(排水ポンプ)が回っている音が聞こえました。ブレーカーを落として天井に付いているグリル(パネル)を外しドレンパンの中に指を入れると満水なのが確認できました。

排水用のキャップを外して水を抜きます。
全体はこのような感じで
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近くで見ると
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水は1~2リットル出たような感じでした。

次にドレンパンを外します。外したドレンパンをご主人が受け取って洗って下さいました。その間に点検していきます。

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ドレンポンプ周辺は
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ポンプの横に水位検出用のフロートスイッチがあります。

ポンプをさらに近くで見ると
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吸水口にドロドロとしたものが付いています。

ポンプの吸水口を外して、
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特に問題はありません。

お客さまがドレンパンを掃除し終えて「こんなに汚れているとは思わなかった、すごかった」と驚いておられ、大量に堆積物が溜まっていたとのこと。

念のためポンプからつながる排水管に詰りなどないか確認しましたが問題ありません。

これはドレンポンプが作動すると水中に溜まった堆積物が吸い上げられて吸水口にくっつきフタになってしまったため排水されず、フロートスイッチが作動して異常水位を検出してエラーを出したものと判定しました。

分解した機会に熱交換器に積もったホコリもお客さまが掃除してくれました。

吸水口も洗って取り付けました。
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ドレンパンに満水近くまで注水してパネルを取り付け絶縁抵抗を測定したらブレーカーをON。

注水した水で再度”異常水位検出”のエラーがでることを確認して再度リモコンで停止、運転と入れ直しエラーが消えて正常運転となりました。
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そしてこちらのエラーが消えたことで隣の壁掛け型エアコンも正常に冷えるようになり完了です。

なお、このドレン水位に関するエラーは壁掛け型エアコンなどではセンサーが付いていないためありません。そのためドレンが詰まったりするとドレンパンからオーバーフローしてそのまま水漏れを起こします。

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2017年8月30日 (水)

エアコンを外出先からスマホで操作

エアコンをスマートフォンで操作できる装置を取り付けました。(川崎市多摩区)

 新品のエアコンをネットで購入され工事をご依頼いただきました。(有り難うございます。)
 その際に本体とは別にエアコンをお出かけ中に遠隔操作できるよう無線LANのユニットも購入されていたので取り付けます。
 なお取り付けできない機種もありますので購入前に確認しましょう。

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 このように室内機の右下に付いているものが無線LAN(子機)のユニットです。コードで室内機の基板に接続します。

 このユニットとご家庭に設置されている無線LAN(親機)とをWi-Fi接続してインターネット経由でスマートフォンを使用し操作できます。

 運転のON/OFF、温度設定、風量設定など機種により異なりますが色々操作できるようで便利ですね。帰宅前に部屋を快適な温度にしたり、留守中に運転状態を確認したりと使い方は自由です。
 お年寄りの一人暮らしでご家族が運転状態を確認することにも使えそうです。

 ただし留守中に運転するので説明書をよく読んで安全に使用してください。

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2017年8月29日 (火)

無意味な設定温度の論争

 毎年夏になると”エアコンの設定温度は○○℃が最適”とか記事になっているのを見かけるようになります。

 ”うちは27℃”、”いやそれじゃ暑い、うちは25℃”と話題にもでることがあるかもしれません。

 エアコンの設定温度での論争はナンセンスだと思います。というのも室温は設定温度の通りにならないためです。

 多くのエアコンでは温度を室内機に付いているセンサーで感知し、室内機の制御基板につながって温度を測定します。センサーで測定された温度はほぼ正確です。

 しかしそれはセンサー部分の温度であって室温がその通りになっているとは限りません。エアコンの汚れ具合、風量、部屋の形状、設置されている位置や高さなどにより室温とはズレが生じます。
 また同じメーカーでも機種ごとによって構造の違いから設定温度が同じでも室温が異なります。

 このようなことから設定温度と室温が2~3℃ずれてしまうことはよくあることです。
 宅内でこの部屋に付いている機種はよく効くけれども、隣の部屋に付いている機種は同じ設定でもあまり効かないので物が悪いと思われることもあるかもしれませんが、この設定温度とのズレが原因である場合が多々あります。

 設定温度は一応の希望温度で、正確に室温設定をしたい場合は室内に温度計を置いて確認する方法があります。おそらくエアコンの設定温度とは異なっていることでしょう。中には正確な場合もありますが。

 また人の感覚も大切です。”空調”という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、エアコンもその空調機の一種です。空調は”空気(温度)の調節”という意味ではなく”空気の調和”を略したものです。暑いのに無理して世間で言われる設定温度にこだわる必要はありません。

 温度設定は昼間と夜、また活動時と就寝時でも体感温度が変化するため換える必要が出てきます。
 一定の設定温度で過ごすのではなく、暑いと感じたら1℃下げる、寒いと感じたら1℃上げるというようにコントロールして快適な温度を見つけると良いと思います。

 たまに3℃も4℃も上げ下げする方がいますが室温が乱高下して不快となります。エアコンは設定温度の風を吹き出すのではなく、冷房の場合では吸い込み温度より8~15℃程度低い風を吹き出しています。そして吸い込み温度が設定温度に近づくと徐々に能力を弱めていって一定の室温を保とうとします。

 公共の建物では”冷房温度は省エネ28℃”としているところもあるようですが、設定温度ではなく室温(温度計)で設定をしなければ環境によっては30℃を超えてしまうこともあります。

 このようにあくまでも設定温度は目安にしかなりません。

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2017年8月28日 (月)

フィルター自動掃除機能の実態

エアコンの効きが悪いとの依頼を受けて出動しました。(横浜市)

依頼内容は”エアコンを引っ越し業者で移設してから効きがイマイチよくない”、”数年前から効きが悪いが今年は特に効きが悪くなった”、”煙が室内機から出てきた”という内容のものでした。

早速訪問して冷房運転をしてみます。リモコンの温度が23℃に設定されていて冷房が効かないため下げたそうです。

まずは室外機を確認。回り始めから戻り側の管が冷えてきました(普通は冷えるまでしばらく時間がかかります)。室内機の汚れかなと思い、椅子をお借りして吹き出し口に手をかざしてみると、”ポッ、ポッ”と一部分から風が出ているだけになっていました。

フィルターを見てみると
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アップでは
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こういうフィルターではありませんので(念のため)

これはフィルター自動掃除機能付きのエアコンでよくある詰まりかたで細かいメッシュにブラッシングなどでホコリがすり込まれてしまう症状です。

なぜこのようになるかというと、あるメーカーが自動掃除機能付きエアコンを発売したときのキャッチコピーに”10年間手間いらず”と言ったことや、売り文句に”エアコンが自分でフィルターを掃除してくれます!”といって販売するため、ユーザーは”掃除しなくていいもの”と思ってしまうためです。

自動掃除機能は、自身の手で掃除する頻度は減らせてもやはり人が手入れをしなければならないという、まやかしのようなものです。

このような機能の付いていないエアコンでは効きが悪いと感じたときに「フィルターが汚れてるかな」とユーザーが確認しますが、自動掃除機能が付いていることによりそれをしなくなります。フィルター詰りによる不具合で点検依頼が増加しているのもこれが原因になっています。

効きが悪くなるだけであればまだ良いですが、最悪は冷媒サイクルを壊し重修理(高額)を要する故障になることもあります。

室内機から出てきた煙は、無臭だったそうなので風量低下で熱交換器が凍ってドライアイスの煙のように空気中の水分が白く見えたものです。

エアコン本体は
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フィルターが詰まることにより室内機のありとあらゆる隙間から吸気をするようになってしまうためホコリで詰まります。

このような状態でエアコンをかけると室内機の内部だけがリモコンの設定温度に到達して部屋が冷えたと判断し、室外機が止まって室内は暑いままとなります。そのため設定温度をいくら下げても部屋は冷えません。

掃除機をお借りし室内機のホコリを吸い取っている間にフィルターを洗っていただきました。
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フィルターは見通しが効くくらいきれいになりました。

アップで
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奥に見える熱交換器はほとんど汚れいていません。風も安定して吹き出すようになりました。

ファンには少しホコリが積もり始めていますので多少の風量低下はあるかもしれません。
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でもそれほど問題になることはなさそうです。

エアコンの状態を確認します。

圧力測定(低圧)
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バルブ部温度測定
往き側
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戻り側
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少し膨張弁が開き気味かなとも思いますが、こういうエアコンのコントロール(プログラム)かもしれません。

室内機温度測定
吸い込み
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吹き出し
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問題ないでしょう。部屋も冷えてきました。

このような自動掃除機能はデメリットが多いので耳触りのいい宣伝はやめてもらいたいものです。

無駄な機能は削ってその分を安くしたり、他の重要な部分へ注力したほうが良いように思えます。

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2017年8月25日 (金)

エアコンが取り付けられる家を選ぶ時代?

 毎年続々と新製品が発売されるエアコンですが、上位機種の高機能なものは質量が重く取り付けられる条件がある程度限定されてきます。

 YouTubeなどで昔のCMを集めた動画がアップされていて、当時は薄くてインテリアの邪魔にならないものが多く出ていました。

 近頃のエアコンはどうでしょう。高機能を追求し本体は厚く重いものが主流となりつつあります。

 テレビなどの薄いものであればある程度重量があっても壁への負担は小さく落ちるような心配も少ないのですが、エアコンのように厚みがあると止めてあるネジ類を引き抜こうとする力も大きく、落下する危険が高くなります。

 まして本体の高さよりも奥行きのほうが長いものは、より危険性が高まっています。

 建てたばかりの新築であれば石膏ボードもまだ柔軟性もあり、傷もないため大丈夫かもしれませんが、古くなった石膏ボードでは湿り気を帯びたり乾燥したりを繰り返すうちに強度も弱くなってきます。
 特にエアコン入れ替え工事ともなれば既に壁にはネジ類の穴があってその部分の強度はありません。

 石膏ボード・・・石膏を紙で包んだ板。室内の壁材に使用されています。

 エアコンの設計者は日本の家屋の現状が分かっていないのでしょうか。ネットなどでエアコンの落下事故を調べるとたくさんヒットしますのでわかりそうなものですがどうなんでしょう。

 私の感覚からすると考えられない設計です。エアコン工事に行って本体が重すぎて壁がもたないとの判断になれば工事を中止せざるをえません。
 無理して付けてしまえばエアコンの寿命を迎えるのが先か、本体が落ちるのが先かということになります。

 もちろん私は安全な方法がなく危険と判断した場合、取り付け工事は中止しています。

 本来は他に何事もなければずっと落ちないのが当たり前ですが、現実に落下事故は増えていると思います。
 室内機が落ちると家財や壁にキズを付けたり穴を開けたり、人に当たれば打ちどころが悪いと首の骨が折れてしまうことも想像できます。

 たとえ石膏ボードの裏が板などで補強されていたとしても、中にはその板ごと剥がれて落ちているケースもありますので安心はできません。

 落ちなくとも石膏ボードは荷重をかけ続けると変形するので、引っ張られて壁が手前へ膨らんでくるかもしれません。

 流行りや消費者受けのよい物を追いかけるのも結構ですが、エアコン設計者の方は自分の造りたいものではなくもっと建物の現状を知って、その後10年、20年後はどうなのかよく考えて長く安全に使用できるものを造ってもらいたいと思います。

 そのうちニュースに出るような事故が起きるかもしれませんよ。

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2017年8月24日 (木)

クロスに合わせて室内機を取り付け

建物を所有している大家さんからの依頼でエアコンの取り付け工事に伺いました。(川崎市幸区)いつも有り難うございます。

今回は前居住者が退去されて次の入居までにエアコンを新品に取り替えるというものです。

現地に着くとすでにエアコンは取り外されていました。
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過去にエアコンを設置したままクロス(壁紙)を貼り替えていて、本体で隠れていたところはそれ以前の古い壁紙です。
本体から穴までの配管化粧カバーはそのまま使用するよう残してあります。

そして新品のエアコンも開梱されていて取り付けを待っています。
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部屋へ入って壁を見たときに予感はしていたのですが、室内機の配管取り出し位置に合わせて付けると左側に昔の壁紙が見えてカッコ悪い。
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大家さんに連絡してクロスは貼り替えるか確認すると今回はそのままとのことで室内機の配管取り出し位置をずらすことにしました。
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室内機の別の部分に影響がないことを確認して切り取ります。
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丸い検査証のシールは残るようにしました。

切り取ったらパイプ類にキズが付かないようにナイフで面取りします。本来の取り出し口でもバリ取り、面取りはおこないます。これをしない業者さん多いですよ。

室内機を床に置いているときは天地が逆になっていることが多いため、右左逆の取り出し口を切り取ってしまい顔が青くなっちゃっている駆け出しの工事屋さんもよくいます。先日も取り外し工事で反対側を切り取ってあって、内側からテープで張り付けてごまかしているものに遭遇しました。お客さんは外すまで気が付かなかったそうです。(量販店で購入し工事に来たのは年配の方だったそうですが・・・)

据付板も取り付けて
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周りのホコリを落として、めくれ上がっている余分な壁紙は水漏れの原因になるので切り取って室内機を引っかけます。

配管をして、
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今回コロナのエアコンですが本体裏で巻く防湿テープが付いていないので手持ちのものを使用しました。

室内と壁の穴の中を通るドレン管は結露防止の断熱ドレンホースを使用。壁穴付近のテープまきはパテによる穴塞ぎを容易にします。

設置完了。
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右側面
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左側面
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ハミ出しはありません。

エアコンを設置したままクロスの貼り替えをすると、エアコン入れ替えの際にハミ出してしまいカッコ悪くなることがありますので、できれば外して行うと良いかと思います。

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2017年8月21日 (月)

フロンガス過去の栄光、そして現状

多くのエアコンではフロンガスを冷媒としてシステム内を循環しています。

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 フロンガスと聞くと現在ではオゾン層破壊、地球温暖化と悪役のイメージがすっかり定着しました。

 まだ私がこの業界に入ったころはこのようなことは誰も知らないことでした。

 当時エアコンの講習などに行くと「フロンガスを発明した人はすごい!」「ノーベル賞に匹敵する」とそれはもう持ち上げられ、奉られて発明者は写真(絵?)付きで講習用テキストの初めのほうに大きく載っていました。

 人畜無害、無臭、不燃性と言われエアコン、冷凍機、冷蔵庫、半導体などの洗浄、スプレー缶のガス・・・と様々な物に使用されました。(ただし大量に吸うと酸欠になったり、火に触れると毒ガスが出ます。)

 しかし数年後、太陽からの紫外線を軽減しているオゾン層を破壊しているものがフロンガスだったと判明すると途端に悪役へと転じてしまったのです。(家庭用エアコンでは”R22”という種類になります。)

 完璧と思われていたものが知らずのうちに地球規模の被害をもたらす悲しい結末となってしまいました。(温暖化係数も高い)

 その後、試行錯誤ののち”R410A”というオゾン層を破壊しないとされる冷媒が開発されて新製品に採用され入れ替わって行きました。

 講習ではこのR410Aも完璧なものではないため”とりあえずのつなぎ”というような説明もありました。このガスは温暖化係数が非常に高くルームエアコンに充填されている量でも二酸化炭素に換算するとなんと3,600㎏(3.6t)に相当します。
 これでは地球温暖化という観点からは使い続けられるものではありません。

 そして近年採用されているものが”R32”です。「環境にやさしい」というフレーズで紹介されていると思いますが、あくまでもこれまでのフロンに比べてというもので、温暖化係数は高くルームエアコン1台分のガスで二酸化炭素換算1,200㎏(1.2t)相当です。そのうえR32は微燃性でそういった面の安全性はまだわからない部分もあります。

 またR410AやR32は圧力が高いためエアコン本体が持たずに穴が開いてしまいガスが漏れるケースが多くなっているのも現状です。
 バランスの取れた特性でオゾン層を破壊せず温暖化係数も低い、しかも無害で不燃という冷媒が開発できれば良いのですがいまのところ無理なようです。

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2017年8月19日 (土)

危険 エアコン落ちた!

電話で「エアコンが落ちてしまった」との依頼をいただき早速修理に訪問しました。(川崎市中原区)
ブログを見てご連絡をいただいたとのこと有り難うございます。

到着して拝見すると、
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落ちてます。

でも壁から出たパイプが短いことやカーテンボックスがあって下まで落ちずに他に被害は無いようです。
溜まっていた水がこぼれ落ちるためタオルやビニール袋で受けて、室内機がこれ以上落下しないようにヒモで括ってありました。

裏側は、
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ボードアンカーが壁から抜けています。

据付板を外して裏から見ると
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石膏ボードに4本で固定されていました。

重量のかかる上の部分は2本だけで、それも上端の穴より下がった位置で強度不足。しかも使用されていたものは”ねじ込み式”と呼ばれちょっとした荷重の変化で石膏ボードを破壊して抜けてしまうため重量物を固定するには不向きです。

アップで見ると
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このように巻貝のようになっています。

ボードアンカーを外して
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次に取り付け方法を考えます。
壁を調べると本体の左2/3位まで内部にエアコン固定用の補強板(木板)が入っていることが分かりました。
(写真ではすでに新しいボードアンカーを打ち込んであります。)
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石膏ボード表面から30㎜程奥にあるため設置工事をした業者さんはわからなかったのでしょう。

右側は補強板がなく空洞のためボードアンカー(カサ式)を使用します。
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カサ式のボードアンカーは壁の裏側で広がるため強度があります。

室内機のすぐそばに高いベッドがあり容易に触れることができるため通常よりも多めに固定します。
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古いボードアンカーの抜けた穴はパテで埋めました。
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中央から左は壁内の補強板へ直接ネジで打ち込み強固に固定します。
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計測すると壁の表面から補強板(板厚約10~12㎜)まで約30㎜、コンクリート躯体までが約60㎜でネジの長さは50㎜のトラスタッピングを選定しました。
板を突き抜けてコンクリートの手前で止まる長さが最適です。ここでネジが長すぎてコンクリートに地付きしてしまうと補強板の強度が一気に落ちます。(補強板ごと剥がれて落下する事例もあります)

固定が終わって室内機を掛けましたが試運転や確認事項等で気を取られ写真を撮り忘れました。
(もちろん下部も固定しています。)

絶縁抵抗、振動や異音の有無、温度、ドレン排水状況等を確認して完了しました。

帰ってしばらくすると別の方から「エアコンが落ちそうになっている」との連絡をいただきましたが、当店作業エリアから離れておりお伺いすることはできませんでした。(すみません)
室内機の上の隙間が大きくなってきて気が付かれたそうです。

室内機の落下事故は結構発生していて依頼があります。
設置状況によって壁、床、家財を壊したり、落ちるタイミングが悪いと人的被害も出たりします。

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2017年8月18日 (金)

快適でも寿命は短いインバーターエアコン

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 みなさんはインバーターエアコンをご存知でしょうか? 現在日本ではインバーターを搭載していないエアコンを見つけるほうが困難なくらい普及しています。

 30数年ほど前に東芝がルームエアコンに初めて搭載し、その異様な名前から我々の間では当初”インベーダーエアコン(古)”と呼ばれ、室外機が重く大きいため恐れられていました。

 インバーターエアコンはコンプレッサー(室外機の中にある圧縮機)の回転数を自由に変えてパワーが必要な時は公称能力よりも大きな力で部屋を冷やしたり温めたりでき、設定温度に近づくと回転数を落としてより小さな電力で一定の温度を保ちます。
 快適性と経済性(電気代)に優れた面をもったエアコンと言えると思います。

 日本では9割以上普及していると思われるインバーターエアコンですがアジア、欧州、中東方面ではまだ昔からの定速機(一定の回転数で回り、設定温度に達すると止まる)を使用しているところが多いようです。
 やはり求められるポイントに違いがあるということでしょうか。

 インバーターは電子制御でおこなわれ、その部品は機種ごとに特化したものとなっています。壊れてメーカー補修部品がなければそこで終了、エアコンを買い替えることになります。

 昔のクーラーは長持ちしましたが、それは部品の点数や電子制御がそれほどなく壊れる部分が少ないためです。壊れても割と汎用部品で直せてしまうこともありました。
 よくお客さんから「うちのエアコンは30年以上使ってるけどまだ使えてるよ」と聞きます。現在発売されているエアコンではまず無理でしょう。
 (とくにインバーターの載っている室外制御基板は壊れやすい。)

 海外では日本よりも過酷な環境で使用されることもあると思いますので、インバーターを含む電子制御では余計に寿命が短くなる恐れがあります。また壊れたときに自分たちで直せるほうが重宝ですし、下手をすると室内機と室外機を別の機種で寄せ集めて使っているかもしれません。このほうが自由度が高いですね。

 インバーターエアコンは室内機と室外機の組み合わせがその機種のみに限定されていて別の機種とつなぐと動きません。製造打ち切りから10年を超えて故障すると部品が無い場合も多く、いくら電気代が安くても入れ替えのコストで相殺または使用条件によってはマイナスになるかもしれません。

 寿命 = 部品の保有期間 ともいえます。

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2017年8月17日 (木)

雷の影響でエアコン止まる?(誘導雷)

エアコンが冷えなくなったので点検をと依頼をいただきました。(川崎市内)

うちとは別の業者さんで過去2度ほどガス補充をしているそうで、今回もガスが減っていると思われるので漏れ箇所を修理し直してもらいたいとのことでした。

なおガス補充をすると機器が正常なのか分からなくなることがありますのでしてはいけません。ガスを入れる場合は全量を計測して入れ替えるのが基本です。特に引越しの移設の際に商売目的で”ガス補充を”という業者は要注意です。

到着してまずは冷房運転開始。なんとなく風がぬるめで正常なのかよくわかりませんので圧力計でガス圧を見てみます。

停止時の圧力は2.2MPa(写真がありません。)この日は非常に暑く外気温が36℃くらいあったと思いますので飽和温度と照らしても悪くありません。

続いて冷房運転で低圧圧力を測定
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約1~1.1MPa

バルブ温度を測定
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液管側(往き側)は23℃

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ガス管側(戻り側)は14.5℃

戻り側のほうが温度が低くガスが蒸発して戻っているのがわかります。飽和温度と比べても過熱度(SH・スーパーヒートともいいます。)も問題ないようです。バルブ温度なのでコンプレッサーに入る手前ではもう少し過熱度は上がると思います。

 昔は詳細判定法のひとつとして過熱度でガス(冷媒)の量を判断出来ましたが、今どきはインバーターでの回転制御(コンプレッサーやファン)に電子膨張弁での冷媒流量制御と電子の技術でコントロールされ正確にはわかりません。まあ参考程度にはなります。

近頃エアコンも洗浄されたとのことで室内側の熱交換もうまくできているのでどうやらガス不足ではないようです。

室内機の温度を測定。

吸込み温度
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30℃

吹出し温度
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15.5℃

問題ないレベルです。

お客さまとの話の中でこれまではエアコンを運転してもすぐにランプが点滅して動かなかったとのことです。

ではリモコンでエラーを確認してみます。
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U4異常。

U4はシリアル信号異常となっています。シリアル信号は室内機と室外機の制御基板が連絡を取り合うものです。現在は正常運転しているためこれは過去の記憶で、その後自然に復旧していたようです。

コンセントを差し直して(リセットして)運転すると
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その後は”00正常”となって帰るまで再発しませんでした。

このような場合に考えられるのは外来ノイズや落雷などの影響で一時的にエラーを出してしまうことです。

こちらのお宅は高台にありますので周囲をみるとあちらこちらに畑のようなところの中にも避雷針が立っていて落雷の影響が多いことがわかります。

誘導雷(ゆうどうらい)などが考えられ、これは周囲(時には遠方)に落ちた雷で電線に誘導された電気が走り回り機器などに影響を与えるものです。

 昔、周囲に建物のない開けたところに建っている大きな倉庫へエアコンの定期メンテナンスで行きましたが、屋上(地上高もかなり高い)に業務用エアコンの室外機がたくさん設置してあって、メンテナンスのたびに数台の室外機が意味不明のエラー(エラーコード表にない)で停止していて電源リセットで正常運転に復帰するということがありました。
 そして周りは複数の避雷針とそれにつながるアースラインが室外機の近くを通してあり影響を受けていたのだと思います。

エアコンに異常が出たら一度コンセントを差し直してみて正常に動くか確認し、再発するようであれば点検依頼をしましょう。

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2017年8月15日 (火)

日本のエアコン工事技術はすごい?

 あるサイトの記事を見ていたら日本のエアコン工事のレベルの高さに中国の人が脱帽していると出ていました。

 日本ではパイプに配管化粧カバーを付けたりして仕上がりが美しいというようなことが載っていました。

 外から見ているとそのように見えるのかもしれませんね。しかし私としてはちょっと苦笑い・・・

 工事や修理に携わっていると、取り付けた人がどのような状況でどんな思いで工事していたのかなんとなく見えてきます。

 ”ああ、この人まだ経験不足だな”、”時間に追われて工事していたな”、”二人で工事していたんだな”、”ここまで手を抜くか”、というように感じることがあります。

 たしかに配管化粧カバーを付けてパッと見はきれいに仕上がって美しいというのはあります。しかし見えない部分に本当のその工事人の姿勢(心)が現れていると思います。

 見える部分はきれいに、見えないところは手を抜く。例えば数年前までは室内機と室外機を結ぶ電線(ケーブル)を材料費節約や施工性をよくするためにメーカー指定よりも細いものを使用するのが平然と横行していました。
 テープを巻くべきところを省略する。保温がされていない。電線の接続が悪い・・・あげれば枚挙にいとまがありません。

 一日にこなさなければならない件数を持たされて時間に追われて工事をすればなおさらです。工事単価を中抜きされて安くなっているのも拍車をかけています。

 時間をかけても完璧な工事とするのは困難なエアコン工事作業なのに短時間で終わらすのですから手を抜くのが一番手っ取り早い。ただ当人は手抜きをしているという実感はなく効率の向上と思ってやっている。挙句の果ては数をこなせて会社から褒められて俺は仕事ができると感じて喜びを覚えている人もいます。

 褒められればそりゃ嬉しいにきまっていますが、だからと言って私は手抜き工事はしませんでした。

 もちろん全員がしているわけではありませんが見えない裏での手抜き工事の横行は薄利多売・競争社会の副産物、なくなることはありません。

 また一旦手を抜くことを覚えてしまうと暇な時期になっても同じように施工します。そしてそれがまた見習いの者へ伝授される。

 私がこの業界に入って12年間は正社員として会社に勤めましたが、下積み時代は上司から厳しく指導されることも多々あり変な工事をしていれば「オマエそういうのを手抜きっていうんだアホーやり直せ!」と言われたものです。(時代も昭和でしたからもっときついことも言われました。)
 社員は下請け業者の工事指導にもあたりましたので、手を抜くようなことは許されない立場でもあったのです。

 一般の方からすれば仕上がりが良ければ完璧な工事に感じるかもしれませんが、もっと大切なのは機能を長年にわたり維持できるかを左右する見えない部分です。

 ある意味、中国のエアコン工事のほうが表裏がなく正直な工事と言えるかもしれません。

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2017年8月13日 (日)

室内機を板で浮かして取り付け

エアコン工事の依頼をいただき現地を拝見したところ、エアコンを取り付けられるように専用コンセントは設置されているのですが、壁に室内機を取り付けられる寸法が足りず板で浮かして付けた事例です。(川崎市内)

こんな感じで取り付けました。
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窓と右側のクローゼットの付いた壁との寸法は70㎝程度(室内機の幅は80㎝くらい)で入りません。
窓の上も天井との間の寸法が不足していて入りません。
また、クローゼットの扉を開けると室内機本体はクリアできるのですがルーバーが下向きになったときに当たるためぶつけて割れてしまうことになります。

現状この寸法で取り付けられるエアコンは存在しないでしょう。ご購入されていたエアコン(当店は販売はおこないません。)は奥行きはありますが高さが24㎝程度とコンパクトな機種です。

ということでお客さまと打ち合わせして板で浮かして左に寄せ窓枠にかかるかたちで取り付けることに決まりました。

板を調達して後日あらためて工事に伺います。

周囲の干渉するものをすべてクリアでき配管用の穴あけや室内機の固定に問題ない位置を選定し取り付けます。カーテンレールだけは外していただくことになりました。

据付板を取り付けた状況は
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このようになりました。
元々あったカーテンレールを外したネジ穴が残っています。配管用の穴は今回こちらで開けました。

板はこのように入れました。
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こちらのお宅はツーバイフォー構造なので左半分(窓の上)は”まぐさ”が入っていてどこでもネジが効きます。中央は縦枠に止めて、右側は石膏ボードアンカーで固定しました。この室内機の重量からしてこれだけ固定すれば十分強度があります。

板の厚みは窓枠の出しろと同じ寸法で用意しました。
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このような場合、板の寸法が大きく異なっていたり板自体を入れなかったりすると室内機が歪んでファンがこすれて異音が出てしまうこともあります。

穴あけの位置はツーバイフォーのため”まぐさ”と”縦枠”を避けていますので問題ありません。ツーバイフォーに筋交いはありませんが窓など開口部の上は開けられません。
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穴に養生管を入れて
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そして設置完了。
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カーテンレールはもう取り付けられませんがブラインドなどを検討するそうです。

クローゼットの扉の干渉もなく、天井と室内機のクリアランスも確保できました。安心して使用できます。

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2017年8月12日 (土)

エアコンの効きが弱い・・・汚れと思ったらガス漏れ。

今回ご依頼いただいた内容は2年程前にガスの補充をどこかの業者さんにしてもらったけれど、また冷えなくなってきた。というものです。(川崎市内)

ルームエアコンにガスの”補充”をするのはよくありません。封入されている量がわからなくなってしまい、エアコン本体が正常なのか故障しているのか判断が難しくなります。また過充填(オーバーチャージ)になることもあります。

実際に漏れてガスが不足したのであれば修理しないとまた漏れて冷えなくなることが予想されます。

到着して状態を確認します。冷房運転して室内機の吸込み、吹出し温度は悪くありません。しかし室内機から吹き出している風があばれていて安定していないのでフィルターなどが汚れていると判断しました。

フィルターを外して室外機のバルブ温度を測定します。

往き側14℃
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戻り側10℃
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問題ないように運転しています。

室内機の内部をのぞいてみると、
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熱交換器のフィンに結構ホコリが溜まっています。

吹出し口は
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ファンをよく見ると
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ファンにもホコリが積もっていますので風はサージングを起こして安定しません。お客さまにはエアコンの洗浄を依頼していただくようにお話ししました。ところが・・・

しかし2年前にガス補充をしたとのことで念のためリークディテクターでガス漏れ検査をすると、
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室内機の吹き出し口を検査しています。

”ピピピピピピピ・・・・・・・”bearing盛大に漏れ反応
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フラッシュの光でランプの点灯が確認できませんがフルスケールで反応しています。室内機の熱交換器からガス漏れです。位置的にアルミフィンに覆われた銅管に穴が開いていると思われ、ここは溶接修理もできません。高額修理となります。

購入から12年経過しているとのことで残念ですが買い替えを検討していただくこととなりました。

今回の事例はガスが漏れて冷房能力が低下していたのですが、室内機の汚れで風量も低下して冷媒サイクルとしてはうまくバランスが取れてしまっていたのでしょう。

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2017年8月 8日 (火)

筋交いに穴があいてますよ!

エアコンの取り外しや入れ替え工事で結構見かける筋交いの穴。

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このように斜めに入っている筋交いを配管用穴が貫通しています。筋交い(すじかい)ってなに?という方はネットで調べるとすぐにわかると思います。

私は筋交いに穴はあけません。それほど建築の知識がなくてもこれに穴を開けてはいけないことくらいはわかると思うのですが、あちらこちらのお宅で出くわします。

一か所穴を開けた程度では耐震強度が不足するわけではないかもしれませんが、エアコンを何台も付けて何本も穴を開けたらさすがに強度不足になるでしょう。

工事経験が少なく筋交いと思わずに貫通してしまうのかもしれません。壁の中の断熱材に阻まれて周囲が見えなかったり、本来の大壁や真壁の厚みが感覚的にわからないと外壁と勘違いしてそのままど真ん中に開けてしまう恐れがあります。

またエアコンの構造にも問題があって室内機の穴あけ指定箇所が筋交いの入っている部分になっています。これは昔からなのでどうしようもないのですが、室内機や穴の位置を少しずらしたり斜めに穴を開けたりとなんとか避けて取り付けるしかありません。

建物の図面があれば大概筋交いの配置がわかります。(図面が読めなければダメですが)

そのほかにもツーバイフォー住宅の窓の上にエアコンをつけて穴を裏にそのまま開けてしまっているお宅も見かけます。

ツーバイフォー住宅は筋交いが無く柱のように入っている縦枠(スタッド)を避けれがよいのですが、窓の上は建物の重要な構造材が入っていますのでエアコンの配管穴のような大きな穴を開けてはいけません。

私は新たに穴を開ける場合、図面があれば見せてもらっています。しかし建売住宅などでお客さまに「図面を見せてください」というと住宅メーカーから貰っていないことや簡素な配置図程度のものしかなかったりと、なんで?と思うことがよくあります。

建物を建てた以上、図面が存在するはずで家の購入者に渡すのが当たり前と思うのですが。
エアコン設置後に据付説明書をお客さんに渡さず持って帰ってしまう業者がいますが見られては困ることや会社からの指示があるのかもしれません。それと同じような感じがするのですがどうなんでしょう。

建物に設備を取り付けたり造作したりする場合に図面がないと後々不便なので可能であれば入手しましょう。

そのうち柱を貫通する強者bombに出くわすかもしれません。

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2017年8月 4日 (金)

複数のジョイントでガス漏れ修理。

一台のエアコンで何か所もガスが漏れていたケースです。(川崎市内)

カメラを車に忘れてきたため途中まで写真がありません。

今回のエアコンは10年以上前に取り付けられたもので、去年は吹出し口から水が飛んでいたけれど今年はそれに加え冷えなくなったとのことでした。

この症状で一番考えられるのはガス不足。その他にもいろいろありますが可能性の高いものからあたっていきます。
ガス不足で吹出し口から水が飛んでくるのは説明が大変になるので省略します。

運転するとやはり冷えません。エアコンを停止して圧力計をあてると気温に対して低めでガス不足です。ほとんど空に近い状態です。
ちなみに圧力計でガスが少ないと分かるのはかなり減ってからで、多少不足していてもわからないものです。

リークディテクター(漏れ検知器)でガス漏れ箇所を探します。
しかしこちらのエアコンはマンションに設置されたものなのですが、パイプが新築時に壁内に埋め込まれている埋設配管(隠ぺい配管)で、中継用ジョイントを含めると接続箇所が12か所(12コのフレアが)あります。

室内機背面のジョイントを調べたり、壁の点検口をあけたり、配管化粧カバーを外して漏れている場所を探します。

当方の使用しているリークディテクターは非常に高感度ですが反応が出たのは壁内点検口内のジョイント部で、しかも出たり出なかったりと安定していません。
これはかなり微量の漏れですがガスと共に漏れたオイル(ガスと一緒に流れるコンプレッサーオイル)が付着しています。設置当初から十年以上かけて少しずつ漏れていたのかもしれません。

室内機の背面にあるジョイントもリークディテクターでは反応なしでしたがオイルが付着していたので漏れていたと判断できます。

お客さまにお話しし修理することになりました。

まずは壁にある点検口内のジョイントから直します。
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すでにフレア加工をしているところです。

接続完了
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フレアナットやユニオン(中継用の部品)は不具合ないのでそのまま使用します。

続けて室内機背面のジョイント直し
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室内6か所のジョイントをすべて直しました。しかし全部締め付けが緩かった感じです。
室外側に漏れがなかったことを考えると、このエアコンを取り付けた業者さんは二人で室内と室外で分かれて作業したのかもしれません。
この業者さんあちらこちらでガス漏れを起こして大変な思いをしたかもしれませんね。(しかしこの安定した締め付けの甘さはトルクレンチを使ったのかも)

直した部分で切り取ったフレアです。
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フレア周囲がかなり肉厚になっていますので締めが甘かったのが伺えます。仕上がりもいいとは言えません。

背面を見ると
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2分側の背面に黒く変色しているところがあります。これは結露した水によるものですが、フレアナットの締め付けが甘く水の入る隙間があったということになります。ただしこのフレアに限ってはガスは漏れていなかったと思われます。漏れている場合はオイルが出て水ははじかれます。

そのためきれいな銅の色をしているほうが漏れていた可能性が高い部分となります。

接続完了で真空引きをしながら保温や外したところを元に戻します。

断熱材を巻いて
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ビニルテープ、コーテープ巻きが終わってさらに防湿テープを巻きました。
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点検口の中はほかにツッコミどころもありますが目をつぶってフタをします。

真空引きが終わったらガス量を確認して
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ガスチャージ中
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規定量封入
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運転して冷えを確認したら完了です。

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2017年8月 2日 (水)

冷房していたら勝手に暖房になった?

毎日蒸し暑いですね。

今回はエアコンで冷房をかけていたら急に暖房になってしまった事例です。(横浜市内)

エアコン本体は16年ほど使用されたとのことで部品の有無も気になるところです。
現地に到着してリモコンで冷房運転すると室内機から熱い暖房の風が出てきます。

四方弁が暖房にシフトしたままになっていますが、室外機を点検する前にメーカーへ部品の有無を確認します。
考えられるのは室外機制御基板不良、四方弁コイル断線、四方弁本体不良。このうち四方弁本体不良は修理費が高額になるためエアコンの使用年数からして除外します。

コイルは在庫ありで基板はすでになくなっていました。もしコイルもなければここで終了となります。

室外機を開けて点検します。

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四方弁のコイル(青い部分)に断線が無いか確認します。

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テスターであたって断線はありませんでした。

四方弁本体の固着も稀にありますが今回は冷房中に突然暖房になったとのことなので、それはないと判断しました。

次にリモコンで冷暖房を切り替えて基板からの出力電圧を見ます。
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コネクタピンをテスターで計測。

この機種は冷暖房どちらかで電源電圧と同じ100Vがコイルにかかって励磁(コイルに電気が流れて磁力を帯びること)されるようになっていますが、
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テスターの表示では2.169V(約2V)で冷暖房共に電圧が出ませんでした。

このエアコンは冷房時にコイルが励磁されるようになっています。基板上の電磁リレーが作動しなくなったため四方弁が暖房側にシフトしたままになってしまいました。

電磁リレー
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黒く四角いのがリレーです。ここの手前までは100Vがかかっていてヒューズも切れていませんでした。

この機種は昔のタイプで冷房時(逆のものもあります)にコイルに常時交流100Vが印加されるようになっています。現在では直流で始動時のみ数秒程度かけるだけで、冷暖房の切り替えは+(プラス)、-(マイナス)の極性を逆転させておこなっています。省エネへのこだわりでしょうか?

また、このコイルでは力不足でいきなり四方弁を動かすことはできません。小さな弁を動かしてコンプレッサーの吐出側(高圧)と吸入側(低圧)の圧力差を利用して本体の大きな弁を動かします。

今回は残念ですが部品がないためエアコンの買い替えとなりました。

お客さまで新しいエアコン本体を購入調達されて後日入替工事に伺いました。有り難うございました。

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